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NEW YORK JOE EXCHANGE(ニューヨークジョーエクスチェンジ)
レポート
2012.04.11
この記事のカテゴリー |  ファッション |    | 

NEW YORK JOE EXCHANGE(ニューヨークジョーエクスチェンジ)

“リサイクルドファッション”をポップに提案!
ファッション好きの若者に支持される新感覚のリサイクルショップ

所狭しと商品が並ぶ様子は、まるで海外のスリフトショップのよう。
靴やスニーカー、ブーツ等の履物も充実している。エナメルパンプスが1,260円など、今までチャレンジしたことがないスタイルのファッションにも気軽にトライできる価格設定だ。
サングラスやポーチ、イヤリングやヘアゴム、ワッペンなど、小物類も豊富。
内装はほとんどがスタッフ自らによるセルフビルド。むき出しの配管やパイプを組み立てたラックなどD.I.Y精神に溢れる店内。
元銭湯の床をそのまま活かしたノスタルジックなタイルなど、リサイクル&リユースを体現した内装にも注目。
下北沢の一番街に面した店舗。間口は狭いが、中に入ると思いがけず広いショップ空間が広がっている。姉妹店「HAIGHT&ASHBARY」にも近く、買い回りする客も多い。
東京世田谷区・下北沢のリサイクルショップ「NEW YORK JOE EXCHANGE(ニューヨーク・ジョー・エクスチェンジ)」(以下、「NEW YORK JOE」)が、幣サイト「定点観測」でも度々登場するなど、おしゃれ感度の高い若者を中心に人気を集めている。“リサイクルショップ”にも関わらず、同店で買うことや集うことが“おしゃれ”というようにブランド化しているが、それもそのはず。実は、同じく下北沢にある老舗ビンテージ古着店「HAIGHT & ASHBURY(ヘイトアンドアシュバリー)」(以下、「HAIGHT」)の姉妹店である。 「HAIGHT」 は以前弊サイトでも取り上げた、渋谷の古着店「BOY(ボーイ)」(取材記事はこちら)や、ビンテージとエッジーなセレクト品を揃える「CANDY(キャンディー)」と「Sister(シスター)」を擁する複合ビル「FAKE(フェイク)」(取材記事はこちら)を展開するなど、ファッション好きの若者にはカリスマ的存在だ。

「NEW YORK JOE」は、リサイクル品の販売や買取りの他に、客が持ち込んだ買取り商品と店内の商品を「トレード」できるシステムを導入しているのが、大きな特徴である。さらに、洋服やアクセサリー、靴などの全商品を1万円以下で販売するなど、独自性に富んだリサイクルシステムを提案。扱う商品のテイストもカジュアル、コンサバ、アウトドア、ギャル、モード、ビンテージ、ガーリーなど幅広く、ジャンルレスになっているのがおもしろい。

実は 「HAIGHT」  は20年以上前にも、買い付けのビンテージと共に、一般客の中古衣料の買取りを行っていたこともあったが、当時は消費一方の時代で構想をあたためることに。そして2010年、「八幡湯」という元銭湯の魅力的な物件に出会った際に、物が溢れ、リサイクルや古着の買取りが広く一般化した今なら、この50坪以上の広い立地で個性的なリサイクルショップができると判断。出店を決めたという。

店舗の内装は、電気工事以外は全てスタッフによるセルフビルド。空間づくりでも、脱衣所だった木の床、大浴場だったタイル床をそのまま活かすなど、銭湯の味を残して新しい店を生む「リサイクル、リユース」を意識した。店名を表したネオンやパステルカラーで塗られた壁や柱のポップさと、歴史を感じる床や天井の対比が独特な空間をつくっている。

コンセプトは、「老若男女関係なく、すべての人が“リサイクルドファッション”を気軽に楽しめる店」(店長/木村理宇さん)。

デザイナーズもビンテージも一切関係なく、商品すべてが1万円以下で売られており、平均は2,000円台。最高価格でも9,975円だ。タグを見てもパンツが1,470円、シャツが1,260円、「COMME des GARCONS tricot」の半袖ニットが1,890円、「Dr.Martens」の8ホールブーツが5,040円など、圧倒的に低価格である。買取りでは、査定価格(=店頭販売価格)を提示し、その30%の額を現金で支払う。商品にならないような状態・デザインのものでも、1kgあたり10円で買取ってリサイクルしており、持ち込んだもの全てを買取ってくれることも利用客にウケているようだ。

