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soe(ソーイ)
レポート
2008.05.02
この記事のカテゴリー |  ファッション | 

soe(ソーイ)

あらゆる世代の男性に
上品でアカデミックな服を
「soe(ソーイ)」旗艦店がオープン

08年7月11日、渋谷パルコパート1にオープンした「soe shirts(ソーイ シャツ)」の記事はこちらからご覧になれます。

「イエローはアカデミックな人にしか
似合わない色」(伊藤さん)。
セットアップやスーツ、シャツなど、
フォーマルなウェアも揃う。
伊藤さんが一目惚れしたという物件は、
大きな梁を生かした内装が特徴。
シンメトリーに並んだ扉から差し込む光が
まるで教会のような雰囲気さえ醸し出して
いる。
従来の「soe」のイメージを形作った
カットソー類も充実。シンプルながらも
遊び心を効かせたデザイン。
「服を作ること=生きる意味」と言う
デザイナーの伊藤壮一郎さん。
店舗は山手通り沿いに面した好立地で、
最寄り駅は中目黒と田園都市線池尻大橋。
夜はさらにその存在感が引き立つ。
オープニングには編集者やバイヤーなど
150人以上の業界人が訪れ賑わった。
中目黒駅から、山手通りを国道246号方面に向かうと突如現れる、イエローの大きなファサード。これは08年3月29日にオープンしたメンズアパレルブランド「soe(ソーイ)」のフラッグシップショップ「soe TOKYO(ソーイ トウキョウ)」である。

デザイナーの伊藤壮一郎さん(30歳)が同ブランドをスタートしたのは01年A/W。カジュアルでありながらひねりの効いたメンズファッションを提案し、04年A/Wに東京コレクション、08年S/Sにはパリメンズコレクションでもデビューを果たしている。

今回、05年に中目黒駅の近くに設けたショップ件アトリエを移転。立地と空間にこだわり、あえて他にショップがない駅から離れた場所を選んだのにはこんな理由がある。

「まだ成熟していない場所で、自分たちがエリアの文化をリードしていきたいと考えました。もともと中目黒に出店したのは、文化度の高い人が多く集まるエリアだと感じていたから。現在の立地は駅周辺よりも大人が多く、さらに文化度も高いエリアですね」(伊藤壮一郎さん)。
 
同店は山手通りに面し、旗艦店と呼ぶにふさわしく間口が14m(メートル)と広い店舗であるが、ファサードにはロゴや商品ディスプレイが一切なく、一瞬何の店かと戸惑うほどだ。白を基調とした店内に入ると、台形型の物件(地型)を生かしたという「二等辺三角形」状の空間に驚く。そして、店内の什器や照明の矩形を全てこの「二等辺三角形」から作られる形で構成したことで、三角形の持つ“数学的緊張感”のある空間が生まれたのだそうだ。

「たくさんの要素は必要ない、洋服が美しく見えるただ“美しい”空間にしたかった」と、伊藤さんは言う。

ファサードや店内の照明は、シーズンごとのコレクションテーマに合わせてその都度変えていく予定。現在は08年S/Sシーズンのテーマ『YELLOW POET FOR GRADUATION(イエロー ポエット フォー グラデュエーション)』に伴い、イエローに染まっている。

「気づいたらイエローのアイテムばかりデザインしていて、それならイエローでコレクションを構成しようと。結果的にはトレンドを反映した色でもありましたが、デザインしている時は個人的にも充実したハッピーな時期だったので、その気持ちがイエローという色で反映されたのかもしれません」(伊藤さん)。

そんな伊藤さんに、ここ数年デザイナーとしての変化が訪れているという。ブランドを立ち上げた当初は、他の人がまだ手がけたことがない「おもちゃ箱をひっくり返したような」デザインを模索していたが、そんなアイデア重視のものは作ってしまえば、それでおしまい。2〜3年で飽きてしまったのだそうだ。その反動か、今は一過性ではなく、自分の手腕を磨き、経験を積むことでブラッシュアップできる「アカデミック」で「上品な」服作りへとシフトしているという。その背景には、「終わったコレクションはもう見たくもないものになっていた」と言う伊藤さんが、自身と向き合い、受け入れることで成長しようとするデザイナーとしての過渡期にいることを伺わせる。

その顕著な例が「soe SHIRTS(ソーイシャツ)」だ。これはその名のとおり普遍的なアイテムであるシャツを追求したライン。これまではヨーロッパのみに流通を限定していたが、今夏より日本でも本格展開を開始する予定だという。さらに、新たなる店舗の出店にも意欲的な姿勢をみせる。

「ショップをただ服を消費させる場として捉えるのではなく、付加価値を与えていけるような空間の提案をしていければと考えています」(伊藤さん)。

今後は、伊藤さんと同世代のクリエイターの作品を発表するようなインスタレーションスペースとしても機能させていく予定だという。

「旗艦店で新しい文化を発信していき、このエリアが“北中目”エリアと呼ばれるようになれば最高ですね。幅広い年齢の男性に共鳴してもらえるような服をつくっていきたいと思っています」(伊藤さん)。


[取材・文/津島 千佳(フリーライター/エディター)+『ACROSS』編集部]


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