PARCO40周年&FAMOSO創刊40周年記念
ビートたけし+所ジョージ 全日本選抜 国際エキジビション
レポート
2009.11.20
カルチャー|CULTURE

PARCO40周年&FAMOSO創刊40周年記念
ビートたけし+所ジョージ 全日本選抜 国際エキジビション

フェイクなギャグが満載の“遊べる展覧会”

国民的タレント2人の展覧会とあって
幅広い客層が来場。入場に行列ができる
場面も。
キャラクターパネルを自由に動かして
撮影できるコーナーを設置。
特に家族連れに人気だった。
基本的に場内は撮影が可能(一部除く)。
カメラ持参のコアなファンも多かった。
『FAMOSO』の撮影で使用した小物が
無造作に並べられた様子はナンセンスの
極み!
大盛況のグッズ売り場。
同展覧会のボツ案ポスターも展覧会限定品
として販売している。その他、切手(本物)
やステッカー、ストラップなどここでしか
買えないアイテムがズラリ。
『東京スポーツ』号外として配布した
本展覧会のプロモーション用チラシ。
 2009年はパルコ 40周年を記念して、年間を通じて多彩なイベントが開催されている。パルコ第1号店である池袋パルコでは、ビートたけしと所ジョージという日本を代表するタレント2人が自ら企画する展覧会が開催され、注目を集めている。
 この展覧会の正式タイトルは「PARCO40周年&FAMOSO創刊40周年記念 ビートたけし&所ジョージ 全日本選抜 国際エキジビション」池袋パルコ別館、P'パルコの8Fワンフロアを会場として使用したものだ。

 この“創刊40周年”という触れ込みの『FAMOSO』とは、ビートたけし編集長、所ジョージ副編集長の2人が発行する“フィクション・スクープ・マガジン”。告知ポスターに“たけし×所のバカ写真大量展示”“FAMOSO未公開写真も一挙公開!”とあるように、会場は『FAMOSO』の制作時に撮影された写真、撮影用に制作された大道具や小道具、誌面を彩ったキャラクターの等身大パネルなどが並べられている。 
 2010年春にはパリのカルティエ現代美術財団で展覧会を開催する“アーティスト”北野武/ビートたけしの絵画作品がさりげなく展示されていたり、BSフジで根強い支持を集める所ジョージの番組 『所さんの世田谷ベース』の再現コーナーも設置されるなど、それぞれの活動も会場内にフィーチャーされている。

 さらに『FAMOSO』の誌面を飾ってきたキャラクターの等身大(?)スタンドを集めた記念撮影コーナーや顔出しパネルが設置され、一部の例外を除きほとんどが撮影可能。入場者が気軽に遊べる仕掛けが用意されている。
 
パルコ40周年の本丸は池袋だということもあり、インパクトとパワーのあるコンテンツを店舗に投入したい、というのが狙いでした。展覧会の内容も、おふたりの遊び心をなるべく規制をかけずにカタチにしたいということで、打ち合わせを重ねながら作り込みました。立ち上がりの動員も好調で、お客様にも楽しんでいただけているのではないかと思います」((株)パルコ 店舗運営局 高橋賢太郎)

 展示とともに人気を集めているのが物販。趣味が嵩じて多彩なモノづくりに自ら関わっている所ジョージが参加しているだけあって、『FAMOSO』のフェイクな面白さをそのままカタチにしたような商品が並んでいる。

「販売商品についても企画段階からいろいろ意見を交わして検討してきました。おかげさまで会場限定の商品を予想以上に幅広くラインナップできました」(高橋さん)

 比較的手頃な価格の、オリジナル「完全!有機カリー」(780円)や「FAMOSO切手」(1,980円)、「フィクションスクープ生写真」(250円)などの“イベントみやげ”が人気を集めているが、コアなファン向けには『FAMOSO』に登場するキャラクターを本格的に再現したフィギュアや、展示写真作品のフォトパネルといった価格帯の高いアイテムも揃っている。会場で『FAMOSO』のメイキング写真集に2人のサインを入れて限定販売したところ、瞬時に完売となったという。

