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“ANIMAL BEHAVIOR” HAIR HAT exhibition
レポート
2008.05.14
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“ANIMAL BEHAVIOR” HAIR HAT exhibition

丸の内ハウスで“見たことない”帽子のエキシビジョンを開催

フォトグラファーのKenneth Capelloさん
(NY分)、内田 将二さん(東京分)による
写真も展示。
動物の頭を模した木型に、ウィッグ用の
毛髪を貼付けて作成されたヘアピースは
驚くほどリアル。
丸の内ハウスのロゴデザインを手がける
平林奈緒美さん(右)と野田凪さん(左)
によるエコバッグ各1,000円(税込)。
丸の内ハウスの8店舗とコンシェルジュ
カウンターで販売。
売上金の一部は緑の東京募金に寄付される。
新丸の内ビルティング(以下、新丸ビル)7階の丸の内ハウスで「“ANIMAL BEHAVIOR”HAIR HAT exhibition(アニマルビヘイビアーヘアハットエキシビジョン)」が開催された。これは、新丸ビルの1周年を記念したイベントとして行われたものである。

「アトリエルーム」と呼ばれる40平米のギャラリースペースに展示されているのは、長い毛髪を使って動物を象ったヘアピース15体。ウサギやリス、キリン、ライオンなどを髪の毛で精巧に再現したこれらの作品は、まさに「見たことがない帽子」。怖いくらいにリアルだがどこかファンタジックでかわいらしい、独特の世界観だ。

これらのヘアピースは、ヘアメイクアーティストの小西神士さんと根本亜沙美さんによって制作されたもの。同エキシビジョンのアートディレクターである野田凪(のだなぎ)さん、ヘアメイクアーティストの小西神士さんと根本亜沙美さんの3人はこれまで、コカコーラワールドキャンペーンやラフォーレ原宿の広告や、シザーシスターズ、YUKIのミュージックビデオなどを手がけており、今回のエキシビションでは、彼らのクリエーションが遺憾なく発揮されている。丸の内ハウスのプロデューサーである山本宇一さんが、以前から丸の内で何か面白いことをやりたいと野田さんに話していたのが、今回のエキシビジョンのきっかけ。日本一のビジネス街である丸の内はいわば超現実の世界。そこにファンタジックな世界感をぶつけるという発想が、飲食空間に遊びを取り入れる『丸の内ハウス』のコンセプトにぴったり、ということで、1周年記念としてこのエキシビションを開催することになったという。

展示作品はすべて本展のために制作された新作で、スチール写真は米『VOGUE』などで活躍するフォトグラファーのKenneth Capello(ケネスカペロ)さんがニューヨークでの撮影。今後はパリのセレクトショップ「Colette( コレット)」での展示を予定しており、ミュージシャンのBjork(ビョーク)のUKツアーでも使用されたほか、9月に開催される09ssのロンドンコレクションでも使用されるという。

4月にオープン1周年を迎えた丸の内ハウスは、三ツ星レストラン「il Calandrino Tokyo(イル カランドリーノ 東京)」、女性専用スナック「来夢来人」、そば居酒屋の「ソバキチ」、カフェ&バー「HENRY GOOD SEVEN(ヘンリーグッドセブン)」「SO TIRED(ソータイアド)」など、8つの店舗からなる飲食フロアである。「BOWERY KITCHEN(バワリーキッチン)」「LOTUS(ロータス)」などを手がける山本宇一さんが総合プロデュースを手がけており、通路と店舗の境界線がなく、テラスや異なる店舗を自由に回遊できるのが大きな特徴である。

さらにアトリエルームとよばれるギャラリースペースを設置し、オープン以来、アート関連のエキシビジョンやイベントを開催。07年11月に行われた「DesignTide in Tokyo 2007(デザインタイドイントウキョウ2007)」では、それまで会場となっていた青山、原宿、渋谷、六本木エリアに加えて、丸ビル1F「マルキューブ」と「丸の内ハウス」を会場に「Swedish Style(スウェディッシュスタイル)」を開催。特にここ最近では若手ギャラリーを集結した「NEW TOKYO CONTEMPORARIES(ニュートーキョーコンテンポラリーズ)」(08年4月開催)や新進気鋭のファッションブランド「ANREALAGE(アンリアレイジ)」(08年4月開催)のファッションショーなど、若手作家や新進気鋭のアーティストによるエキシビジョンを盛んに行っているのだ。

「“丸の外”でカルチャーを作ってこられたオーナーの方々を迎えて、顔が見えるフロア作りを目指し、現在のリアルなストリート感を伝えていければと思います。幅広い層が自由に集って交流して頂ける“街のゲストハウス”としてご利用頂ければ嬉しいです」と丸の内ハウス担当者は語る。

これまで一般的に、丸の内はビジネス街で、日常的に遊びに来る場所という認識は薄かったが、『丸の内ハウス』はそういったイメージを払拭し、今まで渋谷や青山、六本木を利用していた人々もターゲットに設定。オープン当初の客層は在勤者であるビジネスマンやOL、地方から訪れる観光客が中心だったが、最近ではそういった人々に加え、ファッション業界人やクリエイター、アートに関心の高い学生など、感度の高い人々が新しい遊び場を求めて訪れるケースも増えているという。

商業施設の飲食フロアとアートエキシビジョンを一体化することで、ビジネスマンやOLなどの在勤者にアートやカルチャーに触れるきっかけを提供し、同時に、丸の内以外からの来街者たちを取り込むことにも成功。「丸の内ハウス」は異なるライフスタイルやカルチャーを持つもの同士が交流する場所として機能している珍しい場所と言えるだろう。SNSやインターネットによってあらゆるものが断片化し、タコツボ化が進む現在、求められているのはこういった「場所」なのかもしれない。

[取材・文/藤原祥子(フリーライター/フリーエディター)+『ACROSS』編集部]


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