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シュウ ウエムラ展 〜25年目の開放〜
レポート
2008.07.23
この記事のカテゴリー |  カルチャー | 

シュウ ウエムラ展 〜25年目の開放〜

絶大な人気を誇る、シュウウエムラが25周年を記念し展覧会を開催。

女性をはじめ、男性も多く訪れた。
植村 秀 名誉会長
第二部「アトリエ」。
メイクが施されたマスクが並ぶ様は圧巻。
Viktor&Rolf(ヴィクター・アンド・
ロフル)との共作によるアイラッシュ。
フランス人のプロダクトデザイナーの
グエナエル・ニコラ氏とのコラボレー
ション商品「花美—HANABI」。
同ブランドの商品を実際に試すことが
できるコーナーも設けられた。
1983年の設立以来、不動の人気を誇る株式会社シュウ ウエムラ化粧品が、表参道の1号店オープン25周年を記念して、森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ 森タワー52階)で「シュウ ウエムラ展〜25年目の開放〜」を開催した。同社は08年のイヤーズテーマに「SUSABI—遊(すさび)」を掲げ、様々なプロジェクトを展開。同展はその一環として開催されたものである。プロジェクト名の「遊(すさび)」とは、趣を表現する「わび、さび」の語源になった古語で、「筆の遊」という言い回しもあるように興にまかせて遊ぶという意味がある。

「伝統を重んじながらも遊び心を失わず、常に新しいことに追求してきた当社25年の歩みを振り返るとともに、今後、一層のチャレンジング スピリットを『SUSABI—遊』という一言で表現しました」(株式会社シュウ ウエムラ化粧品ビューティブティック事業部広報宣伝マネージャー 牧野香苗さん)。

07年2月頃から植村 秀 名誉会長をはじめ事業部が一丸となって準備が進められた同プロジェクトは、08年1月のSUSABI専用サイト開設からスタートした。サイト上の「shu検定」は、シュウ ウエムラに関する知識をテスト方式で学べ、全問正解者には抽選で豪華プレゼントが当たるという趣向だ。SUSABI編(1月開設)、初級編(4月開設)、中級編(7月開設)、上級編(10月開設予定)と段階を踏んでステップアップするので、飽きずに楽しめゲーム性も高い。シュウ ウエムラ各店のビューティスタイリストによる「SUSABI BLOG」は、現場のリアル ボイスを閲覧でき、全社一丸となってプロジェクトを盛り上げている様子が窺える。そのほかにも、スクリーンセーバー、壁紙のダウンロード、株式会社エフエム東京制作によるWebラジオなど、限定コンテンツも充実している。

08年6月20日(金)〜7月6日(日)まで開催された同展は、来場者約1万1,000人を集め大好評のうちに終了。 “開かれたアーティストのアトリエ”というメイン コンセプトの下、全編を通して、化粧品ブランドとしてのシュウ ウエムラの一貫した美学と、創始者であり昨年末に急逝するまで現役のメイクアップアーティストとして第一線で活躍していた植村 秀氏のアーティスティックな世界観が存分に体感できる展覧会となった。

約1,000平米というギャラリーの広さを生かして3つのテーマで構成された同展の、第一部である「ブティック」は、壁一面に引き延ばされた開店当時の店舗写真からスタート。植村氏の言葉を交えながら、今まで販売された商品や写真を使ってブランドの歴史を追うというもの。表参道本店がオープンした1983年頃は、一般的な化粧品の販売方法といえば、百貨店カウンターでの対面形式か、商品をただ陳列するだけが主流だったが、同店は全商品を壁面にすっきりとディスプレイし、客が自由に化粧品を試して選べるという画期的な販売手法をとり、高い評価を得たのは有名な話である。アメリカ・ハリウッドでメイクアップ アーティストとしてのキャリアをスタートさせた植村氏の「日本女性にもっと化粧を楽しんでもらいたい」、「化粧品店を女性のためのコミュニケーションスペースとして機能させたい」という同ブランドのコンセプトが遍く伝わってくる。

同ブランドの斬新さは販売手法のみならず、クレンジング オイルを日本中に広めたことや、アイシャドー(全108色)の単色販売、フェイス ブラシなどの化粧道具の販売、素材自体の美しさを見せるクリアパッケージの採用など、枚挙にいとまがない。根底にブランド フィロソフィーである「自然・科学・アートの融合」が顕在していることが窺える。オープン当時の店舗写真を改めて見ると、驚くべきことにロゴは今と全く同じな上に、モノクロを基調としたインテリアや店舗外観が、ほとんど変わっていないことが分かる。現在もなお、新しさを感じるのは、当時これがいかに時代を先取りした店作りだったかということがわかる。

第二部「アトリエ」では、1968年から発表し続けている<モードメイクアップ>と、1972年に創めた<メイクアップ ショー>について紹介。植村氏が早くからアートとしてのメイクアップやパフォーマンスとしてのメイクアップ ショーという表現を行っていたことを、メイクを施したマスクやビデオ インスタレーションによって紹介。鏡による視覚効果によって幻想的な雰囲気が演出された。日常的なファッションとは一線を画し、エンターテインメント性とアート性を加味することで、メイク行為そのものをショーアップして新たな「美」を追求してきた同氏の、驚異的なパワーとエネルギーが感じられる。

第三部「シアター」では、04年からスタートしたクリエーターとのコラボレーション作品を展示。クリエーターとのコラボレーションによる限定商品は、いつも人気が高く入手困難なことが多い。

「ただ機械的に化粧品を使っても美しくはなりません。心から楽しんで使うことが大切です。きれいな化粧品は、使うのも楽しくなります。旬のクリエーターとコラボレーションする理由はそこにあります」(牧野さん)。

今年は4つのコラボレーション商品が登場する。1つ目は、パリコレクションで活躍する人気ファッションデザイナーデュオViktor&Rolf(ヴィクター・アンド・ロフル)との共作によるアイラッシュ(現在販売終了)。実際に使うのも良いが、コレクションアイテムとして飾っておきたいほど完成度の高い商品である。2つ目は、「アニマトリックス」、「鉄コン筋クリート」など、数々の名作を生み出しつづける「STUDIO4℃(スタジオ4℃)」プロデュースによる、オムニバスアニメ映画「Genius Party(ジーニアス・パーティ)」とのコラボレーション作品だ。パッケージに同アニメ映画のキャラクターをあしらったクレンジングオイル(7月23日より限定発売)と、本展のために制作されたオリジナルアニメーションが展示、上映された。同映画は、今秋に第二弾となる「Genius Party Beyond(TM)」が公開される予定で、今から話題が集まる注目作だ。

3つ目はフランス人のプロダクトデザイナー、グエナエル・ニコラ氏とのコラボレーションによるアイシャドーとオードトワレだ。はじける花火を女性の美しさになぞらえて「花美—HANABI」と名付けられたオードトワレは、実に約20年振りの販売となる貴重なもの。また、4つ目は日本人女性フォトグラファーとのコラボレーションで、今年のクリスマスに発売される予定となっている。

「メイクアップ アーティストの名をブランド名に掲げている化粧品が増えましたが、シュウ ウエムラはいわば草分け。今後も保守的になることなく、世界中の女性を綺麗にしながら発展していきたいと思います」(牧野さん)。

[取材・文/フリーエディター・ライター藤原祥子+『ACROSS』編集部]


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