 そもそも『FAMOSO』は、所ジョージのオフィス“世田谷ベース”をビートたけしがプライベートで訪ね、遊びとしてさまざまなギャグ写真を撮影していたことがきっかけとなって生まれたものだという。2009年4月1日のエイプリルフールに発売された第1号は大きな反響を集め、20万部が完売するヒットとなった。誌名のロゴも記事の体裁も、かつての写真週刊誌『FOCUS』を思わせるもので、表紙から広告に至るまで、徹底したフェイクな面白さを狙って作られているのが特徴だ。

 宣伝面でも、『FAMOSO』らしく洒落の利いた活動を展開。ビートたけしさんが客員編集長を務める『東京スポーツ』の号外をPR版として制作、チラシとして配布するなど、プロモーションにもちょっとしたヒネリを入れている。
東京スポーツさんでもこのようにPR版として号外を作るのは初の試みだったそうです。号外は5万部を用意しましたが、配布時には人だかりができ瞬時で予定の枚数を配り切ってしまうほどの勢いでした」(高橋さん)。
  
 この2人自らが看板となっている番組が多いこともあり、テレビ番組でも企画の告知を実施。会場で取材したところ、当日の朝にテレビで展覧会の情報を見て会場にやってきたという来場者が多かった。
 会場を取材したのは平日の午前中だったが、開場と同時に来場者が絶え間なく訪れていた。ビートたけし、所ジョージという幅広い年齢層に認知されたタレント2人だけあって年齢層も幅広く、40代以上の男性客の姿も多く見られた。

「今朝『めざましテレビ』で見て、ちょうど子どもたちが振替休日だったので一緒に来ました。昔から所さんが好きで、『FAMOSO』も買ってたんです。参加型の展示が多かったので、子どもたちの撮影をしたり家族で楽しめました」(30代女性・子ども9歳・11歳/埼玉県)

「ちょうど名古屋から息子の文化祭を見に上京していたところ、『めざましテレビ』でこの展覧会を知って来ました。もともと2人のファンだったので、いいタイミングで来られてうれしい。展覧会はまるで文化祭みたいで楽しかった。あの2人はくだらないことを思いきり面白がってやっている姿勢が楽しそうでいいですね」(40代・50代女性/愛知県)

 これまで、お笑い番組や各種のキャラクターを素材とした展覧会が数多く開催され、パルコを始めとする商業施設でも集客コンテンツとして機能してきた。展覧会型のイベントを、宣伝だけではなく物販事業の一環として行っているテレビ局もある。
 しかしこのエキジビションは、たけし&所という大物2人が自ら企画を立案し、率先して遊んでいるという点で、そうしたテレビ発信のイベントとは一線を画している。
 ビートたけしのバイク事故をネタにした展示などもあるように、ちょっとした毒や嘘なども混じった、ラジカルな部分もある展覧会。ハプニング的な要素のある宣伝手法なども含めて、パルコらしいイベントだともいえるだろう。

 企画当初は渋谷パルコでの開催も検討されたということだが、折しも池袋駅西口周辺では、ヤマダ電機の都市型大型店がオープンしたばかり。「ファミリー層の動員が大きく増加しています」(高橋)というように、幅広い客層を集客することのできる池袋での開催は、結果的に功を奏したようだ。


[取材・文:本橋康治(フリーライター)/『ACROSS』編集]
PARCO開店40周年&FAMOSO創刊40周年記念
ビートたけし×所ジョージ
全日本選抜国際EXHIBITION

詳細はこちら

<展覧会情報>
タイトル:ビートたけし×所ジョージ 全日本選抜国際EXHIBITION
会 期 :2009年11月7日(土)〜11月23日(月・祝)
会 場 :池袋P’パルコ 8F(池袋パルコ別館)
入 場 :一般 500円  学生 400円  小学生以下無料
     クラスS会員 無料/一般会員 半額
     ”69”バッヂ持参・提示の方、無料
     ”1969”生まれの方、無料 

池袋パルコ

〒171-8557 東京都豊島区南池袋1-28-2
代表:03-5391-8000
HP:http://www.parco-ikebukuro.com/


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