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ナチュラルローソン&food kurukkuのコラボ店舗登場
レポート
2012.03.27
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ナチュラルローソン&food kurukkuのコラボ店舗登場

コンビニから“ライフスタイルコンビニ”へ

産地直送の野菜が並ぶ店頭はまるでオーガニックスーパーのよう。
奥のワゴンでは、“ご当地商品”の企画販売も。この日目立っていたのは、滋賀県の九重商店のもの。
ワインのコーナーは、担当者が商品をセレクトした理由が細かくPOPに記載されている。
コンビニの奥に入り口のあるレストラン「kurukku cave」。
コンビニエンスストア「ナチュラルローソン」と、音楽プロデューサー小林武史氏が代表を務める「クルック」がコラボレートした「ナチュラルローソン&food kurkku」が、神宮外苑にオープンした。「ナチュラルローソン」の“美と健康”「クルック」の“生産者と消費者をつなぐ”という2つのコンセプトで食材と料理を揃えた、新しいスタイルの複合店である。

同店は、青山や表参道に近いもののほどよく静かなエリア。店に入ってまず広がるのは、野菜や生鮮、加工品など「フードクルック」が手がける食材売り場だ。フードクルックはクルックが新たに立ち上げた食品販売のカテゴリーで、スタッフが日本全国から集めたこだわりの食品をこの新店舗で販売する。つながりのある生産者が手がけるものや、実際に全国を回って探したものなどのなかからスタッフ数十名で大試食会を開催し、おいしく、自分たちが売りたいと思えるものを選んだという。

店頭には600品目が並び、スタッフがその商品を選んだ理由が伝わるように、生産者名、産地、特徴などが書かれたPOPが添えられている。ワイン担当のスタッフに話を聞くと「これは近江の無濾過のにごりワインで、森にクマゲラが現れる季節に販売を始めます」「ワインには下賎なものとされているデラウェアですが、生食できるならワインにもいいはず、と作られたもので」など、商品についての話が次々に溢れ出てきた。そのストーリーに購買意欲がそそられる。

このフードクルックとナチュラルローソンは、エリアは分かれているが店内はつながっており、クルックの一部の商品がローソンの棚にも置かれている。ナチュラルローソンエリアはおなじみの女性向け中心の売り場構成で、野菜中心のお弁当や総菜、店内で焼き上げるパンや挽きたてのコーヒー、豊富な洗面浴用品など3600アイテムが並ぶ。

特徴はかなりのスペースをさいたカフェ風のイートインコーナーで、中国料理「美虎」のオーナーシェフ五十嵐美幸さんがプロデュースする「food kurkku DELI」のデリコーナーが併設。「日本の食材でこんなにいいものが出来るということを伝えたい。口にしてほっと出来るやさしさを感じてもらえれば」(五十嵐さん)というデリは、「五穀米のおこげパリパリサラダ」「トマトのマーラー漬け」「フレッシュザーサイと春キャベツのあえもの」などいかにも女性好みのメニューが豊富だ。看板メニューの「ジャパニーズフォー」は和風だしで、三つ葉やゆず、しょうがなどがあしらわれた、まさにやさしい味。コンビニ内で、デパ地下風のデリを、カフェ風スペースで食べられる、というありそうでなかった空間である。

さて、コンビニエンスストアから地下におりると、レストラン「kurkku cave」がある。「都会の隠れ家のような空間で、ワインと肉と野菜とハンバーガーのレストラン」と銘打ち、1000本のストックがあるワインカーブと、安全な食材で自然の力を味わう食事が楽しめる空間になっている。一頭買いした豚を余すことなく使ったグリルやハンバーガー、バーニャカウダやマリネなど豊富な野菜メニューなどが、比較的リーズナブルな価格で供される。Caveの名のとおり、暗く、雰囲気ある大人の空間、という印象だが、コンビニ店内に入ってからそこに降りて行くというのもまた、新しい感覚だ。

ローソンとクルック、規模も業種も違うが、何かと画期的な話題を聞くことが多い両社である。提携したきっかけは何だったのかとフードクルックのスタッフの方に聞くと「社長同士が意気投合したからです」と、即答された。一定の蓄積があり、価値観を共有できれば、新しいものが早いスピードで生まれるのだろう。

ナチュラルローソンの立地は働く女性が多い都心のビジネス街クルックの飲食店は高感度の高い人が集まるエリアと、客層も異なっていたと思われるが、食材の提供という新業態で、もう少し生活寄りで、暮らしに近い、新たな客層も開拓できそうである。神宮前エリアは、働く人も多いだろうが、古くからの住宅街もマンションもあり、幅広い層の人々がいる。この新業態がどのようにフィットしていくのか、興味深い。

取材・文:宮川真紀(フリーエディター)


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