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第341回定点観測(2009年5月9日実施)
レポート
2009.05.23
この記事のカテゴリー |  ファッション | 

第341回定点観測(2009年5月9日実施)

色やデザイン、素材の多様化で「新定番」となったレギンス

色やデザイン、素材の多様化で「新定番」となったレギンス

 GWが終わり、いよいよ新緑の季節。そして久しぶりの快晴となった5月9日(土)に実施した第341回目の定点観測。前回(4月)取り上げたカラーパンプスやロングスカート、アギネスヘア(ベリーショートヘア)など、ワンピースにゆるふわロングヘアのフェミニンなスタイルから、<アクティブ>や<マニッシュ>、<リラックス感>へとトレンドが少し動き始めたことを確認したが、GWを経てやや逆流。再び、3月に取り上げた「ミニ丈でスルリと足のシルエットを出した<女の子らしい>スタイル」が戻ってきていたので、今回のカウントアイテムとした。

 カウントアイテム(もっとも多く見られたファッションアイテムやスタイルを、その着用率を測定することから命名)は、「女性ミニスカート、うち+レギンス着用」。大きな注目ポイントの「女性ミスカート」の定義は、ヒザ上15センチ以上の丈のスカートすべて。色や柄、シルエット、素材は問わない、とした。さらに絞り込んで注目するスタイル、「女性ミニスカート+レギンス」の定義は、ヒザ上15センチ以上の丈のスカートに、パンツではなく、タイツでもない、足のつま先部分がオープンのレッグを覆うものを着用する人。色や素材は問わない。


色やデザイン、素材の多様化で「新定番」となったレギンス

 やはり数でもっとも多かったのは、全地点で黒。しかし、今回の特徴として注目したいのは、十分丈の他、十二分丈のもののかかとを覆い、足の下に敷き込んで着用するスタイル(トレンカ)や、薄い透け感のあるグレーやインクブルーなど色やデザインの多様化が進んでいることである。かつてのコットン素材のレギンス(というよりもスパッツ)ではなく、ナイロン素材でタイツのような薄手のものが登場。レースだったりドットやトライバル柄などのプリント柄の入ったものなど、アレンジが加わったことで、すっかりファッションアイテムのひとつとして昇華したといえそうだ。


09年のレギンスブームのルーツは01年!〜“ロングテール・トレンド”の代表例

 ところで、近年のストリートファッション*のトレンドが、「前年に流行ったアイテムやスタイルが翌年さらに幅広い層に支持されマストレンドとなる、“トレンド2年越し現象”」であることは本レポートでも何度となく記してきたが、今月取り上げた「女性ミニスカート+レギンス」も同様。08年7月に取り上げた「六分丈ボトムス、うちレギンス」で一般化していることが確認された「ワンピース+レギンス」がさらに幅広い層に浸透した現象ということができる。また、若年層を中心に、そのワンピースの丈がさらに短くなり、ミニスカートが加わり、ウエストをベルトでマークするなど、ゆるふわフェミニンシルエットから<タイトフィット>なシルエットへと緩やかに移行していることが確認された(詳細は各地点のページをご覧ください)。

 しかし、「レギンスって、ずっと流行ってるのでは?」と思われる方も少なくないのだろう。実は、今回のレギンスブームのルーツをさらに遡ると、2001年5月に取り上げた「スカート+スパッツ」にまで辿り着く。当時は、ブルーデニムのヒザ丈スカートに黒いコットンのスパッツというスタイルが、00年に創刊された雑誌『mini』(宝島社)を読むような子を中心に急浮上。翌01年8月にはスパッツのようにパンツをスカートの下に重ねた「スカート・オン・パンツ」のスタイルが一般化したことが思い出される。

 その後、コンバースのスニーカーからパンプスへと足下がフェミニンなアイテムへとシフトし、「レッグウォーマー」や「スキニーデニム」とスカートの下に履く足を覆うアイテムが多様化したのと同時に、「ハイカット・スニーカー」や「夏のブーツ」「ショートブーツ/ブーティ」と足下も多様化も進行。ピンクやイエロー、グリーン、パープルといった「カラータイツ」や「柄タイツ」の流行を経て、タイツ素材のレギンスが多数登場したことで、それまでレギンスに抵抗があった層にまで取り入れられるようになり、メガトレンドになったのである。

