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Art Lover's GOKON(アートラバーズゴーコン)
レポート
2009.09.14
この記事のカテゴリー |  カルチャー |   イベント | 

Art Lover's GOKON(アートラバーズゴーコン)

「アート」×「社交」=“アート合コン”!?
アートギャラリーを“社交の場”に

こちらはNANZUKA UNDERGROUND
での様子。そこかしこで頻繁に
名刺交換が行われていた。
第1回に続いて今回も参加したリピータは
約10名と高い。客層は30代が中心だが、
20代前半と思われる男女も見られた。
作品を鑑賞するなど、ひとりでも
過ごしやすいのが同パーティの特徴。
出会いは男女に限らない。
共通の趣味を持つ参加者の女性同士で
意気投合し話し込むシチュエーションも
多々見られた。
ガラスで作品を制作する作家・松宮硝子
の作品越しの“合コン”風景。
なんともシュール。
主催の株式会社Civic Art 代表取締役、
渡辺大介さん(28歳)。

※『ACROSS』をご覧の申込者には特典あり!
詳細は本文のあとをご覧下さい。


アートギャラリーを会場とした“合コン”が開催され、アート好き男女の需要をとらえて好評のようだ。「Art Lover's GOKON(アートラバーズゴーコン)」というタイトルのこのパーティは、これまで2回を開催。第1回が09年7月25日に山本現代で、第2回が8月29日に山本現代NANZUKA UNDERGROUND(ナンズカアンダーグラウンド)でそれぞれ開催され、いずれも募集定員いっぱいという盛況ぶりだ。

分かりやすく“合コン”と銘打ってはいるが、内容はアート作品を鑑賞しながら、同じ感性や趣味をもった人たちの交流を軸とした社交パーティである。男女だけではなく、同じ趣味の友人や作品、ギャラリストや作家との交流などの“出会い”の場としての「GOKON」を提供するものだという。第1回目の開催では、参加受付開始後約2週間で定員に達したというから、かなりの反響があったといっていい。

今回取材したのは白金のギャラリーコンプレックスビル(SHIROKANE ART COMPLEX)の山本現代NANZUKA UNDERGROUNDで開催された第2回のパーティ。参加者は定員80名のうち女性2:男性1と女性が多数で、このあたりはアートギャラリーの観客層の一般的男女比に近い。主催者によると平均年齢は約31歳。サラリーマン/OLや自営など職業はさまざまだが、アパレルやデザイン関係の職種が比較的多いようだ。参加者はこの2つのギャラリーを自由に行き来して、お酒やフードを楽しみながら会話とアートを楽しんでいる。
 
このイベントのターゲットは、従来のコレクター層を含むアートファンではなく、むしろ「メジャーな展覧会は観に行くしアートにも興味があるけれど、アートギャラリーには敷居が高くて足を運んでいない」「なんとなくアートって面白そう」といったライトなアートファン。そのためにも“合コン”“社交”“パーティ”というワードは有効なのか、来場者の様子を見ていると、そのもくろみに近い男女が動員できているような印象も。

「Art Lover's GOKON」をオーガナイズするのは、株式会社Civic Art。代表取締役の渡辺大介さん(28歳)は、“アート合コン”の狙いについてこう語る。

「会場の基準は、クォリティの高い展示作品が観られる、トップクラスのコマーシャルギャラリーです。海外ではアートギャラリーなどを舞台にしたパーティが、大人の社交場として機能しています。例えば『Sex and the City(セックス・アンド・ザ・シティ)』や『Lの世界』といった女性に人気のある海外ドラマでも、そういうパーティシーンが見られ “こういうパーティって素敵だな”というイメージが刷り込まれていると思います。レセプション・パーティよりも一般の方が気軽に参加できるような形で、ギャラリーで作品を見ながら楽しめるパーティがあったら面白いのでは、と考えたんです」(渡辺さん)。

会場となるギャラリーの顧客にもイベントの情報を発信しているが、そうしたアートファンは参加者全体の4分の1くらい。申し込みは基本的にすべてウェブを経由で行っており、mixiTwitter(ツイッター)の情報がきっかけの参加者も多いという。アートやデザインに関心が高かったり、仕事上でなんらかの関わりを持つ層が多いようだ。

