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レポート
2002.05.25
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寺岡宏/TERAOKA HIROSHI インタビュー

「キメラルックス」ジェネラルマネージャー・オブ・マ−チャンダイジング

PROFILE:
「キメラルックス」ジェネラルマネージャー・オブ・マ−チャンダイジング
1964年12月23日福岡県生まれ。血液型O型。文化服装学院アパレルデザイン科を卒業後、チャックローストに入社。86年に渡米し、ソーホーやイーストビレッジの靴ショップなどで働きながら、夜F.I.T.のファッションデザイン科で学ぶ。その後、バーニーズの日本進出に伴い、(株)バーニーズ ジャパンにマーチャンタイザ−として入社することになり帰国。以後、メンズのバイヤーとして8年活躍した後、98年に(株)ジャック・オブ・オールトレイズに入社。同社社長の加藤正樹氏とともに、02年「キメラルックス」をオープンした。

たぶん、いろんな「枠」を外したかったんだと思います。

このところ、メンズが混沌としてますよね。この10年を振り返ってみても、どうも結果的には、ベタベタなインポートか、ベタベタなストリートの二極化になってしまっている。ビジネスマンもぜんぜん元気ないですしね(苦笑)。

バーニーズが日本に進出したのは1990年。「高感度な大人」っていうのがターゲットだったんですよね。メンズだけじゃなく、レディスも、精神的にも経済的にも自立している人=大人。当時としては、「斬新なショップ」だったと思いますね。

でも、日本のマーケット自体がそうさせているんでしょうか。その後、気が付くと、知らず知らずのうちにコンサバな方へ、コンサバな方へと流れてしまっていたように感じますね。


90年代って、ストリートの時代だったじゃないですか。ファッションだけでなく、音楽や映画、飲食なんかも、面白いものがいっぱいストリートから生まれてきましたよね。特に音楽とか。

今の若者たちがいう「ストリート系」っていうのは、「ブランド主義」のひとつのパターンでしかなくなってる。裏原(裏原宿)とかは、その典型でしょうね。うちの会社は、千駄ヶ谷の外れにあって、ちょっと歩くと裏原なんですが、平日なんかでも、もう大変なことになってますよ。Tシャツはどこそこ、バッグはどこそこ、パンツはどこそこ。と、まるで制服(笑)!

これだけ「ストリート系!」って騒がれてくると、今度は、30代や40代の前半くらいの人なんかが気になってくる(笑)。さすがにシュプリームとかには並べないですけどね(苦笑)。情報として取り入れる程度。買って着るまでは至らない。

「ストリート系」と呼ばれるもの中には、ものすごくいいいい素材とかパターンのものもあるので、そのあたりの「良さ」「違い」がわかってくれる、本当の大人の人たちに着てもらいたいんですよね。子どもだけのものにするなんてもったいない!


若い頃は、何十万もするようなジルサンダ−のコートとか着て電車とか乗ったり、食事代を削ってグッチのレザーとかを着る、東京のアホっぽさがイヤでたまらなかったんですけど、最近、そのアンバランス感覚が素直に認められるようになりましたね。だって、それが東京の文化じゃん!って。

80年代後半をNYで過ごしたんですが、もう、みんな自分の好きなものを自由に取り入れてるんですよね。年齢とか体型なんかぜんぜんカンケイない。服を着ることを楽しんでるんです。また、面白い商品がいっぱいありますしね、店頭に。

日本だと、セレクトショップを何軒かまわると、必ず同じ商品に出会うじゃないですか。「あ、あっちでも売ってた!」と、さすがに消費者だって気づきますよ。なんだか、モノがあふれている時代とかいっておきながら、ヘンですよね。今から15〜6年も前のNYに既にあったようなショップが、結局、2002年の東京にはない。だったらつくりましょう、ということで、今回「キメラルックス」をオープンすることになったんです。

この場所って、悪名高きセンター街の奥、ど真ん中にあるじゃないですか。だからこその自由度もある。うちの社長もそんなアンバランスな感覚が気に入ったんだと思いますね。

リーバイス・レッドやソフネット、UACT、ラッドミュージシャン、トリッカーズ、フェイク、アディダスなど、いろんなブランドを扱っていますが、それぞれのブランドの「枠」を外し、ストリートとかモードとかいう「枠」も、若者と大人という「枠」も外しました。

自分はバイヤーじゃないですか。「理想はわかる、で数字は?」とシビアに突き付けられる。まあ、当たり前のことですけどね(苦笑)。そのバランスを大切にしながら、どれだけ面白い商品を提案していけるか。それがプロのバイヤーだと思っています。実は、いちばん外したかったのは、バイヤーの「枠」だったのかもしれませんね(笑)。


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