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09/10AW東京コレクションレポート_KAMISHIMA CHINAMI
レポート
2009.03.26
この記事のカテゴリー |  ファッション | 

09/10AW東京コレクションレポート_KAMISHIMA CHINAMI

3月23日(月)17:30〜@原宿クエストホール

「MOSAIC(モザイク)」をテーマに背反する要素の共存を表現


札幌を拠点に活動を続けるKAMISHIMA CHINAMI(カミシマチナミ)は、独自の手染め加工によるカラーとオリジナリティ溢れる素材使いを得意とするブランドである。1998年にブランドを設立し、2002年に東京コレクションに初参加。2004年には東京・青山に初の直営店をオープンし、現在は都内に3店舗ショップを構えている。14回目となる今回は、「MOSAIC(モザイク)」をテーマにコレクションを発表した。

「一般的に『モザイク』とは、ガラスや石の破片を埋め込んで模様を作る装飾方法のことをいいますが、生物学では、ひとつの個体の中に雄と雌の特徴が現れる現象のことを『モザイク』現象というんです。その2つの意味にスポットを当てて作品を作りました」(カミシマさん)。

真っ暗だったランウェイが白くライトアップされると、ノイジーなアンビエントミュージックに合わせて、オールアップのヘアスタイルのモデルたちが颯爽と登場。顔を覆うように着用した綿のようなプラスティック・ヘアや太い眉、オレンジ、パープルのリップスティックがシャープで強い女性像を連想させた。

ニットやメルトン、ムートンなどの温かさを感じさせるアウターに、薄い素材のスカートやドレスを組み合わせるコーディネートが中心。ドレスやスカートは裾がイレギュラーヘムのティアードになっており、歩くたびにひらひらと揺れる女性らしいデザインだ。ボルドー色のナイロンキルトコートにシルクサテンのサルエルパンツを合わせ、サスペンダーをプラスしたり、透け感のあるオーガンジー素材のオールインワンに縮絨ニットのベストを組み合わせたスタイルなど、リアルなフェミニン・ミックスコーディネートを提案していた。カラーは黒やグレー、ダークブルーなどをベースに、差し色で赤やマスタードイエロー、薄いパープルなどを加えた。

ショーの前半では、テーラードジャケットやベスト、コートなど一見マニッシュなアイテムが多数登場。しかし、実は後ろ身ごろは背中が大きく開いており、大胆に肌を露出するセクシーなデザインという、マニッシュとフェミニンが共存したデザインが目を引いた。また後半では、強さから一転、花柄のドレスやサルエルパンツが登場。しかしここでも、花柄とはいえ、正方形を組み合わせたグラフィカルなモザイク柄で表現されており、どこかクールで甘過ぎない大人の女性らしさが演出されていた。

また、同ブランドが得意とする斬新な素材使いも健在。前回に引き続きプラスティックを多用しており、両腕を短冊状のプラスティックパーツで覆い尽くしたコートや、裾や胸元に正方形のアクリルパーツを縫い付けたドレス、スカートなどが登場。柔らかいシルクやニットと硬質なプラスティックを組み合わせることでそれぞれの質感を強調するのと同時に、光を吸収するマットな生地と光を反射するプラスティックを対比させた。ちなみにこのプラスティックパーツは新幹線の廃材を再生した素材を利用しており、頭に付けたプラスティックヘアも、ペットボトルを100%再利用したもので作られているというから驚く。

「コレクションを始めた頃から、新しいものに挑戦していきたいという気持ちは変わりません。景気後退、不況といわれるこんな時代だからこそ、感動を与えるものを作っていきたい」(カミシマさん)。

マニッシュとフェミニン、自然と人工、光の吸収と反射など、相反する要素が共存する作品で構成された今回のコレクション。各ショーピースのデザインからは、フェミニンからマニッシュへ、スイートからクールへというトレンドの転換期の訪れが感じられた。

撮影・取材・文/『ACROSS』編集部
Japan Fashion Week
日時:09年3月21日(土)〜3月29日(日)
主催:有限責任中間法人 日本ファッション・ウィーク推進機構
後援:経済産業省、独立行政法人 中小企業基盤整備機構、独立行政法人 日本貿易振興機構、知的財産戦略本部、外務省、文部科学省、国土交通省、東京都、社団法人 日本経済団体連合会、日本商工会議所、東京商工会議所、財団法人 日本アパレル産業協会、財団法人 ファッション産業人材育成機構、日本百貨店協会、社団法人 日本皮革産業連合会


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