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中古携帯電話販売サービス「エコたん」
レポート
2009.03.27
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中古携帯電話販売サービス「エコたん」

需要が急増する中古携帯販売・買い取りサービスに日本テレホンが本格参入

傷があるかどうかだけでなく、
保証書や取扱説明書の有無も表記される。
リユース商品だからこそ実際に手にとって
実物を確認できる安心感は大きい。
気軽にチャレンジできそうな低価格な
商品も揃う。
<狙いはエコロジー&エコノミー>

  携帯電話をユーザーから買い取ってリユース携帯として再販売するサービスが今、注目を集めている。この携帯電話の再販売事業で先行しているのが、携帯電話の販売店を運営する日本テレホン株式会社(本社:大阪府)がスタートしたサービス「エコたん」(リユース携帯の呼称)だ。

 同社が関東圏と関西圏で展開する直営店「e‐BoooM(イーブーム)」21店舗で、2008年からこのサービスを開始。使われなくなった後もユーザーの手元に留まりがちだった携帯電話機を買い取って、クリーニングやデータ消去などの処理を施したエコたんを、独自の基準で設定した割安な価格でユーザーに提供している。店頭での販売に加え、ネットでの販売も並行して行っている。
 
同店で販売されるエコたんの価格は、ハードの経年や状態、機種などによって若干の変動があるが、新商品は新品の7割程度、売れ筋の商品で5,000〜15,000円と様々なニーズに対応しており、ユーザーにとっては魅力だろう。

その背景には、2007年11月に開始した新しい携帯電話の販売方式(割賦販売)の定着に伴い、携帯電話の購入時にユーザーが支払う端末代金は大きく上昇。結果、買い替え需要にブレーキがかかり、携帯電話の販売台数の水準は、ピーク時の半分程度になっていることがあげられる。

携帯電話ユーザーは、販売方式が変わる前も、購入後の料金プランの中で端末分の料金を支払っていたのだから、端末料金そのものが上昇したわけではない、というのがキャリア側のロジックだ。しかし、「0円ケータイ」に一度慣れたユーザーからすれば、携帯電話に3〜5万円といった金額を支払うことに抵抗感を覚えざるを得ないのが事実。最近の消費引き締めの空気が漂う中にあってはなおさらだろう。

さらに現状の料金体系では、契約期間を残した状態で携帯キャリアや機種を変更すると、ユーザーのコスト負担額は大きくなる。特に故障や盗難など不測の事態で買い替えなくてはならなくなった場合、ユーザーの負担感は相当なものであり、ユーザーの買い替えニーズに対するブレーキになっている面も否定できないだろう。

「携帯電話機の代金を割賦で支払われている方が契約期間を残して故障や紛失をされると、契約期間の縛りがあるため残額を一括で支払うか、その後も継続して月々の支払いをしなくてはなりません。割賦代金の残債を一括負担して急いで新品を買うよりも安いということで、エコたんを求めて来店されるお客様が多いですね。また、MNP(携帯電話番号持ち運び制度)でキャリアを乗り換えたものの、やはり不便だったので元に戻したい、ということで来店される方もいらっしゃいます」(イーブーム下北沢店店長 宮本雄太さん)。

 リユースの可能な携帯電話機を持ち込めば同社の査定基準に基づいて買い取ってもらえるため、その買い取り額を新しい端末の購入資金に充てることができる。中古車や中古のPCでいえば下取りだが、これは既存のキャリアでは行われていないサービスだ。割賦販売の残額があるユーザーでも、これなら新しい携帯を購入するきっかけになる。さらに買い替えの促進を図るため、査定額をアップするキャンペーンも実施している。

 「エコたん」の“エコノミー”と並ぶもう一つの柱は“エコロジー”だ。金、銀、銅、ニッケル、パラジウムなどの希少金属を含む金資源が含まれている携帯電話の端末には資源としての再利用価値があるため、各キャリア、あるいは大手家電販売店や自治体が回収と再資源化を進めている。しかし、使わなくなった携帯電話機を手元に残すユーザーは依然として多く、回収状況はあまり大きく変化していない。

