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DOROTHY VACANCE(ドロシーバカンス)
レポート
2011.09.16
この記事のカテゴリー |  ファッション | 

DOROTHY VACANCE(ドロシーバカンス)

アーティストたちの自由な表現の機会と場を提供したい。
あとは、こんなところにこんなお店があるんだ、という驚きと幸せ感を伝えたい!

男性のYシャツをリメイクしたシャツ。マイクロミニのワンピースとしても。
リメイクしたシャツを腰に巻いてオーバースカートのように着用することも可能。90s風グランジな雰囲気も。
リメイクは基本的に3種類。Yシャツを持ち込んでのオーダーも可能だそう。
店内は世界各国のオモチャやハギレから作り出されたユニークなモチーフがいっぱい。ピンを付けてブローチになったり、繋げてペンダントになったりと夢が膨らむ。
もともとギャラリーだったという外装と内装をほとんどそのまま使用。テーマカラーのフューシャピンクがポップでキュート!
カメラの前にあるのは作家さんによるアメリカ製のゴム風船をピアスにしたもの。固めの素材でポップな色がかわいいだけでなく、耳に付けた時のゴム特有の絶妙な揺れ感もキュート。
手間にあるクジャクの羽のようなものはインド製のピアス。中綿入りのマスコットは日本在住のDaphneさんとAvuさんによるもの。
NYで買い付けたなんともキュートなパンプス。透明なピンクのプラスティックヒールに施された彫刻状のデザインもかわいい。
ショップにあるミシンたちを使った子どもたちのための手芸教室や英語教室なども開催中。近所に住む母子で賑わうのだそう。
昨年、CETエリアで行われたファッション評論家の平川武治さんのトークショーをきっかけに出会ったGONさん(25歳)。その後、ご自身のショップをオープンしたというニュースを知り、先日取材に伺った。

場所は京浜東北線大森駅から徒歩約20分(!)。池上通りから1本入ってすぐの住宅街。ショップ名は、Yシャツリメイクのショップアトリエ&ギャラリー「DOROTHY VACANCE(ドロシーバカンス)」という。

オープンしたのは今年の4月。店名およびブランド名の「ドロシーバカンス」は、GONさんが服飾大学の学生時代、架空の女性をモデルにして作った切手モチーフのフェルト作品の名称だそう。「ドロシー」とは『オズの魔法使い』から着想を得たもので、作中の「家の外にないものは、どんなに遠くに行ってもない。大切なものはすでに持ち得ている」というメッセージに共感したことがきっかけ。身近なものや古いものを素材にしたGONさんものづくり=リメイクに通ずるスピリットだと感じたという。

「私たちが学生の頃は、ユニクロを筆頭に、ファストファッションが頭角を現してきた時期。私たちは海外の学校を卒業していないと日本のセレクトショップでは相手にされない、という状況を目の当たりにした世代です。大学卒業後は留学も考えましたが、海外で学ばなくても日本でできることってたくさんあると思ったんです。自分さえしっかりしていれば、海外にいても日本にいても、得られるものはきっと同じ。まさに『オズの魔法使い』のメッセージそのものですよね」(GONさん)。

もともと、Yシャツのリメイク作家として個人で活動していたGONさん。袖がすり切れたり衿が汚れたりする以外は、大半の見頃が綺麗な状態のままで捨てられてしまうことに疑問を感じ、大学卒業後からUSEDのYシャツの収集し始めたのがきっかけだ。

そこで生まれたのが、シャツを後ろ前にし、胸元にタックを寄せた「リメイクオーバーシャツ」。胸元にリボンのようなふくらみをつくり、チュニック感覚で着られるレディース服として販売を開始した。旦那さんや恋人のUSEDYシャツの持ち込みによるオーダーメイドや、「原宿の「
CASSELINI(キャセリー二)」での卸販売を行い、口コミで人気が広まっていった。

「この世からビジネスマンがいなくならない限り、USEDのYシャツは生まれ続けるわけで、これを何かに利用できないか?と考えたんです。Yシャツはコットン100%の良い素材でできているものが多いので、その機能性の良さを女性にも共有していただきたかったんです」とGONさん

2年ほど、自宅をアトリエ兼ショップとして活動していたが、今年に入り、知人の薦めもあり、店舗を構えることを決意した。しかい、選んだのは、JR大森駅蒲田駅都営浅草線西馬込駅の中間地点だった!