 レギンスが「ずっと流行ってる(=ロングテールなトレンド)」背景には、欧米のコレクション発のトレンドとパラレルに、日本人女性の足コンプレックスを背景としたストリート発のリアルトレンドがあることが読み解かれる。


 各地点別にみた「ミニスカート+レギンス」の特徴はこちらをご覧ください ⇒ <定点観測OVER VIEW>


***「アクロス」では、「デザイナーやアパレル企業がつくり出すファッションではなく、それぞれの時代・社会や文化を背景に、街に集まる若者たちに実際に支持され、発信されるファッションのこと」をストリートファッションの定義としています。



各地点の考察は以下の通り。
・「ミニスカート+レギンス」

・「ストローハット」

・「女性太パンツ」

渋谷地点

■まちのようす:中国、韓国などアジアからの観光客が目立った渋谷パルコ前。昨年(08年)多かった「春ブーツ」が今春は激減。ぺたんこ靴やヒール靴など、レギンススタイルを引き立てる足下が主流になっていた。

■女性ミニスカート、うち+レギンス:ミニスカート着用率は12.4%と3地点中もっとも低い結果となったが、ミニ丈パンツも同じくらい数が多く、ボトムスを二分。3月に「女性ミニ丈ボトムス(スカートとパンツ両方の総称)」としてカウントした際の14.7%よりも確実に増えていることが確認された。もっとも多かったのは、柄のミニスカートと黒いレギンスの組み合わせ。スカートは薄い素材のひらミニ系が主流で、レギンスは十二分丈がかなり増えていたのが興味深い。合わせる足下は、ぺたんこ靴とヒール靴に二分。黒スパッツでモードっぽさを演出しつつ、リラックス感のあるスタイルが台頭していた。また、一部のオシャレさんには、ヌーディストッキングでナマ足風のコーディネートが浮上していた。今夏に向け、かなり増えそうだ。

■ストローハット: 男性、女性ともに急増していたストローハット。女性はやや後ろめに被るスタイルがギャル系からストリート系まで幅広く支持されており、その印象もギャルっぷり(女子っぽさ)を少しだけマニッシュに倒すアクセントとして支持されていたようだ。一方、男性には、アメカジスタイルのワンポイントとしてポロシャツやボーダーにプラスするスタイルが人気に。平天のカンカン帽タイプも見られるなど、夏のリゾート気分を先取りする小物としても人気だった。

■太パンツ: 太パンツでボリューム化していたのは、デニム素材のバギーと裾をロールアップしたオールインワン、カーゴパンツの三種。なかには、ドレープ感がありゆったりとした腰部分から膝下に向かって極端にテーパードしているようなサルエルパンツも見られた。太いパンツでマニッシュという印象よりは、バレエシューズやローテクスニーカーなどでリラックス&ユルカジな雰囲気となっていた。

■マス化していたアイテムやスタイル:
ミニワンピ、ボーダー、ストローハット、リュック、クマモチーフのバッグアクセサリー、女優風サングラス、黒縁眼鏡、黒の太いゴム状のベルト、ビッグバッグ、リュック、チノパン、ポロシャツなど

■今後増えそうなアイテムやスタイル:
ハイウエスト、マキシ丈スカート、Gジャン、クラッシュデニム、ストーンウォッシュデニム、アップヘア、無造作な1つ結びヘア、ジュート素材のウェッジソールサンダル、ママと子どものお揃いルック、オールインワン、ヘアバンド、ベアトップなど

原宿地点

■まちのようす:フォーエバー21やH&Mを目的地とする来街者で溢れ返っていた原宿地点。13:30〜14:30の1時間の通行人数(表参道の千疋屋前の原宿駅から青山方面に向かう方向のみの通行量を測定)は、前年同月(08年5月)の数値に比べ、約1.5倍の4,166人となっていた! 来街者の年齢層はティーンズから40代、50代とものすごく幅広く、母娘やファミリー、カップルなども多かった。

■女性ミニスカート、うち+レギンス:フォーエバー効果か遠方からのティーンズも多く、ミニスカートに加えミニ丈パンツも復活し、カジュアルダウンしていた原宿地点。目立ったのは、花柄のティアードスカートに代表される『sweet』系のひらミニスカート。+黒のレギンスがもっとも多く、次いでライトグレーのレギンス、+黒のトレンカ、+シャーベットカラーのレギンスという順で支持されていた。「なぜ、黒いレギンスを履くのか」という問いには、足の引き締め&足長効果との回答。なかには「ナマ足は見せたくない」と言う女性もいた。

