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The Virgin Mary(ザ・バージンメリー)
レポート
2010.11.15
この記事のカテゴリー |  ファッション | 

The Virgin Mary(ザ・バージンメリー)

高円寺の人気古着店CULTPARTY(カルトパーティー)が渋谷に移転リニューアル

オーナーの田村安理さん。スナップサイトの掲載も多く、田村さんに会うために来店する若者も少なくない。
コンセプトは「少女たちの聖域」。女の子のクローゼットをイメージした内装になっている。
レジの上にはファンシーな飾り棚が!マリア像や、マンガ「ぼくの地球を守って」のピクチャーレコード、サンリオ「ポチャッコ」など、田村さんの好きな物が自由にディスプレイされている。
こちらはユーズドのお人形。「少女特有の無邪気な残酷さを表現したい」(田村さん)。
まるでおもちゃのようなキッチュなアクセサリーたち。
ドメスティックブランド「ONNNA:(オンナ)」が同店のためにリメイクしたチュニック。
移転したのはキャットストリートを少し入った場所。白い外観、小上がりになった物件はCULT PARTY時代と共通している。
年代やジャンルにこだわらず幅広い古着を扱う。また、古着の他に若手のハンドメイドブランドも取り扱う。
定点観測のインタビューでもお気に入りショップとしてたびたび名前が挙がっている、高円寺の人気古着店CULTPARTY(カルトパーティー)。昨年12月末に閉店した同店が、名前を「The Virgin Mary(ザ バージンメリー)」に改め、2010年3月28日、渋谷キャットストリートに移転リニューアルオープンした。

オーナーは田村安理(たむらあり)さん。

田村さんは、バラエティタレントを目指して上京し、20代前半から、芸能活動やバンド活動などの自己表現活動と並行して高円寺の古着店でアルバイトをしていた。両立が困難になり洋服の道を選んだが、体調を崩してブランクが約2年間続き、人生にも思い悩み始めた時に、友人がオーナーを務めていた高円寺の古着店「ラグドロッパー」が閉店することを知り、自分がその物件に呼ばれているような運命的な出合いを感じ、空いた物件に06年に、CULTPARTY(カルトパーティー)をオープン。大人気となった。
 
CULTPARTY(カルトパーティー)は、田村さんとパートナーによる共同経営だったが、世界観をより強く打ち出し、より広い層に発信していきたいという思いが高まり、独立を決意。約4年後の09年12月に閉店し、3カ月間の準備期間を経て、「The Virgin Mary(ザ・バージンメリー)」をスタートした。
 
「ショップをやることは、私にとっては存在証明。ショップと人生は、常にリンクしています。今この時代に、私のような感性を持っていた人がいたというのを残していきたいです。人生にゴールがないように、まだまだ理想形には達していないけれど、“カルトパーティー・第二章”とも言える物語の新しい幕が開けたと思います」(オーナー/田村安理さん)。
 
コンセプトは「少女たちの聖域」。かわいさ、危うさ、儚さ、純粋ゆえの残酷さといった少女性は、女性が永遠に抱いているものだという発想から、少女志向なかわいいものを発信していく。

場所は、渋谷・キャットストリートを少しはずれた道路沿い、渋谷高校の対面のビル。馴染みのあった高円寺と、いつか出店したいと思っていた渋谷・原宿エリアで物件を探した結果、古着好きが集まる高円寺ではなく、より幅広いジャンルのファッション好きが集まる渋谷という街へ進出する面白味を選んだそうだ。内装は田村さんや友人らが協力して手掛けた。CULTPARTY(カルトパーティー)で使用していたカベを床材にしたり、アーチを入口に設置したり、前身店舗の素材をうまく活用している。天井からぬいぐるみがぶら下げられているなど、かわいらしさと反する価値観が並列にある独特の空間だ。

商品構成は、古着:新品=9:1で、レディースとユニセックスが中心。古着はアメリカで買い付けたもので、少女らしい「かわいい」テイストを核に、田村さんが個人的にブームなもの、着てほしいものなどをセレクトしている。新品は国内若手デザイナーのハンドメイドブランドで、取扱いブランドは、「ONNNA:(オンナ)」「desparate(デスペレイト)」「mxe(ミー)」「keisuke kanda(ケイスケカンダ)」など。商品は洋服、アクセサリー、くつ、アニメキャラクターのぬいぐるみなどで、価格帯は、トップス3,990~6,000円、ワンピース6,000~1万8,000円。 

また、アニメやマンガ、キャラクターグッズを扱っているのも同店の特徴である。キティちゃんやマロンクリームなどのサンリオのキャラクターや少女革命ウテナなどのプリントが施されたウェアやグッズが充実。古着とキャラクターグッズ、国内のデザイナーズを自由にミックスするスタイルを提案している。



「古いものも新しいものも、同じ価値だと思っています。アンティークもあればモードもあるし、時代を感じる古い人形も現代のアニメやキャラクターも、いろいろ織り交ぜています。古着と新品をミックスした着こなしを提案したり、私の内面の変化と共にセレクトも変化しています」(田村さん)。
 
ターゲットは本当の意味で洋服が好きな人。客層はファッション好きの高校生から20代前半の女性が中心で、服飾学生、服飾学校を目指す高校生なども多いという。高円寺では古着好き、学生、近隣住民の来店が多かった。キャットストリート周辺は古着以外に興味を持つ層が回遊しているため、以前はなかったアパレル店員やアパレル企業の企画職の人なども訪れるようになった。CULTPARTY(カルトパーティー)だった頃からのファンも訪れ、高円寺よりもアクセスしやすくなったと喜ぶ人も多いそうだ。



「90年代の古着屋はアメカジのみ、アンティークのみというようにカテゴリー別に分かれていて、ジャンルをミックスしたり、新品を扱うのはタブーだという傾向があったと思います。でも、今の10~20代前半の子たちは、ジャンルの枠に捉われず、“古着のセレクトショップ”という感覚で買い物をしているようです。新品を並べても好意的な分、こちらも新しいことに挑戦しやすいですね。東京の若者には支持されますが、外国人の方には、複雑なミックスは少し伝わりにくいみたいですね」(田村さん)。 



古着・新品ミックス感は、東京のストリートファッションの大きな特徴である。特にアラウンド90年代生まれ(新人類ジュニア世代)の若者たちにとっては、アニメやキャラクターなどのカルチャーと、ファッションの価値を並列にとらえ、様々なジャンルやテイストのコーディネートを、コスプレ感覚で日によって自由に取り入れる傾向が強い。アニメやキャラクターと、新品、古着を自由に揃える同店は、そんな彼・彼女らの志向性と複雑なミックス感を反映した東京らしい店といえそうだ。 

ちなみに同店は今後、少女カルチャーを追求したオリジナル商品を展開するそうだ。 
  
取材・文:緒方麻希子(フリーライター)+ACROSS編集部


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