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Grand Gallery(グランドギャラリー)
レポート
2009.12.10
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Grand Gallery(グランドギャラリー)

音楽を切り口にライフスタイルを提案する複合ショップ

4Fは自主レーベルCDを取扱うGrand
Gallery。白を基調としたスタイリッシュ
な空間。
『Grand Gallery』レーベルのCD
全タイトルを販売。すべて視聴可能。
2階は旅をテーマにしたセレクトショップ
monaco(モナコ)。今シーズンはラルフ
ローレンのウェアが充実。
生活雑貨やインテリア用品も販売。
monacoオリジナルのお香も。
3階のTARTOWN(タータウン)では
ヴィンテージのバンドTシャツや
ポスター、写真集の販売・展示を
行う。
同店の場所は東急ハンズの向かい、
1Fにカレーハウスサムラートが
入っているビル。
音楽を中心にアート、アパレルを発信する複合ショップ「Grand Gallery(グランドギャラリー)」が、渋谷・宇田川町の東急ハンズ向いにある。かつて世界一のレコードタウンとして栄えた宇田川町だが、現在では「CISCO」をはじめ多くのレコードショップが閉店。同店は行き場を見失いつつある音楽ファンを中心に、支持を得ているようだ。

同店のプロデューサーは、90年代にオリジナルラブ等のプロデュースを手掛け、自身名義でも音楽活動をしている井出靖さん。井出さんは、1995年に東北沢で中古レコード店「FANTASTICA(ファンタスティカ)」を創業、その後2002年に同店を宇田川町に移転し、セレクトCDショップ「Lonesome Echo(ロンサムエコー)」としてリニューアルオープンした。2005年8月に自主レーベル『Grand Gallery』を立ち上げ、自身で制作した音楽を売る場所を設けようと、2006年4月に録音スタジオとCDショップから成る同店をオープンしたというわけだ。

同店は、ビルの2〜5階で構成されており、5階は音楽スタジオ、4階は自主レーベルのCDを取扱うショップ「Grand Gallery」、3階はヴィンテージポスターや写真集の販売や展示を行うミュージック&アートをテーマにした「TARTOWN(タータウン)」(2006年11月オープン)、2階は旅をテーマにしたアパレルや雑貨を扱うセレクトショップ「monaco(モナコ)」(2009年1月オープン)だ。

「『Grand Gallery』レーベルは、ダンスミュージックのイメージも強いようですが、チルアウトやサーフロック等多彩で、“リラクゼーション”“バー&カフェ”等というように生活シーンに合わせたテーマを扱うコンピレーションアルバムが多いんです。その音楽から派生したのが2〜3階のショップ。『Grand Gallery』が良いと思った音楽を残していくためも、それを具現化した空間を作りました。現代は、例えば洋服屋が洋服だけ売っても売れない時代。当店では、音楽を切り口にライフスタイル全般を提案していきます」(店長/南知佳さん)。

CDショップでは、『Grand Gallery』レーベルのCD全タイトルを扱い、全て試聴可能。現在は約90タイトルだが、毎月2枚以上の新譜が誕生しているそうだ。「TARTOWN」には、音楽や映画のプロモーション用に制作されたヴィンテージポスターや、リチャード・アベドン等のファッション写真集の初版本、ロックやパンクバンドのヴィンテージTシャツを中心に扱う。「monaco」は、ラルフローレンのヴィンテージウェアや、サンフランシスコのサーフショップ「mollusk(モラスク)」のTシャツ、インドのサリーのヴィンテージで作られたブランケット等、自然を感じさせながらも個性がある商品を多く展開。また、フロアコンセプトに合わせた『TARTOWN』『monaco』の各レーベルも始動し、各フロアでCDを販売している。価格帯は、Tシャツ3,900円〜、ヴィンテージアパレル1万〜10万程度、ポスター5,000円〜。

物件は、宇田川町でスタジオと店舗を両立できることを条件に探した。「monaco」は、木製の棚や木枠の鏡等のナチュラルな素材が多く用いられた温かみある空間。白を基調にした「TARTOWN」は、ギャラリーをイメージ。展示イベントも行っているので、そのたびにレイアウトも少しずつ変化しているそうだ。「Grand Gallery」は、大きな窓からは自然光が差し込み、店内中央には青々とした観葉植物が置かれていて、シンプルで開放的な印象だ。

ターゲットは30代だが、来店層は20代後半〜50代までと幅広く、特に男性が多い。4階のCDショップには「Lonesome Echo」時代からの根強いファンから、井出さんのプロデューサーとしての経歴を知らない若いファンまで、さまざまな音楽ファンが来店する。2〜3階は同店がレーベルを展開していることを知らずに訪れる客も少なくないそうだ。2〜4階までの全フロアを回ったり、各フロアを限定的に見たりと、楽しみ方も多様だという。

「大手CDショップやEC、iTune配信でも当レーベルの音楽は購入できますが、店舗の雰囲気も楽しみながら音楽を選んで下さっているようです。地方からわざわざお越し下さる音楽にモチベーションが高いお客様も多いです」(南さん)。

欲しいものがいつでもどこでも購入できるECが普及するなかで、店舗に足を運ばせるには仕掛けづくりが求められる時代になっている。CD、洋服、アートと幅広いコンテンツをひとつのビルに集約させた同店は、欲しいものと共に思いがけないものとの出合いをもたらすことができるのが強みである。専門店の在り方が、変革期に突入しているようだ。

また、同店では、09年8月に千駄ヶ谷にオープンしたLA発のセレクトショップ「RonHerman(ロンハーマン)」へラルフローレンのアイテムやヴィンテージTシャツ、レーベルのCDを卸で展開。さらに今年8月には伊勢丹新宿店2階にて、TARTOWNのヴィンテージTシャツを催事展開した。今後も、イベントやライブ等のおもしろいと思えることを積極的に取組みたいそうだ。

取材・文/緒方麻希子(フリーライター/エディター)
■GRAND GALLERY(グランドギャラリー)
住所:東京都渋谷区宇田川町36-4豊田ビル 4F
TEL:03-3464-2550
営業時間:13:00〜20:00


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