また、トレードでは、査定価格に対して、60%にあたる金額の同店の商品と交換することが可能だ。物々交換とも言えるこのシステムは、全ての人がより気軽にリサイクルファッションを楽しみ、積極的に取入れてもらうために導入したそうだ。
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平日にも関わらず開店と同時に洋服を持ち込む客で大賑わい。持ち込まれた衣類が店外にまで溢れていた。
ふつうのアパレルショップとは異なる、トレンドやブランド、そして時代を超えた品揃えが楽しい。
JEAN COLONNA(ジャンコロナ)のカットソーは2,940円。ブログやTwitterで毎日50回以上も入荷情報を発信しており、それを見てお目当ての商品を購入しに来る客も多いそう。
店内には一部50%OFFのセールコーナーも。
イエローカラーが新鮮なドクターマーチンの8ホールブーツ(5,040円)は、開店した瞬間に売れていた。
トレードマークのネオン管。よく見ると文字が繋ぎ合わせられていたりと、遊び心&想像力溢れるサインに仕上がっている。
下北沢店店長の木村理宇さん。
査定(セレクト)の基準は、破損や汚れがないかなどの商品の状態を見るのはもちろんのこと、ファッション性を重視しているのが「HAIGHT」  を姉妹店にもつ 「NEW YORK JOE」 らしさ。幅広い知識を持ったスタッフが、ブランドやビンテージの価値も踏まえて、「いま、この店に置く商品として、ファッション的にアリかナシか」という視点で査定するという。

「たとえお客様自身の手で袖がカットされているような状態でも、それが逆に今のファッションとしてアリであれば、買取りして商品にします。それが当店のセレクト感覚です。移り変わるファッションのなかで、ブランドだから幾らなどのマニュアルはありません。その分、ハイブランドでもダメージがあって他のリサイクルショップでは買取ってもらえないものや、古着屋で購入したもの、個人売買しかできないようなものでも、当店ではすべて同じ基準で査定をして、幅広く買取れます。ですから、逆におもしろいものが提供できるんです。たくさんの商品に混ざってマニアが唸るようなビンテージやハイブランド品が並んでいたりするので、素人〜玄人の方まで幅広く掘り出すおもしろさを感じて頂いていますね」(木村さん)

実際に、商品の回転が速く日に何度も品出しをしないと追いつかないほど。買取りでも多いときでは70人/日が訪れることもあるという。

商品構成はメンズとレディースが半々。商品を買いに来る客層は、20代前半をメインに、制服姿の中高生から近隣に住む60代のシニア層、バギーに子どもを乗せて来店する40代の家族連れなど、さまざまだ。平均客単価は2,000円台というが、それでも840円と1,260円の商品を組み合わせて2点購入できる。なかには一度に数点まとめて1万円以上購入する客もいるそうだ。買取り希望の客層は、ファッション感度の高い若者の他、いわゆる“タンス在庫”の洋服を多く持つ20代後半から30歳前後が中心。近隣の世田谷区のほか、その他23区、千葉などからも訪れるそうだ。

このように1号店の下北沢店が好調だったため、拡大するニーズに応えて2011年8月には吉祥寺店をオープン

「ニーズがある以上は、もっと他のお客様にも楽しんでもらいたいという思いです。同じ看板のショップでも、その街で買取り・売るということをするため、商品に土地柄が反映されるのもおもしろさですね」(木村さん)

また、毎月第一日曜は全品半額になるセール「THE FIRST SUNDAY SALE」を実施。他店が行う季節毎のセールを分散して行うことで、顧客満足度を高め、在庫管理も明確にしているという。セール日は開店待ちの行列ができ、オープンして数分で100名ほどの客でフロアが埋まるという。開店後もピーク時は1時間以上のレジ待ちとなり、スタッフが常に商品補充をしていないとすぐにラックが空いてしまうほどの人気だそうだ。なかには、京王井の頭線で下北沢店と吉祥寺店をハシゴする人や、1日2度も3度も来店する人もいるという熱狂ぶりにも驚く。

HPによると、同店は「衣類・靴・鞄・アクセサリーの最終引き取り人」になることを掲げている。
リサイクル市場の動向は、ブックオフコーポレーションやジャンブルストアなどのチェーンが台頭する一方、有名人・業界人をブランド化し私物を集めて販売する「PASS THE BATON(パス・ザ・バトン)」が登場するなど、その在り方が多様化。リサイクル・リユースが定番化した今だからこそ、さまざまなシステムが浮上している。

そんななか、ファッション感度が高い若者に支持される 「NEW YORK JOE」 は、“リサイクル=古くてダサいもの”というイメージを払拭し、ポップでおしゃれに見せたことが新しい。もの余りの今、ブランドでもトレンドでもなく、アノニマスなものを自由にコーディネートしてファッションを楽しむことが本当のおしゃれ、という時代だからこそ成立するビジネスといえる
 
【取材・文:緒方麻希子+『ACROSS』編集部】

NEW YORK JOE EXCHANGE 下北沢店

〒155-0031
東京都世田谷区北沢3-26-4
Tel /Fax:03 5738 2077
営業時間:12:00 - 22:00(定休日なし)


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