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espacio(エスパシオ)
レポート
2009.08.11
この記事のカテゴリー |  ファッション | 

espacio(エスパシオ)

コンサバ〜ストリート感覚をMIXした“大人ギャル”セレクトショップ

同社オリジナルの「ちゃけちょけ」は、
キッチュなデザインが人気。こちらは
ヒール部分が家具のような「猫足」に
なったパンプス。
ロンドン発の「IRREGULAR CHOICE
(イレギュラーチョイス)」は、かわいい
パッケージにもファンが多いそう。
女性らしいシルエットにこだわった
カジュアルファッションをベースに、
小物で大人っぽさや華やかさをプラス。
小物類は1,000円〜と取り入れやすさを意識
した品揃え。アクセサリー感覚の時計は
3,000円〜4,000円程度。
同店オリジナルブランド「エスパシオ」では
履き心地にこだわったビジネスラインを用意。
店長の小川口さん。
一面ガラス張りになった店内奥からは
明治通りを見下ろせる。
渋谷の明治通沿い、宮下公園の向かいに位置する商業施設「cocoti(ココチ)」に、靴をメインとしたセレクトショップ「espacio(エスパシオ)」が08年3月1日にオープンした。

運営元は、靴や服飾雑貨の小売、製造、靴学院の経営など幅広く手がける1948年創業の老舗、神戸レザークロス株式会社。同社はこれまでにレディスシューズの「ESPERANZA(エスペランサ)」「BONITA(ボニータ)」、セレクトファッションの「Beaute Danser(ボーテダンセ)」ほか、バッグやアクセサリーなど10以上のブランドを全国のファッションビルを中心に展開しており、オリジナルとセレクトアイテム複合型の「espacio(エスパシオ)」は同社の新業態となる。

「ターゲットは109を卒業した25〜30代の女性。同世代の感覚を生かした“今までにないかっこいい店”を目指しました」と話すのは、店長でMDを担当する小川口桜さん(25)。服飾専門学校でMDを学んだ小川口さんは、これまで「エスペランサ」渋谷109店にて販売を経験してきた。

同店オープンの背景には、08年に「cocoti(ココチ)」の運営会社より同社への出店打診があったことがきっかけだそうで、出店準備がスタートしたのは今年1月。その際、“大人ギャル世代に向けたショップ”とのコンセプトのもと、社長直々に店長に抜擢されたのが、小川口さんだった。社長には、ターゲットと同世代ならではの自由な感性でショップを展開して欲しい、という思いがあったそうだ。

「立ち上げの際に決めたコンセプトは、女性がトータルで美しくなれる店。大人になり、働きはじめた渋谷系の女性をイメージしました」(小川口さん)。

メインとなる靴は、本革素材のアイテムを中心に揃えているのが特徴だ。10代〜20代前半をターゲットに合皮製で値ごろ感を出した同社の主力ブランド「エスペランサ」とは異なる方向性とした。商品は靴が6割、洋服とバッグ、アクセサリーなど4割で構成。さらにショップの世界観を高めるため、国内外のセレクトアイテムを加えている。

「セレクトの基準は、お客様の目線に立ちながらも自分が本当に買いたいと思えるもの。流行を取り入れつつも履きやすく、体や足のラインがきれいに見えるものを選んでいます。また、同じフロアにある近隣店舗のお客さまも取り込めるよう、パーティ向けのアイテムも揃えTPOに合わせてコーディネイトできるよう意識しています」(小川口さん)。

取り扱いブランドは、靴は同社オリジナルの「エスパシオ」、「エスペランサ」「ちゃけちょけ」のほか、LAの「Seychelles(セイシェル)」、「Jeffrey Campbell(ジェフリーキャンベル)」、ロンドンの「IRREGULAR CHOICE(イレギュラーチョイス)」、スペインの「GAIMO(ガイモ)」、日本の「ZO19(ゼットオーイチキュウ)」など。中でも「おもわず微笑んでしまうキッチュな靴」がコンセプトの同社オリジナル「ちゃけちょけ」は人気商品で、“猫足デザインのヒールパンプス”などユニークなデザインが特徴。同じくオリジナルの「エスパシオ」では、ベーシックなビジネス対応シューズも揃える。

また、洋服は日本のカジュアルウェア「Lefua Lea(レフアレア)」やバッグブランド「a Bon Bons(ボンボンズ)」のほか、LAからのセレクトも用意し、大人カジュアルな品揃え。価格帯は靴が1万5,000〜2万円、洋服やバッグが5,000円〜2万円程度。また、オーダーメード可能なハンドメイドのガラスアクセサリー「広末工房(ヒロスエコウボウ)」など、キッチュでゴージャスなネックレスやピアス、時計、サングラスなどのアクセサリー類は1,000円〜1万円程度で、手軽に華やかさをプラスできるアイテムを用意した。

115平米の店内は、ブラウンと白を基調にアンティーク棚やシャンデリアを配置するなど、ラグジュアリーで「心地いい(=エスパシオ)」空間を意識。店の中心にはグランドピアノが置かれ、土日にはスタッフによる生演奏も行うという。さらに、店の入口にはメイクアップ用のドレッサーを設置し、カラーコーディネイターが似合う色を診断してくれる「パーソナルカラー診断」や「メイクアップサービス」(金・土曜日15:00〜20:00、2,940円/予約制)を提供するなど、ユニークなサービスも好評だ。

来客層は20〜30代の女性が中心。渋谷と原宿の間という好立地のため、ショッピングの途中に来店する人や、施設内のフィットネスクラブや映画の帰りに立ち寄る人も多いという。

販売員から店長・MDという新たな挑戦がスタートしたばかりの小川口さんは「お客様の回転が早い渋谷109とは異なるサービスが求められるため、1足1足丁寧に販売していきたい」と話す。

「今後はサービスやMDを強化しながら、ネイルサロンの併設や、展示・受注会の開催などもできればと思います。試行錯誤をしながら、お客様に楽しんでもらえるような変化のある店作りをしていきたいですね」(小川口さん)。

若い世代ならではの軽やかなセンスと、老舗レザーメーカーの技術力とが融合して生まれた同店の最大の特徴は、“大人ギャル”感覚をベースに「キッチュ」「ポップ」「コンサバ」「ゴージャス」「ラグジュアリー」「カジュアル」など様々なテイストをミックスした点にある。多様化したギャルのニーズと、ギャル感覚を取り込んだコンサバ系〜ストリートカジュアル系にもマッチする品揃えで、顧客拡大を目指す。


[取材・文/渡辺満樹子(フリーライター/エディター)+『ACROSS』編集]
■espacio(エスパシオ)
東京都渋谷区渋谷1-23-16 cocoti 2F
営業時間:11:30-21:00
TEL :03-3498-2362
年中無休(ただし1月1日及び法定点検日除く)


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