「地元が吉祥寺なのですが、賑やかすぎるところは苦手で。そもそも東京に住んでいながら、この界隈に足を踏み入れたことがなかったんです。あるとき友人に誘われて初めて大井町駅に降り立ったとき、この街の持つ下町っぽさや空気に一気に魅了されて。『ここに住みたい!』とすぐに部屋を借りてしまったくらい。大井町から一駅隣のここ大森には、かつて好きだったギャラリーがあり、そこが移転することになって物件に空きが出たんです。その頃まだショップを持とうとは考えていなかったのですが、勢いで決めてしまいました。原宿や渋谷にはすでに素敵なお店がたくさんあるので、大森『こんなところにこんなお店があるんだ』という驚きと提供しようと思ったんです」(GONさん)。

思いがけない土地でお店を発見した喜び“わざわざ”足を運びたくなる楽しみ、そして自分だけが見つけたお店を誰かに教えたくなるバズを生む。GONさん大森「可能性のある街」だと感じていると話す。

内装は、ギャラリー時代の白い壁を活かし、一部をピンクに塗り直した。調度品は自宅から持ち込んだスタンドライト、GONさんの祖母の持ち物だったアンティーク調のワゴンなどを配し、ビビッドな色使いながらどこか暖かみを感じさせる。ギャラリーの前は花屋だったそうで、外装などのハード面は当時のままだという。

店内の品揃えは、オリジナルウェアと作家の作品がメイン。作家のセレクトの基準は、「ドロシーのスピリットに共感してもらえること」。またGONさんは学生時代に、清澄白河のギャラリーでインターンを体験。作家とのつながりは、その頃の人脈や活かされているという。オープンイベントの「ドロシーのゆめのはじまり」では、神田の現代美術のギャラリー「
ZENSHIによるプロデュースのもと、9名の作家の作品を展示した。

「たとえば作家さんがセレクトショップに作品を卸す際、どうしてもお店の雰囲気を意識した作品になってしまいます。ギャラリーに作品を展示するにも、少なからず受け入れ側からの制限があります。そこで、ここでは、作り手のやりたいことに耳を傾けて、自由に思い切り作ってもらいたい。それが実現できる企画を考えるようにしています」(GONさん)。

ターゲット層は、20代後半〜30代の女性を想定していたが、実際営業を開始してみると、男女比は半々。訪れる人は外国人から地元の人までと幅広く、また地元の子どもたちにも人気があるという。

「毎週土・日曜日に、カリキュラムを組んでファッション手芸部や子ども向けの英語でアート教室を開いています。お父さんのYシャツをリメイクしたり、自分の名前をアルファベットでコラージュしたり。子どもの好奇心と発想力を育んでもらうことを目指しています」(GONさん)。

価格帯は雑貨500円〜、リメイクオーバーシャツ15,000〜17,000円と比較的リーズナブルで、高価格帯のものでドレス60,000円。

「ここは駅からも遠いですし、地図を見ながらやっと訪れたお店で何も買えないとガッカリしてしまいますよね。わざわざ足を運んでくださった方には、ここでしか体験できないスペシャルやハッピーな気持ちを体感していただきたいです」(GONさん)。

今後はショップの運営、「キャセリーニ」での卸販売を継続しつつ、ポップアップショップも展開して行く予定だ。また9月18日には、アートと日常をつづったフリーペーパーの創刊イベントが同店で開催される。第1号には、GONさんがゲストとして、インタビューが掲載されるという。

「私も作り手のひとりとして、ものづくりをしている人同士でバックアップし合って行けたら」とGONさんは語る。

実は、大森は、アーティストや落語家などが多く住んでいるエリアでもあるそうだ。近年、全国各地で地域×アート・ものづくりなどのさまざまな活動が盛んになるなか、ここ大森でも、
「大森まちづくりカフェ」なる地域情報紙も発行されるなど、アートやものづくりに対する意識が高まっている。世代を超え、「何かを生み出したい」というエネルギーに溢れるこのエリアにいい意味での科学反応が始まっている「ドロシーバカンス」の今後の展開に注目したい。

[取材・文/皆川夕美(フリーライター)+『ACROSS』編集部]

DOROTHY VACANCE(ドロシーバカンス)

143-0024
大田区中央3-2-16
tel.03-6429-8692

地図

DOROTHY VACANCE TORNADO!

~coming to casselini~

9月17日(土)〜25日(日)、原宿キャットストリートにある「Casselini(キャセリーニ)」にて、ポップアップショップを開催するそうです。

住所はこちら
〒150-0001
東京都渋谷区神宮前5−27−8
tel 03-3400-5584

casseliniのHPはこちらhttp://casselini.com/





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