ACROSS Street Fashion Marketing

コンテンツメニュー
第361回定点観測・速報
レポート
2011.01.24
この記事のカテゴリー |  ファッション | 

第361回定点観測・速報

女性ミニ丈ボトムス、うち+ショートパンツ

00年代後半以降ずっと続いているミニ丈ボトムス人気。

「ちょい足し」で差別化を図るも、それもマストレンドに。

そろそろ異なるシルエットが浮上する?

 

 2011年最初の定点観測。もっとも流行っているスタイルということで注目したのは、女性ミニ丈ボトムス、うち+ショートブーツ」だ。

 

 え?また!? と思われる方も少なくないだろうが、原宿・表参道、銀座、渋谷とプレ定点(プレサーベイ)を行った結果、今のトレンドの根底にあるのは、個々のアイテムよりも、「ミニ丈+ニョッキリ足にショートブーツ」というシルエットであることを再確認し、改めて、通行人中に占める着用率を調査し、そのトレンドを数値化を試みることにした。

 

 「ミニ丈」の定義は、膝上丈のボトムスを着用している女性すべて。スカートかパンツか、素材や色などは問わない、とした。「うち、+ショートブーツ」のショートブーツの定義は、もともと長靴の別称でもあるブーツ=足首が覆われている靴で、丈が膝と足首の距離を10とした時に4以下の丈のものすべて、とした。

 

 結果は、もっとも若者が多かった原宿地点でなんと38.3%(!)がミニ丈ボトムスを着用。さらに、ミニ丈ボトムス+ショートブーツは14.8だった。全国大都市とニアイコールのトレンド感を示す新宿地点でも、ミニ丈ボトムスの着用率は28.0に。+ショートブーツのスタイル着用率は12.2となった。一方、このところ来街者数が減少している渋谷地点では、ミニ丈ボトムスの女性は17.6%と原宿の約半分に。+ショートブーツは新宿の約半分と、他地点とは異なるトレンドを示していた。

 

 

 具体的に分類すると、すっかり全国区になったsweet」系女子には「ひらミニ+キャメルか黒のショート丈コート+ブーティ」のモテ〜カワイイが定番スタイルだが、p.s.」系にはデニムやコーデュロイ、ウールなど厚手の素材のショートパンツで元気〜快活なミニ丈ボトムスのスタイリングが主流。さらに「ミリヤ系女子(ギャル系)」には、シャツ+ジャケットコート+ショートパンツ+黒のブーティとモノトーンで強い女性のイメージが人気のよう。

 

 ショートブーツは、メガヒットとなったミネトンカUGG(アグ)が圧倒的に多かったが、これは防寒という機能性がファッション性よりも勝っている今の時代感覚からだろう。ファッションのトレンドの流れからすると、昨年から浮上しているトレッキングシューズやドクターマーチンなどが徐々に増えており、フェミニンでかわいいものから、ゴツくてラフ、マニッシュ、快活なデザインのものへと感覚がシフトしているようすも確認された。

 

 今回の東京のストリートにおけるミニ丈ボトムスのトレンドの起源は2005にまで遡る。最初はヒザ丈ぐらいだったのが、徐々に短くなり、さらに30代、40代(!)へと広がり、同時に、+レギンスやトレンカ、カラータイツ、柄タイツ、デザインソックスなどレングスのアイテムの多様化と、ブーティやニーハイブーツ、トレッキングブーツ、ムートンブーツなど靴の多様化が進んでおり、ひとことでいうと、00年代後半〜10年は、「ボトムスのコーディネート(レイヤード)」の時代だったといえるだろう。



■渋谷地点のミニ丈ボトムス、うち+ショートブーツ
www.web-across.com/observe/cnsa9a00000715i9.html#shibuya_top

■原宿地点のミニ丈ボトムス、うち+ショートブーツ
www.web-across.com/observe/cnsa9a00000715i9.html#harajuku_top

■新宿地点のミニ丈ボトムス、うち+ショートブーツ
www.web-across.com/observe/cnsa9a00000715i9.html#shinjuku_top
 

ズームアップ・アイテム(1)「ソックスのちら見せ」スタイル

  トレンドが動かない(同じトレンドがずっと継続して流行っている)なか、他人と差別化するのに欠かせないのが小物類。なかでも、近年は「アラウンド90s生まれ」のいろいろなテイストをプラス&ミックスする感覚が徐々に一般化。既存のスタイルに「ちょい足し」するスタイルが増えている。

  そこで、今回のズームアップアイテムでは、男女ともに幅広く支持されているソックスに注目。ちょい足し感覚で演出されている「ソックスのちら見せ」スタイルを取り上げることにした。

 

