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soe shirts(ソーイ シャツ)
レポート
2008.08.14
この記事のカテゴリー |  ファッション | 

soe shirts(ソーイ シャツ)

「soe(ソーイ)」からシャツにこだわったニューショップ
「soe shirts(ソーイ シャツ)」が誕生

細かなディティールにこだわることで、
それぞれに違った個性を引き出したシャツ。
シルエットをタイトに仕上げているため
女性も着用が可能だという。
チープなアルミ板が逆に独特の雰囲気を
醸し出している。あえて“塗りかけ”の
雰囲気を残した床が味わい深い。
限定のリメイク商品。古着のTシャツを
裏返して見せたり、ラルフ・ローレンの
ロゴの上にプリントを入れたりと、
遊び心が効いたデザインが特徴。
「抜きどころのある、心地よい空間」を
目指した店内。スケルトン棚を使用し
うまく開放感を演出している。
ベルリンの音楽レーベル
「morr music(モール・ミュージック)」
のCD。その時の伊藤さんの気分次第で
セレクトも変わるそうだ。
フリルは全てハンドメイドで仕上げている。
ボリュームのあるフリルが逆に男性的な
印象に。
以前取材したメンズアパレルブランド「soe(ソーイ)」が、同ブランド2店舗目となるショップ「soe shirts(ソーイ シャツ)」を7月11日、渋谷パルコパート1の5階に出店した。

実はこのショップ、厳密に言うと「soe(ソーイ)」でありながら、「soe(ソーイ)」ではない。その名のとおり、シャツのみを展開する新ライン「soe shirts(ソーイ シャツ)」を唯一国内で扱うコンセプトショップという位置づけだ。(同ラインの詳細については前回の記事を参照)

デザイナーの伊藤さんは、08S/Sより同ラインをスタート。当初より日本での展開を見据えながら、まずはヨーロッパを中心に海外のセレクトショップで先行販売。2シーズン目となる08A/Wに日本での展開を本格化し、同店のオープンに至ったという。

「『シャツを着ると気分が引き締まる』という伊藤にとって、ふだんから愛用しているシャツはたいへん思い入れの強いアイテムなんです」と言うのはプレスを担当するPR会社、WAG(ワグ)の熊井綾子さん。

「パターンやディテールの微妙な差異で仕上がりに違いが生まれるシャツに魅了され、『soe』コレクションラインでも特にこだわりを持って取り組んでいましたし、顧客からも支持の高いアイテムでした。単独ラインを立ち上げたのは、『シャツを極めたい』という伊藤の決意の表れでもあります」と話す。

シャツのベースとなる形は2パターン。08A/Wシーズンは全25型、サイズは3サイズで展開。生地や袖口、襟元などのディテールや微妙なシルエットなど、細部にこだわることで、それぞれ異なる表情を生み出している。特にシルエットは、生地によってパターンを変え品の生まれるタイトフィットに仕上げているのだそうだ。今シーズンは白をメインに、メンズにはあまり見られないシャーリングやボリュームのあるフリルを施した存在感のあるシャツを揃えるほか、襟や胸ポケットにグラフィカルプリントを施し、カジュアルに取り入れられるシャツも展開。価格帯は、10,000円台〜90,000円台(!)と幅広いが、中心価格帯は20,000円台だという。

“コンセプトショップ”である同店はそのほか、コレクションラインのシャツや、伊藤さん自らが買い付け、手を加えた古着のリメイク商品「ReMAKE(リメイク)」を発売。また、友人でもある中根吉浩さんが立ち上げたメンズアパレルブランド「Steam and Thread(スティーム アンド スレッド)」や、伊藤さん自らセレクトしたCDを揃えるなど、オリジナル商品にとどまらずシャツラインの世界観を他の商品群とのセレクトにより表現している。

内装も「洋服が美しく見えるただ“美しい”空間」にこだわったストイックな中目黒の旗艦店に比べ、同店はふらっと訪れるフリーのお客さまが多いインショップとしての入りやすさを重視。“バックヤード”や“メイクルーム”をイメージし、「抜きどころのある、心地よい空間」を目指した。什器には廃材の木材を、壁には一見チープにも見えるアルミ板を貼り、慌ただしいファッションショーの舞台裏を彷彿とさせる空間になっている。

今回渋谷パルコに出店した経緯については、
「商業施設のほか路面店でも出店のお話を頂いていましたが、シャツという男性の日常のワードローブを、学生さんやサラリーマンの方など、今まで接点がなかった客層にアプローチしたかったんです。ちょうど08A/Wには東京コレクションにも復活し、ブランドとしての展開を本格化する際に、新しいことに挑戦したいという思いもありました」(熊井さん)。

実際に来店客層は幅広く、もともと同ブランドの顧客が多い20〜30代の男性のみならず、狙い通り10代や仕事帰りのサラリーマン、カップルなど、新たな顧客の獲得に繋がっているという。

「シャツの持つ可能性を広げてみせたい。男性の欠かせないワードローブの一着になるようなシャツを極めていきたい」という伊藤さんが作る「soe shirts(ソーイ シャツ)」。現在は同店でしか手に入らないが、今後、価値観を共有できるショップへの卸しも行ってゆく予定だそうだ。


[取材・文/津島 千佳(フリーライター/エディター)+『ACROSS』編集部]


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