ACROSS Street Fashion Marketing

コンテンツメニュー
BOY(ボーイ)
レポート
2009.09.08
この記事のカテゴリー |  ファッション | 

BOY(ボーイ)

弱冠19歳の現役学生が店長を勤める古着屋が松濤エリアにオープン

デッドストックに近い、状態の良い
スニーカーが多く揃う。
配管などが剥き出しの内装。大胆ながら
白で統一されてすっきりとした印象。
トップスは柄物を中心にシャツや
ジャケットなど着回しのできる
アイテムが人気。
ショップ店員のりうさん(25歳)/右と
タキさん(20歳)/左。メンズのスカートが
今シーズンのオススメだそう。
以前、弊誌でも取り上げた新宿二丁目の古着店「CANDY(キャンディ)」やレディースの古着と新品を取り扱う「Sister(シスター)」といった、コアなファッション好きの男女に支持されるショップを展開する、下北沢の老舗古着店「HAIGHT&ASHBURY -Antique Room-.(ヘイト&アシュバリー)」の4店舗目となる古着店「BOY」が09年2月14日に渋谷区円山町にオープンした。

錆び付いたレンガ色の外観と、隠れ家風の小さなエントランスが個性的な同店。約9坪の店内は、コンクリートや配管がむき出しで、どこか倉庫を思わせる大胆な造りだが、それが逆に温かみのある雰囲気を演出している。

「出店のきっかけは、08年末に弊社オーナーがこの物件を見つけたことから、ファッションというイメージがあまりない松濤〜円山町に出店することで、あえて新しいカルチャーを根付かせたいと思い決めました」と話すのは、運営元の有限会社ヘイト&アシュバリーのプレス担当の横平さん。

ユニークなのは、同店の店長は若干19歳の文化服装学院の現役の学生の奥冨直人さん。高校生の頃からストリートファッションや古着が好きだったという奥冨さん。立ち上げの際にセンスを見込まれて抜擢されたのだ。

「今後、ファッションシーンを牽引していくのは10代後半から20代前半の若者たち。また、この世代は成長や変化がとても早いので、そのスピードに追いつき、尚かつ新しいものを提案できる同世代の人を店長にすることで、新しい価値観やカルチャーを取り入れた店にするのが狙いです。実際、彼は私たち世代には分からない“気づき”が大変多いですね」(横平さん)。

商品はユニセックス。買付け先はアメリカとヨーロッパが中心で、アバンギャルドな総柄シャツや、ルーズなシルエットのトップスやパンツ、デッドストックのスニーカーやアクセサリーまでと、性別や年代を超えたミックス感のあるアイテムを取り揃える。「古着ならではの絶妙なダメージや味わいがあるもの」をセレクトしており、価格帯は5,000〜6,000円程度。買いやすい値段設定も特徴だ。

「リラックス感のあるカジュアルなストリートスタイルを提案したいと思っています。僕らの世代には、何を着たいか分からないし、新品ばかりで古着を着たことがないという人も多いんです。そんな人たちに、何でも自由に着こなす楽しみや、古着の魅力をこの店から提案していければなと思います」(奥冨さん)。

客層は10代後半〜20代前半の学生やファッション業界人が多い。22時まで営業しているため、仕事や学校帰り、周辺のクラブに行く前に立ち寄る人も目立つ。実際に取材中も、近くにある美容専門学校の学生が奥富さんに声を掛けていくのが印象的だった。

近年の、定点観測のインタビューでも、90年前後生まれの「デジタルネイティブ世代」は、雑誌よりもストリートスナップサイトやブログなどのインターネットメディアを参考にしているという声が多い。同店も同様で奥冨さんが頻繁に登場しているというストリートスナップサイトの『Drop(ドロップ)』や、同店のmixiコミュニティを見て来店する客も少なくないという。スナップサイトの魅力は奥富さん曰く、「毎日更新されるスナップサイトは回転が早く、リアルな情報を取り入れられる」からだそうで、同店では公式blogは毎日欠かさず更新しているそうだ。個性的なアイテムが多いため着こなし提案が重要だと語る奥富さん。古着に馴染みのない人に、いかに古着の楽しみや着こなしをお客様に伝えていくかに注力しているため、公式blogでは商品の紹介とスタッフのスタイリング提案を中心に載せている。blogを見て遠方からくる人も多いそうで、特に福岡県からの来客が目立つという。

「お店で知り合ったことをきっかけに、友だち同士になるお客様もいらっしゃいます。単なる“古着屋”ではなく、今後は当店主催のクラブイベントなども視野に入れつつ、お客様同士が交流できるような“場”の提供にもなればいいなと思っています」(奥冨さん)

インターネット環境下が当たり前のデジタルネイティブ世代による、デジタルネイティブ世代のための“リアルな場の提供”というテーマを掲げる同店に、ストリートの新しい流れを見いだすヒントがありそうだ。

[取材・文/渡辺満樹子(フリーライター/エディター)+『ACROSS』編集]
BOY(ボーイ)
住所:東京都渋谷区円山町1-17
電話:03-5728-4410
営業時間:14時〜22時


大きな地図で見る


同じカテゴリの記事
同じキーワードの記事