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ASIA FASHION EXCHANGE in SINGAPORE
レポート
2011.07.21
この記事のカテゴリー |  ファッション |    | 

ASIA FASHION EXCHANGE in SINGAPORE

シンガポール政府らの支援を受けたアジア最大級のファッションイベント「ASIA FASION EXCHANGE 2011」が開催

もっともカルチャーっぽさが感じられたMAE PANG(マエパン)
COUPE COURSE(クプクス)
MAX TANF(マックス・タン)
シンガポール最大の繁華街オーチャードストリートを用いてのプロモーション
今回のイベント目的の人とショッピングで来た人、観光客などが交わるのが街中での開催のポイントでもある。

シンガポール恒例の一大ファッションイベントASIA FASHION EXCHANGE in SINGAORE(アジア・ファッション・エクスチェンジ・イン・シンガポール)」が今年も去る512日〜22日まで開催され、一般消費者を含む約1万人以上もの人で賑わった。

 

会場は、シンガポールいちばんの繁華街オーチャードのなかでももっとも人通りの多いショッピングモール「ニー・アン・シティ(義安城)高島屋」の前に設置された特設テントを中心に、街なかを使った展示もみられた。

 

同イベントは、2000年代後半よりファッション産業の振興に注力してきたシンガポール政府中心になって主催するもので、初回の「SINGAPORE FASHION FESTIVAL(シンガポール・ファッション・フェスティバル)」という名称から変更して2回目の開催となる。

 

プロジェクトとしては3年間をかけ、海外&国内のブランドのファッションショーを開催するAudi Fashion Festival(AFF/アウディ・ファッション・フェスティバル)をはじめ、約120以上ものブランドが一同に介する合同展示会BLUE PRINT(ブループリント)」や、アジアにおける消費動向やトレンドなどをテーマに、パネルディスカッションやワークショップ、セミナーなど、期間中街がファッション一色に染まる一大イベントへと発展した。

 

メインとなる「AFF」には、今回スーパーモデルの岡本タオを迎え、あの色彩豊かな幾何学模様が特徴のブランドMissoni(ミッソーニ)」「スワロフスキー」Tiffany & Co.,「エマニュエル・ウンガロ」などの欧米ブランドも参加。他にも、タイのブランドで既にアジアでは数カ国で展開している「グレイハウンド」や、シンガポールのブランド「オールドドレスアップ」「ラウル」なども参加した。

 

なかでも、「ミッソーニ」は、イベントの会期以前から、ブラジルの「ハワイアナス」とコラボレーションしたビーチサンダルがあらゆる雑誌で紹介されたのをはじめ、会期中は車体がミッソーニ柄でラッピングされたバスが街中を横行。周辺のSC内のショップの店頭も「ミッソーニ風ドレス」で溢れ、街を行き交う若者たちもミッソーニ風の柄ドレスを着用するなど、一般消費者を巻き込んでのちょっとした「ミッソーニ旋風」とも言えるような社会現象となっていたのも興味深い。

 

また、このAFFには、今回初めて弊社(株式会社パルコ)が2009年よりシンガポール政府との協業で手がけているシンガポール資本の若手デザイナーの育成プロジェクトParco nest NEXT(パルコ・ネクスト・ネクスト)」も参加。国内外のさまざまな育成カリキュラム(「アクロス」編集部もサポートしています!)を経た成果の発表の場として8名の新進気鋭のデザイナーがルックを披露した。

 

参加したのは、COUPE-COUSU(クプクス)、MAE PANG(マエパン)、PAULINE NING(ポーリン・ニン)、MAX TAN(マックス・タン)、 POLKA(ポルカ)、 A.K.A WAYWARD(エー・ケー・エー・ウェイウォード)、CHALK(チョーク)、 KENJI(ケンジ)。なかでも、昨年デビューした新人ながらも、安定したデザイン性と完成度の高さが評判のMAX TANや一見黒のバラを施したミニバルーンドレスかと思いきや、ホックを外すとフルレングスの真っ赤なドレスに変身するドラマティックな2ウェイドレスで会場を沸かせたKENJIなど、観客に意表をつかせるパフォーマンス性の高いショーに、観客は夢中になっていた。

 

他にもアジア11カ国からデザイナーの卵たちがInternationally Asian(世界に通用するアジア人)」をテーマに約144名のデザイナーが参加。書類選考を通過した12名のデザイナーたちの最終選考会となるランウェイショーも行われた。

 

「近年のシンガポールのファッション界は、日本の80年代のデザイナーズブームだった頃と似ているような気もします」と言うのは、弊社海外事業部のシンガポール担当者。日本は当時、川久保怜や山本耀司、三宅一生などの日本人デザイナーが世界中から評価されたことが大きく影響していたが、きっかけは違うものの、「次世代を担う新進気鋭のファッションデザイナーも続々登場したあの頃の空気感」と似た雰囲気が今のシンガポールには感じられると話す。

 

「“パルコ・ネクスト・ネクスト”のデザイナーに限らず、国民全体が自国のファッションブランドヘの関心が高まっているように思います」(同担当者)。

 

今回の取材を通して、国の政策として始まったファッション産業振興活動も、約5年が過ぎ、ようやく一般の消費者にも根付き始めた印象を受けた。

 

また、実は、オーチャードをはじめとする商業地に、自国のデザイナーブランドだけをセレクトした“個人オーナー型(企業で運営するものもあるがあまりそうは見えない)”の「マルチ・レーベル・ストア」がポツポツとできており、高感度な若者たちで賑わっているというから、確実に、次の動きが始っているようだ。


もともと日本よりも早い時期からTOPSHOPフォーエバー21などのファストファッションが進出していたシンガポールのファッションマーケット。さらに、オランダのMEXX(メックス)やフランスのプロモード(PROMOD、イスラエルのFOX(フォックス)、スペインのMASSIMO DUTTI(マッシモ ドゥッティ)など、既に世界中のSPAブランドが多店舗展開しているファストファッションが飽和状態にあるマーケットだからこそ、感度の高い人たちから、デザイナーのクリエーションが際立つ、デザイナーズブランドへの関心が高まっているのかもしれない。

 

「パルコ・ネクスト・ネクスト」プロジェクト2011年度(第2期)も継続して実施しており、秋にはまた、アクロス編集部でも「渋谷・原宿のショップツアー」やレクチャーなど、育成カリキュラムをサポートする予定だ。

[取材/文:グラント里香+アクロス編集部]


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