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JOHN(ジョン)
レポート
2011.12.19
この記事のカテゴリー |  ファッション | 

JOHN(ジョン)

セレクトショップ、カフェ、ポップアップスペースが一体となった複合ショップ

2階はカフェとアパレルの販売スペース。大きなテーブルには、思い思いの時間を過ごしてほしいという思いが込められている。
2008年にスタートしたイギリスのバッグブランドAlphabet Bagsのトートバッグ。
ロンドンの人気メンズセレクトショップPRESENT(プレゼント)によるトリッカーズの別注モデル。
アンティークパーツを利用したアクセサリーは、ロンドン在住のブラジル人デザイナーMaria Zureta(マリアズレータ)のもの。
イギリスのマーケットで買い付けた小物や雑貨も揃う。
2010年にイーストロンドンでスタートしたSt.Saviours(セイント セイバー)のハット。 すべてハンドメイドで、英国の伝統的なシルエットに、ヴィンテージのファブリックを使ったリボンがポイント。

 20117月、東京・代々木上原の「ウエストパークカフェ」の通りにセレクトショップ・カフェ・ポップアップスペースが一体となったショップJOHN(ジョン)」がオープンした。

オーナーは、
檀上佑一さん、良子さん夫妻(ともに32歳)。佑一さんはかつて恵比寿でメンズ/レディースのセレクトショップ「penderie(ペンデリー)」のディレクターを務めており、良子さんは、キハチカフェにパティシエとして勤務していた経歴を持つ。

 

 もともと「いつかはアパレルとカフェが一緒になった店をやりたい」と考えていた檀上夫妻。201011月の「ペンデリー」の閉店に伴い、自分たちのショップの開店準備をスタートした。当初は、以前から好きだった麻布十番で物件を探していたが、ショップコンセプトやターゲット層との差異を感じ断念。もともと2人が住んでいて、馴染みのあった代々木上原に候補地を変更したところ、すぐに今の物件に出会えたという。

 

 以前は外国人向けの託児所だったという築20年の1戸建てを改装。1階はカフェ兼展示会やイベントを期間限定で行うポップアップスペース、メインフロアとなる2階はセレクトショップとカフェが同居したスペースとなっている。

 

 コンセプトは、「時間を共有するパブリックスペース」。一つの長いテーブルを訪れた人達が共有し、各々、自分の時間を楽しむ。そんなロンドンのカフェのような場所を再現したかったという。

 

 「お茶や食事をしにくる人もいれば、PCで仕事をする人もいて、洋服を買う人もいる。そんな、お客さんが時間の使い方を選択できる場所を作れたらと考えていたんです」(檀上さん)

  

 アパレルの取扱商品は、佑一さんがロンドンで買い付けてきたインポートの衣類や雑貨が中心。シーズントレンドにとらわれない、面白いものを基準にセレクトしており、中には日本初上陸のアイテムも。人気は「BALMAIN(バルマン)」出身のデザイナーによるブランド「YOHAN KIM(ヨハン・キム)」のTシャツや、「St.Saviours(セイント セイバース)」のハンドメイドのハット。このハットは、ロンドンの「TOPSHOP(トップショップ)」のバイヤーが気に入り店舗限定で展開しているという、日本初上陸のブランドである。メンズ/レディースは半々で、価格帯は約3,00020,000円で、客単価は約6,0007,000円だそうだ。

 

 「ロンドンのマーケットなんかで、面白いモノを見つけると、それを自分で取扱ってみたいと思うんです。今はネットで何でも買えてしまう時代だけれど、“ここにしかない”感じを大事にしたい。その商品が作られたときの背景が見えたり、作り手のコンセプトが明確だったり、『モノとしての面白さ』を重視しています」(佑一さん)。
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イギリスのオーガニックなジンジャービアーと自家製グラノーラ。どちらもテイクアウト可能。
1杯ずつドリップして提供するオーガニックコーヒーは300円。テイクアウト用のコーヒーカップには、ショップのロゴがプリントされている。
1階のポップアップスペース。展示会やフリーマーケット、写真のエキシビジョンなどを開催した。
オーナーの檀上佑一さん、良子さん夫妻。

 カフェの運営は良子さんが担当。米粉とそば粉を使用したパンケーキなど、身体に優しいメニュー構成で、一部はオーガニックの食材を使用している。オススメは、レモンリコッタチーズのパンケーキ 1,200円。季節に合わせたメニューを提案している。

 

 1階ポップアップスペースのレンタル代は1日2万円、時間貸しの場合は1時間3,000円から。これまで、新鋭ブランドの展示会や、フリーマーケット、若手写真家のエキシビジョンなどを開催した。

 

 ターゲット層として想定しているのは、「情報発信者ではなく、それを補足する位置にいる、情報に敏感な人」だという。情報を発信する人たちは、新しい情報を求めて、移り変わりが激しいのに対し、その周辺にいる層は、一度気に入ればその店に通い続ける。そういう人たちが、代々木上原には多い、と考えているからだそうだ。

 

 現在の客層は、30代が中心。遠方から足を伸ばして来る人も見受けられるが、地元の住人や、近所に事務所を持つアーティストやクリエイター等のフリーランサーが圧倒的に多いという。

 

「グループで訪れるというよりは、1人か2人でご来店される方が多いですね。滞在時間は大体1時間くらい。皆さん、自分の時間の合間を縫って立ち寄って行かれる印象です」(檀上さん)

 

 提案されたものを買うよりも自分の好きなものを探求する、そんな高感度な人たちが多く住む代々木上原。街の雰囲気とショップコンセプトがマッチした結果となった。

 

 イギリスのファッションやカルチャーからの影響を強く受けている檀上さん。同店のテーマカラーである水色とネイビーは、ロンドンの公共交通機関用ICカードOyster card(オイスターカード)から発想を得たそうだが、これには「みんなのパブリックスペースになれば」という想いが込められているのだそうだ。

 

 「来年オリンピックが開催される事もあり、開発が進むロンドンのイーストには、若手のアーティストやクリエイター達が移り住み、拠点としてるようで、そこから、新しいモノがどんどん生まれています。中心から少し離れたエリアが盛り上がりはじめている状況は、代々木上原にも少し似ている気がします」(檀上さん)

 

 近年、代々木上原には「DELTA(デルタ)」、GMTincの「Burnish(バーニッシュ)」をはじめとしたインポート系セレクトショップや、個人オーナー系の飲食店などが増えている。さらに2009年あたりからは、30代のオーナーによる同世代をターゲットにした等身大のショップが増えているが、これは、かつて90年代を渋谷・原宿で過ごした世代が30代になり、自己実現のために「住みながら商える場所」として代々木上原周辺のエリアを選んでいるからではないだろうか。

今後、新たなカルチャー発信地として変化していく代々木上原に着目したい。

 

 

[取材・文/皆川夕美(フリーライター)+『ACROSS』編集部]

JOHN(ジョン)

〒151-0062
東京都渋谷区元代々木町18-8
TEL : 03-6407-0177


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