参加者数人に話を聞いてみた。

「参加のきっかけはTwitterのつぶやきです。もともとアートやデザインが好きなので、そういった人と交流できればいいなと思って。ふだん入りにくい(特にビルの何階というような)ギャラリーという場所が面白いと思いました」(20代女性) 

「子どもにアートを教えているのですが、営業を兼ねて参加できる、カジュアルだけど質のいいパーティがあると友人から聞いて参加しました。オープニングパーティよりカジュアルな雰囲気で、1人でも適当に絵を観ながらぶらぶらできるのがいいですね」(30代女性) 

「Twitterのつぶやきでイベントを知り、参加しました。アートという切り口があって、単純に男女が出会う場というだけではないのがいいですね。お見合いパーティや異業種交流会のようにギラついていないし、仕事にもつながる部分もある。どちらのニュアンスもあるので、また参加してみたい」(30代男性) 

イベントのハイライトは、会場となるギャラリー所属アーティストの作品プレゼント抽選だ。集まった参加費の一部で作品を購入するためギャラリーの売上となるのに加え、作品を家に飾るということを体験した参加者は、それをきっかけに他の作品を購入する顧客に育つ可能性もある。新規客の動員ともに、ギャラリーにとっては波及効果が期待できるというメリットもある。

しかし、アートギャラリーでのイベントというのは前例がなかったため、オペレーション面などで課題も見えたという。

「参加者には、(男女に限らず)同じ趣味をもった人たちとの交流へのニーズが高いようです。アンケートをとったところ、作家やギャラリストとのネットワークや、パフォーマンスなどを求める声もあるようなので、プログラムについては今後検討していきたい。作品のプレゼントなどもそうですが、アートに親しんでくれる方を開拓して、作品を家に飾っていただくスタイルを提案していきたいと思っています」(渡辺さん)。

作品の当選者が部屋に作品を飾っている様子はウェブサイトで紹介され、“アートのある暮らし”のシーン提案に活用されている。これは、“アートシェアリング”という彼らのもうひとつの事業ともリンクする。従来のオフィス向け絵画作品リースと比べると、個人をターゲットとしているため価格設定を抑えている点と、著名な現代美術ギャラリーの所属作家の作品を楽しむことができる点とが特徴だ。

 現状は“アート作品を家に飾る”というスタイルを提案し、マーケットを形成するための土台作りの段階といったところだが、従来のコアなファン層とは異なるアートコンシャス層が育っていることは、合コンの参加者を見ていても実感できた。

「企画にあたってリサーチを重ねたところ、これまでアートに関心を持ってこなかった層にも“アートってスタイリッシュで面白そう”というイメージが確実にあることがわかりました。今後は他の交流系のパーティを主催する企業などとも連携して、より幅広い客層からアートにお客さまを動員したいですね」(渡辺さん)

 「Art Lover's GOKON」はすでに第3回(9月26日)、第4回(10月24日)の開催が決定している。第3回、は現代美術シーンでも大きな影響力を持つ、小山登美夫ギャラリーが会場だ。抽選によるプレゼント作品は蜷川実花の写真作品だという。

また今後は美術館等より大きな規模でのパーティ開催も構想しているそうだ。日本でもこれまで、ファッション誌主催のトークイベントが美術館などで開催された事例があるが、週末の夜に美術館やギャラリーを社交場として大人が集う、“知的交流”ができるパーティが定着し、やがて大きい美術館や博物館を巻き込んだムーブメントとなっていけば面白い。


[取材・文:本橋康治]

次回開催予定

「I love Art : Love & Capitalism vol.3 Art Lover's GOKON 」
■日時:2009年9月26日(sat) 19:30〜
■会場:小山登美夫ギャラリー/東京都江東区清澄1-3-2-7F (丸八倉庫ビル)
    Tomio koyama gallery HP
■料金:5000円 ※『ACROSS』特典あり!!
申し込み欄に“『ACROSS』を見た”と記入すると、500円割引の4500円になります!


■作家割(作家の方対象):2500円
(作家であることの証明は各自お任せいたします。)
■定員:150名
■特典:抽選で蜷川美花さんの写真作品をプレゼント
    抽選での美術館チケット等プレゼント 多数名

お申し込みはこちらから。


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