■ストローハット: 結果的に、5月の急浮上アイテムとなったストローハット。梨花系ギャルミックス女子には黒や白、ピンク、ストリート系はロングスカートやリゾート風ロングワンピースにクリーム色のものを合わせるスタイルが人気だった。男性は、丸井系男子に加え、帽子専門の上質なインポートブランドのものを、30代、40代の男性が被り、トラッドベースの装いを完成させていた。

■太パンツ: 目立ったのは、コットン素材やオンスの軽いデニムのサロペットやカバーオール。裾をロールアップしたり、七分丈など、リラックス感あるリュクスなスタイルが台頭していた。

■マス化していたアイテムやスタイル:ストローハット、黒いゴムのベルト、シャンブレー素材、ボーダー、ロングスカート、ハイウエスト、ロングジャケット、ショートヘア、リュック、毛先ワンカールの梨花ボブ、男性の襟足の長いヘア、カラーパンプス、コンバース、シフォンスカート、デニムのミニスカートなど

■今後増えそうなアイテムやスタイル: オールインワン、ヌードカラーの靴下、シャーベットカラー、ナイロン素材のトップス、クリアバッグ、かごバッグ、バングル、アウトドアスタイル、コットンのビッグトートなど

新宿地点

■まちのようす:真夏のような天気で早い時間から大勢の人で賑わっていた新宿地点。夕方には複数の大学のサークルの新入生歓迎会なのか、20人単位の「人だんご」ができていた。人の流れは、南口から伊勢丹方面に向かうオシャレな日本人&外国人が目立ち、アジア系だけでなく、ヨーロッパ系の観光客も戻ってきたような印象。また、「やや太めの男性と美人」というカップルが多かった点が妙に気になった。

■女性ミニスカート、うち+レギンス:ティーンズ〜プレシャス世代(40代〜50代)にまでかなり幅広く浸透。なかでも黒の七分丈や十分丈のレギンスはかなりフォロアー層にまで浸透しており、レギンスがすっかり定番となっていることが確認された。もっとも多かったのは、ギャル系やコンサバ系のプレシャス世代の間で支持されている柄ワンピース+トレンカのコーディネート。色も黒だけでなく、若い世代にはグレーやシャーベットカラーのものも人気となっていた。ティーンズには七分丈で星柄やチェック柄、タイツのような織り柄が入ったものが人気で、一部のオシャレさんの間では、ヌーディーストッキングでナマ足風のミニスカートスタイルが浮上していた。

■ストローハット: かなり増加していてびっくり。もっとも覆いのは、ナチュラルなベージュのもので、梨花風『sweet』系ギャルにはマキシワンピースにかごバッグ+エスパドリーユなど、LAリゾート風スタイルが支持されていた。一方、『Vivi』、SLYなどが好きなギャル系には、ロングTシャツや大きめ&ユルいTシャツ+ベスト、スキニーまたはショートパンツにストローハットでマニッシュなスタイルに。意外に多かった男性には、ロールアップのパンツにデッキシューズまたはローファー、ポロシャツまたはカレッジTシャツにハットをプラスしたアメカジ〜アメトラスタイルが支持されていた。

■太パンツ: 渋谷や原宿とは異なり、ポイント系のティーンズのユルカジと、30代以上のちょいリュクスなリゾート風スタイルに二分。前者はコットンのイージーパンツ、後者はコットンシャツやチュニックに裾を七分丈くらいにロールアップし、ぺたんこ靴で『ku-nel』風な印象を受けた。

■マス化していたアイテムやスタイル:ボーダー、テーラードジャケット、トレンカ、グレーのアイテム、ロングカーディガン、デニムジャケット、Gジャン、男性のLLビーン風トートバッグ、デッキシューズ、派手めのリュック、サブリナーパンツ、ケミカルウォッシュのデニム、i-phoneなど

■今後増えそうなアイテムやスタイル: エスパドリーユ、オーバーサイズTシャツ、柄パンツ、リネン素材のアイテム、ポロシャツなど


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