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東京コレクションレポート_zechia(ゼチア)
レポート
2008.09.03
この記事のカテゴリー |  ファッション | 

東京コレクションレポート_zechia(ゼチア)

日常なんだけどファンタジーな世界。その背景には最新の素材技術の力も。

JAPAN FASHION WEEK in TOKYO
2009 Spring/Summer Collection

zechia(ゼチア) 
 「zechia(ゼチア)」のルーツは、1993年にLICAさんとNAKAさん(中川 正博より改名)の2人組でスタートした90年代の東京のストリートファッションを牽引したブランド、「トライベンティ」、そして「20471120(トゥーオーフォーセブンワンワントゥーオー)」。94年に東京コレクション、1997年にパリコレクションに参加し、98年には、「毎日ファッション大賞 新人賞」を受賞した実力派のブランドだ。

 NAKAさんは、その後、古着を再生した1点物を「リサイクチュール」と称し、自らコレクションを行ったり、アートユニット「中川装置」として<トーキョーリサイクルプロジェクト>に携わるなど、世界の現代アートシーンをメインステージとして活躍。弊社(パルコ)としては、2000年にパルコギャラリーで開催された「SUPER FRAT展」にて、<ひょうまん円PROJECT>として参加いただいた。

 一方、LICAさんは、「東アジア競技大会」のオープニング衣装のプロデュースや手塚真監督映画「Black Kiss」に衣装参加。05年には「cacharel(キャシャレル)」チーフデザイナー、2006年に「Baby Jane cacharel(ベイビー・ジェーン・キャシャレル)」のディレクターを務めるなど、アパレル分野での活躍を経て、2008年、中川正博さんをクリエイティブディレクターとして、「zechia(ゼチア)」をUNIT&GUEST株式会社より立ち上げ、2008年3月の2008A/Wに再び東京コレクションに登場したのである。

 今回2回目となった「zechia」のテーマは、「WOMAN IS Ladybird」、てんとう虫だ。

 本物の芝生が敷き詰められたランウェイは、水気を含みしっとり。バックには上下左右にミラーが設置され、さらに芝生が長く、ずっと広がっているような演出になっている。

 会場はぎゅうぎゅう。ショーが始まるのを心待ちにする人たちの気持ちがピークに達した次の瞬間、F.P.M.(ファンタスティック・プラスティック・マシン)の楽しい音楽とともランウェイに照明が点灯し、ショーがスタートした。

 最初のルックは、ローズカラーの古地図のようなパフスリーブのボウブラウスにオーガンジーのチュチュのようなスカートでクラシカルな印象。続いて、宇宙柄のロングブラウス+レギンスのセットアップや薄い色のブルーデニムのジャケットにクラッシュド・デニムパンツ、イエローのチェックのツィードや、てんとう虫柄のトップスにややくすんだグリーンのスカート+ペパーミントグリーンの靴、ボレロ風のジャケットにヒョウ柄×ショートパンツ、シャツワンピースにボックスプリーツスカート。後半は、紺や赤のボーダーのバリエーションが多数登場。リラックス感のあるクラシカルなパイレーツファッションが提案された。

 全てのモデルの頭には、モコモコした布の固まりが巨大なターバンを形成。実は、リサイクルダウンのベストやジャケットをまとめたもので、ヘアメイクの加茂克也さんのアイデアによるものだそうだ。

 「ある日、たまたまうちの窓にてんとう虫がとまっていて、小さい時にも同じような風景に出会い、そのときになんだか幸せな気持ちになったことを思い出したんです」と言うのは、デザイナーのLICAさん。

 「てんとう虫って、英語ではLadybird、中国語では紅娘っていうんです。小さい赤と黒の組み合わせがチャーミングなだけでなく、実は、害虫とかを食べてくれるエコなムシ。“WOMAN IS Ladybird”、ええやん!ということで、今回のテーマになりました」(LICAさん)。

 一部の素材は、帝人ファイバーのリサイクルポリエステル繊維「エコペットプラス」を起用。従来の再生素材とは異なり、品質や素材感の低下や制限がないことから、もともと環境問題に関心の高い2人のニーズと合致したのだそうだ。いちばん難しかったのは、四つ葉のクローバーのモチーフの深いグリーンの色味を出すことだったとか。

 「訴えたかったのは、日常なんだけどファンタジーな世界です。でも、服はリアリティがあって、着られるものにしました」。(NAKAさん)。

 エコでキュートなてんとう虫のように、見た目がかわいいだけでなく、強くてポジティブな現代の女性像を、zechiaならではの独特のクラフト感とファンタジーがミックスしたクリエーションで表現されていた。



取材・文/『ACROSS』編集部


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