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第353回定点観測・速報
レポート
2010.05.18
この記事のカテゴリー |  ファッション | 

第353回定点観測・速報

女性色落ちデニムカラー、うち、シャンブレー

コンサバ系には×白・ヌーディーカラーで
クラス感あるエレガントなコーディネート
が浮上。
20代を中心に、80sのアメリカ西海岸の
ティーンズのようなポップな着こなしが
増えている。ポイントは差し色の赤と
ポニーテール。
「VERY」系ママも今春はチノパンのロール
アップにマニッシュな短靴でメンズライク
なコーディネートが人気。
「nina's」系ママは、母子揃って柄ON柄
のコーディネートでナチュラル&ポップに。
2009年の5月の定点観測でも見られた
シャンブレーアイテムたち。左から当時21歳、
28歳、50歳。

<脱・黒>トレンドから<ナチュラル&リラックス>へ

 気象史上もっとも遅い春の訪れとなった2010年。快晴が続いたGWを明けた途端、一気に街を行き交う人々の装いが変化した。なかでも、もっとも顕著に感じられるのが、<脱・黒>のトレンドだ。平日の通勤時に目立つヌーディカラーのコーディネートも急増しているが、休日ファッションまたはカジュアルな通勤着でも構わないというOL層や会社員、そして学生などを中心に、「色落ちデニムのような水色」「シャンブレー素材のアイテム」が驚くほど急増しているので、今回のカウントアイテム(マス層に支持されているリアルな)とした。

 実は、この薄い水色のデニムやシャンブレー素材。昨年の7〜8月ごろに一部のおしゃれさんの間で浮上していたトレンドだったことは、本サイトの「定点観測」を継続的にご覧頂いている方には記憶に新しいだろう。

 アイテムでは、09年5月には「太パンツ」で、同年6月には「シャツ&ワンピ」「ミニスカート」「コンビネゾン」などでしばしば見られ、来年増えそう、と予測していたところその通りに。今春は、さらに幅広いアイテムにシャンブレー色が多用され、着用層も増加。今春の東京のマストレンドとなったようだ。本調査では、あえて素材ではなく、色合いに着目し、やや濃いめの水色を「色落ちデニムカラー」、薄い水色を「シャンブレー・カラー」とした。

 シャンブレー・カラーで多かったのはシャツ。大きめのサイズのシャツを羽織って「ボーイフレンド・シャツ」風に着用されていたほか、裾を結んで着用するスタイルやシャツワンピースとしてウエストをマークしたガーリーなスタイルも目立った。また、シャンブレーのブルゾンやパーカー、久しぶりにジャケットなども見られたが、合わせるボトムスは花柄ユルふわミニなど、おそらく、先月取り上げた「レザーブルゾン」を脱いで、色も素材も軽くてカジュアルなシャンブレーのトップスに着替えたのでは、と推察される着こなしが目立った。復活しているボーイフレンドデニムシャンブレーの太めのパンツ、オンスが軽めのデニムのロングスカートなどは、夏に向けもっと増えそうだ。

 シャンブレー人気の背景にあるのは、冒頭に記した<脱・黒>は、黒タイツ/レギンスからの脱却という潮流の影響が大きい。具体的には、黒レギンスを脱いで「ナマ足(ヌーディストッキング着用のケースも含む)」になっていたり、黒レギンスの丈が七分になりナマ足を露出する部分が多くなっていたり、黒いブーツが昨春流行ったグラディエーターに、同じブーツでも色が黒ではなく白やベージュ系になっているなど、街をじっくり観察していると、少しずつ変容していることがわかる。

 デニムやシャンブレーはもともとはメンズライクな素材である。薄手になっている(そういえばテンセル素材の人気も復活している!)とはいえ、甘くてかわいらしい、というよりは、爽やかでナチュラル・リラックスした印象を受ける色や素材でもある。また、ボーイフレンド・デニムボーイフレンド・シャツが支持される背景には、メンズアイテムをユルりと大きめに着ることで演出される(自然体の)女の子らしさへの羨望があったと以前解説したが、そういう意味合いを含んだメンズライクな素材の女の子アイテムが増えている今春は、着用するハードルが低くなり、さらに幅広い女性への支持が拡がり、マストレンドとなっていると考えられる。

 定点観測のデプスインタビューで着用した理由を訪ねると、「リラックスした雰囲気にしたかった」「花柄をカジュアルにしたかった」「少しヒッピーぽくしたかった」「マリンスタイルに合う」「イージーライダーに出てくる女の子=強いけどかわいらしいイメージ」などの回答が寄せられ、アメリカ西海岸風の女の子のもつ、ナチュラルでヒッピー&ガーリーな女性像への憧れも見え隠れした。

 ひょっとしたら、閉塞感溢れる今の政治や経済・文化といった今どきの社会に対し、無自覚ではあるものの、脱却したい欲求が爽やかな色や素材を求める行為へと繋がっていったのではないか、という推察も成り立つが、そういった時代の「気分」は、なかなか定量的には検証しにくい曖昧なものでもある。本「定点観測」のように、毎月淡々と同じ質問を繰り返し行うことから気づくちょっとした差異の積み重ねから検証・考察する調査手法は、実はかなり現場のリアルがそのまま反映される貴重なデータであると考える。


「女性色落ちデニム・カラー、うちシャンブレー」のOVERVIEWはこちらからご覧ください。
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★各地点別の結果は別途レポートします。



■今回注目したアイテムやスタイル・カウントアイテム(今もっとも幅広い層に支持されているアイテムやスタイル):
○女性色落ちデニム・カラー
 うち、シャンブレー・カラー

■ズームアップアイテム
(来月以降にもっと流行りそうなアイテムやスタイル、または今だけの瞬間的に流行っているアイテムやスタイル)
1)マキシワンピ(マキシ丈ワンピース)
2)スカーフ



■観測結果
・渋谷:
全通行人数 2,188人
 男性 1,088人(49.7%)
 女性 1,100人(50.3%)
 うち、スカート着用 309人(28.1%)

・女性色落ちデニムカラー着用 255人(23.2%)
・うち、シャンブレー・カラー 157人(14.3%)


・原宿
全通行人数 3,543人
 男性 1,566人(44.2%)
 女性 1,977人(55.8%)
 うち、スカート着用 932人(47.1%)

・女性色落ちデニムカラー着用 579人(29.3%)
・うち、シャンブレー・カラー 231人(11.7%)


・新宿
全通行人数 2.946人
 男性 1,489人(50.5%)
 女性 1,457人(49.5%)
 うち、スカート着用 553人(38.0%)

・女性色落ちデニムカラー着用 289人(19.8%)
・うち、シャンブレー・カラー  98人(6.7%)


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