 実は定点観測では、200911月に「男性足首見せスタイル」(ということで、ショートパンツや長いパンツの裾をロールアップして足首やソックスを「ちら見せ」するスタイルを取り上げている。いわゆる00年代半ば以降の男性のファッショントレンドを引っ張っているトム・ブラウンの影響だ。彼の提唱する、少年っぽさがプラスされた現代版プレッピー・スタイル「トム・ブラウン・スタイル」が、20代〜40代にまで浸透したさまを同アイテムを通して取り上げたわけだが、それが徐々に女性にも波及。多くのメゾンからも女性のプレッピースタイルが提案されていったのは記憶に新しいだろう。

そんなトップメゾンからのトレンドもある一方、東京のストリートの女子の間では、現在進行形の「トーキョー・ファッション」にそのエッセンスを「ちょい足し」。つまり、ややアウトドア〜スポーティなテイスト、いわゆる「森ガール」「森ボーイ」から冬になり、「山ガール&山ボーイ」風へと防寒度がアップしたという感じだろうか。

それ以外のファッショントライブには、くしゅくしゅさせてブーティに重ねたり、タイツやレギンス等の上にアクセント的に重ねるなど、ボトムスと靴・ブーツの間をつなげる「ちょい足しレングス・アイテム」として、自由に浸透しているようだ。
 

 もっとも多かったのはジャカードやノルディック柄の「森ガール」っぽいスタイルで、厚手のものが多いため、履ける靴がないのかサボやビルケンシュトックが再浮上していた(!)。30代以上に多い「ジャーナルスタンダード」系女子にはベージュ系でレースのソックスをくしゅくしゅさせた乙女なスタイル。20代の女子はポップでカラフルなものを差し色でコーディネートするスポーティなスタイルが目立った。また、ミリヤ系女子(ギャル〜モード系)の間では全身黒コーディネートに差し色としての白ソックス・コーディネートでマイケルジャクソンのような80sスタイルが好まれていた。一方男子は圧倒的に山っぽい厚手のノルディック柄を着用するスタイルが目立った。

いずれにしても、2009年ごろからストリートに台頭しているアラウンド90s生まれ(平成生まれ/デジタルネイティブ/新人類ジュニア世代)を中心に、日によって服のテイストを着替える(=ファッションの<コスチューム・プレイ>)感覚がトレンドとなっている今、ソックスはもちろんのこと、靴やバッグ、帽子、巻もの、そしてヘアメイクなど、すべてのアイテムの「組み合わせ」「バランス」がますます重要な要素となっていくと同時に、それらを演出する主体である「体(そのもの)」への関心と表徴するアイテムたちへの注目が集まっていくと予測される。
 

■ソックスのちょい見せスタイル OVER VIEW
www.web-across.com/observe/cnsa9a00000715rb.html
 

ズームアップ・アイテム(2)
「ビッグシルエット」「オーバーサイズ」


  00年代末にその兆しが表れ、10(テン)年代の潮流となるであろう、「エレガント〜モテから、凛としていてシャープでマニッシュなものへ」という流れ。数年前から、一部の海外のメゾンからは提唱されており、日本でも一部のおしゃれに関心の高い人の間では少しずつ取り入れられているトレンドだが、マス(大衆)のトレンドはまだまだカワイイ&快活なミニ丈ボトムスにゆるふわヘアの「カワイイ女の子」が主流だ。

とはいえ、今回のプレサーベイの結果、次のトレンドの兆しが年が明けて増えたのでは、と感じられたので、今回取り上げることにした。

そのポイントは、カウントアイテムで取り上げたような「ミニ丈ボトムス、うち+ショートブーツ」というこれまで主流だったシルエットが変化した、ということ。キーワードにすると、「アンバランス」「ぶこつ」「ジェンダーレス」という感じだろうか。

実際に街を観察すると、まだ少数ながらも、オーバーサイズのコート類やミリタリーコート、ビッグサイズのGジャン、肩がドロップしたコクーンシルエットのコート、極太のパンツ、袴のようなパンツなどがじわじわ増えつつあるようすが確認された。

なかでも、男性を中心に、ゆったりしたコート+ゆったりとしたパンツ(クロップト)というシルエットが80sのマニッシュなマントスタイルを彷彿させ新鮮だった。

インタビューでは購入理由を「ひと目惚れ」と回答する人が多く、なかには、「ハイブランドにしか袴のような太パンツがなかったので自分でつくりました」(専門学校生)という声も。

外資系のSPAへの対応に踊らされた00年代末以降、売れ筋中心の商品開発(マーケット・イン発想)の「システム」化が浸透する一方で、次のトレンドを牽引するであろう感度の高い消費者(生活者)のニーズをどのようにキャッチアップし、また取捨選択してマスに繋げるかという情報収集と「編集」のテクニックが問われる時代へと、少しだけ前に進んでいることを感じた2011年1月の定点観測だった。



■ビッグシルエット/オーバーサイズ・スタイル OVER VIEW
www.web-across.com/observe/cnsa9a00000715u1.html


同じカテゴリの記事
同じキーワードの記事