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JAPAN FASHION WEEK in TOKYO
2009 Spring/Summer Collection
レポート
2008.09.09
この記事のカテゴリー |  ファッション | 

JAPAN FASHION WEEK in TOKYO
2009 Spring/Summer Collection

伝統工芸を超えた新しい表現方法に注目

AGURI SAGIMORI(アグリサギモリ)

今回2回目のコレクションとなったAGURI AGIMORI(アグリサギモリ)は1985年生まれ。東京コレクションでも若手デザイナーの注目株のひとりだ。

 今回のテーマは、「Words and clothes〜人と言葉と日常着の関係性〜」。軽やかなピアノの音を背景に、白いシルクのシャツブラウスとグレーのヒップハングのパンツというクールなエレガンススタイルからスタートした。

 アシンメトリーなボリューム感がエレガントなロングスカートや光沢のあるジャケットには細かいアコーディオンプリーツのミニスカート。アンバランスなボリュームたっぷりの金髪のウィッグをはじめ、膝丈の白いシャツワンピースにマキシ丈の透け感のある黒いロングジレ、薄いグレーのスーツはアシンメトリーな丈になっているなど、一見クールでマニッシュな印象だが、どこかほっこりするハズしのあるユニークなクリエーションが披露された。

 後ろ身頃が折り畳まれた“ドッグイヤー”ジャケットや、付箋をモチーフにしたボックスポケットの“ブックマーク”ジャケットもユニークだが、インナーに用いられたシルク地には、デザイナーが好きな江戸川乱歩の小説「芋虫」の言葉「ユルス」や、「君が愛した僕」、「言の葉を纏う」という文字を、名古屋の有松絞りという伝統的な手法で滲ませ、言葉の持つ意味を、視覚的に表現することにチャレンジした。

 「いろんな無理をお願いした名古屋の有松絞りの職人さんが、『こんな注文はめったにないから職人として幸せ』と言ってくださったのには感動しました。つくづく、伝統工芸を打ち破ったものをつくりたいな、と思いました」(アグリさん)。

 もっとも大変だったのは、シルクオーガンジーや麻、コットンなど、それぞれの素材の良さを逸脱しない範囲の薄くて軽い触感を保ちつつ染織することだったとか。

 「もともと本を読むのが好き」というデザイナーが表現したかったのは、はかなくも強さをもった女性。

 「ネガティブな話のなかに、ポジティブな単語を見つけたんです」と言うように、輪郭をぼかしたり滲ませたりなど、細かなディテールには、軽さとヒネリが同居する、東京のストリートファッションの原動力のようなものが感じられた。

 ちなみに、インビテーションには、しおりが挟まれた文庫本のようなノートブックが同封されていた。


取材/文:『ACROSS』編集部


Japan Fashion Week
日時:08年9月1日(金)〜9月7日(日)
主催:有限責任中間法人 日本ファッション・ウィーク推進機構
後援:経済産業省、独立行政法人 中小企業基盤整備機構、独立行政法人 日本貿易振興機構、知的財産戦略本部、外務省、文部科学省、国土交通省、東京都、社団法人 日本経済団体連合会、日本商工会議所、東京商工会議所、財団法人 日本ファッション協会、社団法人 日本アパレル産業協会、日本百貨店協会


[取材・文・撮影/『ACROSS』編集部]


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