「携帯電話機の回収状況は年々減少しており、平成13年と比較し現在は約50%程度の回収数に留まっています」(日本テレホン東京本社 ショップ統括部係長 川口良佑さん)という。買い替え需要の落ち込みがあるにしても、回収が進まない背景には、携帯電話機が高機能化したことはもちろん、端末に残された写真や音楽などをそのまま残しておきたい、というユーザーが多いからだろう。昔の携帯を目覚ましとして使っているというケースもあるという。もちろん電話帳データなどの個人情報が入った端末を渡すことに対するユーザーの不安感もあるだろう。
店内には価格表を設置。
各店舗の在庫、価格情報などを提供し、
必要に応じて商品の取り寄せを行なう
サービスも行っている。
下北沢店は駅から数十秒という好立地。
繁華街のど真ん中にあるため買い物
ついでに立ち寄る若者も多いそうだ。
<ユーザーニーズの多様化を示す“リユース携帯”の売れ方>

全てのキャリアを取り扱う同社のような販売店がこうしたリユース携帯を流通させることで、新品の携帯販売にマイナス影響はないのだろうか。

「MNPでキャリアを乗り替えるユーザー数が伸び悩む中、MNPにより古くなった携帯電話機を下取りし、お客様に対価を提供することで、新品の携帯販売の促進に繋がっていると考えます。またお子様やご年配の方からも問い合わせも多く、予想以上に反響が大きいです。このように来店されるお客様も増え、全体的な売上につながっている面もあるんです」(川口さん)。
 
ウェブブラウジングやワンセグ視聴、高解像度のデジタルカメラなど、多機能/高性能化が一通り達成された現在、すでに携帯電話は機能面で十分なレベルに進化している。むしろ子ども向け/シルバー向け携帯やロングライフデザイン指向など、“引き算”の方向で差別化を図る商品も少なくない。デザイン性能の方に重きを置くこだわり派ユーザー層も、販売店が想定していた以上のボリュームで存在しているようだ。

「エコたんを始めた当初は低価格訴求を柱にしていたのですが、予想以上に、買い逃した機種を探していらっしゃる方や、メーカー、デザインなどにこだわるお客様が多く驚きました。たとえば三菱電機製品など新品販売終了した商品を指名されるお客様も多く、故障した時の予備用に、と数台買われている方もいらっしゃいます。ドコモのDシリーズなど人気機種は入荷してもすぐに売れてしまいますね」(宮本店長)。

これまでも、人気のリユース携帯はネットオークションやネットショップでも、いわゆる“白ロム”は、時には比較的高値で取引されてきた。状態やカラーなどによっては、プレミアムのついているものも珍しくない。しかし何かと不安がぬぐえないネット経由での売買よりも、実物を確認したり、店舗のスタッフに説明を受けて購入を検討できる対面販売の方がやはりユーザーにとっては大きな安心感がある。

同社ではイーブームの21店舗のネットワークを最大限に活かし、各店舗の在庫、価格情報などを提供し、必要に応じ商品の取り寄せを行なうサービスも行っている。また、平行して日本テレホンが運営する「イーブームWeb」を筆頭に、「ムスビー」(運営:SBIホールディングス株式会社)「ビッダーズ」(運営:株式会社ディー・エヌ・エー)「楽天オークション」(運営:楽天オークション株式会社)といったWEBサイトにてエコたんのネット販売も行っているそうだ。

「携帯電話が1人1台という状態になり、マーケットは既に飽和状態とも言われています。しかし外国ではひとりで2〜3台を所有するケースもありますし、現にSIMカードで簡単にデータを移せるようになってからは、気分や用途に応じて携帯電話機を使い分けている方もいらっしゃいます」(川口さん)。
 
「エコたん」がスタートしてから半年が経過していた時点での取材だったが、問い合わせ/持ち込み/販売台数ともに月を追うごとに伸びているという。中古携帯の流通が進むことで、今後新たな携帯電話の需要が掘り起こされる可能性は十分に考えられる。ユーザーのニーズがフィードバックされ、料金体系を含めた既存の携帯キャリアのサービスがユーザーフレンドリーに変化してくれることに期待したい。


[インタビュー/文:本橋康治(フリーライター)]
イーブーム下北沢店

住所:東京都世田谷区北沢2-11-18 長谷川ビル1階



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