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レポート
2011.03.18
この記事のカテゴリー |  ファッション | 

第363回定点観測・解説

男性黒デカメガネ/女性黒デカメガネ

 3月5日(土)に第363回目の定点観測を実施しました。通常どおり速報レポートの作成を行っていた矢先、東北地方太平洋沖地震が勃発。改めて被害を受けられたみなさまに心よりお見舞い申しあげるとともに、1日も早く復旧しますよう、お祈り申し上げます。

  今回の震災に伴い、「アクロス」編集部として何ができるか、と考えた末、募金やボランティアといった直接的な支援活動もさることながら、被害の少なかった編集部だからこそ、なるべくいつも通り、いつもの調査研究活動に勤しむことで、少しでも被災地の方々の復興等に繋がる経済活動の一端を担えればと思います。

  今回の東北地方太平洋沖地震の前と後とでは、確実に人々の意識や生活、そしてファッションに変化が表れることと思います。これは、「以前」の記録としての解析となります。

*   *   *

定点観測/アクロス/ストリートファッション/スナッ/キャメル/ダッフル/ロングスカート/黒デカメガネ/でかめがね/黒めがね
<男性/女性黒デカメガネ>

求められているのはインパクトとシリアスなイメージ。
女子にとっては「つけまつ毛」感覚のヘアメイクの一種として浸透。

 

  2月の定点観測で、長く停滞していたトレンドが少し動いた、と解析したが、その象徴的なアイテムでもある「黒(い)デカメガネ」が、3月に入り、男女それぞれ予想以上に増えていたので今回カウントしてみることにした。
結果は下記の通り。

● 渋谷:
男性黒デカメガネ    2.5%(n=914人)
女性黒デカメガネ    5.7%(n=966人)

● 原宿:
男性黒デカメガネ    5.9%(n=1,716人)
女性黒デカメガネ    2.6%(n=2,000人)

● 新宿:
男性黒デカメガネ    2.8%(n=1,489人)
女性黒デカメガネ    2.0%(n=1,399人)

  量的にもっとも多かったのは、男性の写真のいちばん左のような「セレクト(ショップ)系」の黒メガネ。大き過ぎず、主張し過ぎないスタンダードなデザインとして、黒メガネが浸透していた。

  次いで目立ったのは、左から2番目+3番目の「アメカジMIX系」の黒メガネ。「セレクト系」に比べると、縁が太めでごりっと存在感のある「黒デカメガネ」で、子どもっぽくなりそうな今期のアメカジ(スタジャンやリュックなど)を真面目で大人っぽい印象に変えてくれる便利アイテムとして急増しているようだ。

  右から2番目のような「レギンス男子」といちばん右の「オーガニック系男子」が量的には同じくらい見かけたが、前者は黒以外に赤やイエローなど派手で存在感のあるポップなフレームが目立ち、後者はメガネのデザイナーが手がけた「デザイナーズメガネ」とでもいうような印象のものが指示されていた。

  一方女性はというと、急増していたのは、写真の両端のようなミリタリー系のアウターの「sweet系(ギャルMIX系)」。つけまつ毛をつけるように、レンズを抜いた黒デカメガネで顔にインパクトをプラスしているのが目立った。

  90年代生まれを中心とする「ストリート系女子」は、パーマをかけたボーイッシュなショートヘア&スタイルに黒デカサングラスでLAセレブ風なスタイルを形成していた。スタジャンやデニムのショートパンツなど、今春もう一度「LAセレブスタイル」が浮上しそうだ。

  また、新しいところでは、左から2番目のチェスターコートとパンツのロールアップ+短靴のマニッシュなスタイルが浮上。デカいバッグやソックス足など、ラフ&タフなアイテムをシャープにまとめた「ニュー・キャリア」とでもいうような「クールカジュアル(ジルサンダーっぽい?)」が今春以降、約3〜4年かけて増えていきそうだ。
  今回のトレンドの背景には、00年代のファッショントレンドが、「小物が主役」の時代であったことがあげられる。なかでも帽子の次に何度も取り上げてきたメガネ/サングラスは、00年代前半が「女優風、「(ファッション)セレブ風」なニュアンスのものが多かったが、08年以降は、ブコツでキッチュでオジサンっぽいちょっとダサめのデザインのものが台頭。それが、徐々に幅広い層に浸透し、レンズの有る無しに関わらず、かなり定着したのが、2011年春といったところだろうか。

ここでのポイントは、(1)2000年代前半と後半ではトレンドが異なっていることと(2)着用する「若者」が前半と後半で世代交代したことが推測される。

今回取り上げるメインプレイヤーは90年代生まれ(+80年代後半生まれ)の「新人類ジュニア」たち。「p.s.」では「OJI(オジ)スタイル」と命名していたが、帽子や巻き物などと同じように、ここ数年変わらない(洋服の)トレンドのアクセントとして、さらにもう少しマス化するのでは、と予測される。と同時に、
いよいよトレンドが「脱・エレガント」=クリエイティブ、アーティスティック、キッチュな方向へとシフトしていくのでは。そう感じさせる3月初頭の東京のストリートだった。


***来週、「スカーフ柄」「くるりん前髪」についての解説文をアップします。お楽しみに。


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