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Kuhn Keramik(キューン・ケラミック)@ベルリン
レポート
2009.01.07
この記事のカテゴリー |  インテリア・雑貨 | 

Kuhn Keramik(キューン・ケラミック)@ベルリン

エレガントと反骨精神が今の時代の気分?
〜混沌とした時代のヒントはベルリナーに学べ

シャンデリアやカップボードなど、今をイメ
ージさせるショップ。工房はお店の奥にある。
写真嫌いのシャイなキューン。武骨な職人
気質の中に繊細な感性を秘めた人だ。
左は金と銀のポット。イエス様の絵の下に
ある陶器の「手」は、壁に取りつけるタイ
プのハンガー。
クリスマスツリー用のデコレーションボール。
天使やクラシックな中に、毒のあるパンクな
モチーフもひそんでいる
これは手作りのカップのコーナー。わざと
武骨な形にしてあるデザインで暖かみがある。

バロックとパンク、エレガントと反骨精神が今の時代の気分?

 ドイツは職人の国である。パン屋から煙突掃除人まで、100近くある職人の伝統技術は、マイスターから弟子へと継承されている。

 ベルリンの街を歩くと、地味な裏通りや半地下のショーウィンドーに、みたこともないようなオリジナル品に遭遇する。中をのぞくと、大概がショップと工房を兼ねたスペースで、黙々と作品を作っている職人さんがいて、熱心に作品の解説をしてくれたりする。

 伝統工芸をベースに、独自のデザインやメソッドを展開するそれらの作品は、まるでアートと工芸の間に浮游しているようでとてもユニーク。ベルリンには、こういった“アーティスト系職人”がいる。伝統的な職人の枠にはまらないアウトサイダー。陶芸家ベルント・キューンもそんなひとりだ。

 キューンは、出身地の南ドイツとパリで陶芸の修業を終えた後、ベルリンで独自のアトリエを構えた。「マイセンやニュンフェンベルクとか、大手の磁器メーカーは最初から範疇になかった」という彼。金や銀のうわぐすりが施された、メタルのような質感のポット。ファンキーなプリントが炸裂するパステルカラーの器。その独自の手法と感性によって紡がれた作品を見てみればそんな経由も納得。歴史的名釜の規範に押し込むことができない自由なクリエーションとユーモアが、縦横に飛躍している。思わず心が躍らさせる陶器というのも珍しい。

 「バロック」と「パンク」がキューンの作品を貫くテーマだという。エレガントと反骨精神という相反する要素の融合は、南ドイツのバロックのお城を見て育った彼が、ベルリンという反体制主義の街にたどり着いて生まれたスタイルなのだろうか?

 ベルリンはよく、“ゲイが自由に呼吸できる街”といわれる。キューンの作品も同じこと。あらゆる分野のマイノリティーたちが(人生という)作品を織りなし、自然体で生きていける場所。人間の多様性を受け入れる幅がある土壌から生まれ出るデザインだと思う。


[取材/撮影・荒井剛(在ベルリン・フリーライター)]




Kuhn Keramik
キューン・ケラミック

Fasanenstr. 58
10719 Berlin
tel +49-30-28 384 695
10時〜18時(月〜金)
休:土、日、祭日

http://www.kuehn-keramik.de


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