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LOVE&GLIT(ラブ&グリット)
レポート
2009.11.28
この記事のカテゴリー |  ファッション | 

LOVE&GLIT(ラブ&グリット)

歌舞伎町に誕生した夜7時〜朝5時まで営業のギャル系セレクトショップ

高級ホテルをイメージした店内。
奥にはVIPルームのようなソファを設置。
オープンに際し、フリーマガジン
「LOVE & GLIT magazine」を創刊。
店頭配布に加え、夜の職業に従事する
女性たちに直配した。
当初はセクシーなアイテムを充実させて
いたが、実際はデニムなどカジュアルな
アイテムの人気が高いそうだ。
アクセサリーや靴、バッグ等の小物も
トータルで揃う。
今シーズンはライダースジャケットが人気。
スタイルがよく見えるアイテムをセレクト
している。
営業時間は夜7時〜朝5時。最も混雑する
のは夜中2〜3時だという。
ディレクターの佐藤亜耶香さん(25)。
 日本随一、アジア最大の歓楽街である新宿・歌舞伎町。居酒屋、カラオケ、飲食店、風俗店が並ぶこのエリアに、営業時間が夜7時から朝5時までというギャル系セレクトショップ「LOVE & GLIT(ラブ & グリット)」が、2009年9月28日にオープンした。運営元は、西新宿で広告代理業を営む(株)リンクバード。

 同社社長の三浦勝さんが「歌舞伎町には多様な職に従事する人が出入りしているのに、ホステスをターゲットにしたドレスショップしかないこと、夜間のショッピングニーズに応えるアパレル店がないことから、新しい形のショップがつくれるのではないか」と発案したことをきっかけに、2008年秋から設立準備を始めた。プロデューサーには、2007年にオーストラリアのファッション誌の日本版「RUSSH JAPAN(ラッシュジャパン)」を創刊した、(株)セレックの鈴木和生さんが就任。さらに、ディレクターには弱冠25歳の佐藤亜耶香さんを起用。佐藤さんは、渋谷109での販売や企画、読者モデルを経験した経歴の持ち主で、20代女性のリアルな感性を反映した店舗を作るため抜擢された。

 コンセプトは「欲しいフク・欲しい時に。流行に敏感な20代女性の夢をかなえるリアルセレクトショップ」。かわいらしさ(LOVE)とギラギラした強さやセクシーさ(GLIT)といった、女性が持つ二面性を表現できる幅広いアイテムを提案していく。

 また、同店オープンにあたり、PRの一環として、フリーマガジン「LOVE & GLIT magazine」を9月17日に創刊。海外セレブ・モデルの情報や、販売員をモデル起用して取扱商品を着用したファッション記事で構成されている。ファッション誌「Happie nuts(ハピーナッツ)」とのタイアップ企画も行った。カフェや書店等での店頭配布や、新宿や池袋等の都内のキャバクラ嬢など夜の職業に従事する方々に独自ルートで直配。初版は5万部だが、好評につき5千部増刷したそうだ。

 同店があるのは、新宿区役所通り交差点をさらに東新宿方面へ進んだ場所。「コマ劇場周辺は学生さんが多いですが、この辺りなら落ち着いているし、隠れ家的な要素も持たせたかったので、この場所を選びました。歌舞伎町は滅多に空き物件が出ないのですが、運良く出店することができたんです」(プロデューサー/鈴木和生さん)。

 高級ホテルをイメージにしたという店内は20坪。黒を基調にタイル床等のモダンな素材とアンティーク調の木製什器がバランスよく配置されている。天井には蝶々の絵が舞い、ゴージャスな雰囲気。店内奥には重厚感あるソファを置き、そこではVIPルームのように来店客にドリンクを提供してくつろいでもらう。

 商品は、国内ブランドを中心にロサンゼルスで買い付けたインポートも扱う。取扱ブランドは「DURAS(デュラス)」や2009秋にデビューした「Gimlet(ギムレット)」等7ブランド。佐藤さんのインスピレーションに反応したものや、体のラインがきれいに出せるものをセレクトしている。価格帯は、カットソー4,000円〜、ショートパンツ7,000円〜、その他ボトムス1万円〜。フリーマガジン掲載のコーディネートをそのまま購入する方も多く、まとめ買い比率が高いのも特徴だという。

 「客単価は想定の1.5倍。百貨店や商業施設が林立する新宿商圏でのブランド確保は難しかったのですが、ブランド側の理解を得ることができ、最高の状況でオープンすることができました。おかげさまで売れ行きが好調で、今では営業に来て下さるブランドも多い。当初はキャバクラ嬢の比率が高いと想定していたのでセクシーな商品を充実させていましたが、デニムやライダース等のカジュアルな商品への反響が予想以上に多かった。トレンド感のあるおしゃれな女性が多く来店します」(鈴木さん)。

 当初、想定ターゲットはキャバクラ嬢やマスコミ関係に従事する女性など不規則な時間帯で働く夜型のライフスタイルの女性たちだったが、実際の来客層はキャバクラ嬢をはじめ、平日は周辺の住民や残業終りのOL、週末はクラブやパーティーに向かう若者など幅広い。20〜26歳ぐらいが中心でフリーマガジンや口コミで情報を得て来店し、特に夜中2〜3時が混雑するという。

 「週に何回も来店してくださる“顧客様”が多いのが特徴です。夜中に営業していてくれてありがたいという声が多く、ECがこれだけ普及しているなかでも、服は実際にショップで手にとって買いたいという方が多いと実感しています」(ディレクター/佐藤亜耶香さん)。

 定点観測を振り返ってみると、2005年あたりから、付けまつ毛やまつ毛エクステンション、ジェルネイルやディファインコンタクトレンズなど、美を目指す方向がより“素の改造”へと進化。それまで特別なもとのされていたキャバクラ嬢の間で支持されていたヘアメイクやファッションが、109などに代表されるトレンドに敏感なギャル系ファッションと融合してストリートでも取り入れられるようになっており、幅広い女性に浸透しているのだ。歌舞伎町という歓楽街でトレンド感溢れるカジュアルファッションアイテムを扱う同店は、一見意外に見えて実は昨今の時代性を反映した必然的なショップと言えそうだ。

 今後は、EC開設やシークレットセール等のイベントなど開催しサービスを拡大していく。トータルに女性をプロデュースできるようなサロンを目指す。

取材・文/緒方麻希子(フリーライター/エディター)
■LOVE&GLIT(ラブ&グリット)
住所:東京都新宿区歌舞伎町2-11-2
TEL:03-6457-3095
営業時間 :19:00-5:00
定休日 日曜・祝祭日


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