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MEMEME(ミーミーミー)
レポート
2012.04.30
この記事のカテゴリー |  飲食・フーディング | 

MEMEME(ミーミーミー)

コーヒーとお酒と食事を味わい、古着や雑貨も買える、渋谷・神山町のカフェ&バー

神山町の商店街から1本はいった通り。以前は印刷会社と駐車スペースだったというスペース。
ACE HOTEL(エースホテル)のエンタテイメント感に影響を受けた晴さん。細部まで作り込まれた店内は非日常感で溢れている。
カウンターに置かれた小さなガラスのショーケースの中には焼き菓子が並ぶ。
主にアメリカ・ポートランドでみつけてきたヴィンテージ雑貨やアクセサリー。

 相変わらず個人オーナー系の個性的な飲食店が続々とオープンしている渋谷・神山町。そのなかほどにある渋谷クレストンホテル裏手に佇む、わずか5坪のカフェ&バー「ME ME ME(ミーミーミー)」は、夜12時までコーヒーやお酒が楽しめ、雑貨や洋服なども販売している。


 オープンは201133日。オーナーを務めるのは、晴(はれる)航平さん(33歳)。晴さんはアメリカ・ポートランドの高校に留学・卒業した後、20歳のときに帰国。沖縄で通訳に携った後、21歳で上京し、家具店や古着屋を経て、ジャズクラブ「BLUE NOTE TOKYO(ブルーノートトウキョウ)」などを展開する(株)ブルーノートジャパンに入社。店舗接客や海外アーティストのアテンド、営業などに従事したそうだ。その後、アパレルの営業を経て、2008年にオープンした神山町のバー「STAND S(スタンドエス)」の立上げに参画、接客や調理などに携わった。


 出店のきっかけは、晴さん自身が毎日通いたいと思う店、つまり夜でもコーヒーが飲めて、お酒もご飯も楽しめて、洋服も買える、特別な雰囲気の店が無かったから。それならば、自分でその店舗をつくろうと独立したそうだ。ファッション好きであることや、店主と客が会話しやすい飲食業にも魅力を感じていたこともあり、双方を取入れた店舗をスタートすることにした。


 「日本で接客というと、“もてなす”ことが主流ですが、“もてなす”ことはお客様ニーズに合わせてサービスを変化させるので、受動的で流動的な印象です。一方、“エンターテインメント”は、独自のカラーを持ってそれを提案し、相手を楽しませること。僕は今のような時代だからこそ“エンターテインメント”を提供するお店でありたいと考えています。高度成長期以降、物が溢れていても心は満たされていない時代だと思います。心を満たせる、人の感受性を育てることができるお店をやっていきたいです」(オーナー/晴航平さん)

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1940年代のアメリカのバーのような雰囲気。当初はアパレル中心の店を考えていたが、「ただモノを売るより、コミュニケーションが生まれる環境に魅力を感じた」ことから、飲食店をオープンすることにしたそうだ。
アパレル勤務経験があり、自身も大のファッション好きという晴さん。レディスの古着や小物も揃う。
「MEMEME」という店名は「その答えは君の中意外にはない」という意味から。もっと自由で個性的であってもいいのでは、という思いが込められている。
アクセサリーをディスプレイするケース。

 物件は「STAND S」の頃から馴染みがある神山町エリアで探した。理由は「渋谷でも駅近くの繁華街とは異なり、穏やかな雰囲気で、これから盛り上がる将来性を感じられるエリアだから」(晴さん)という。小さいスペースで、わざわざ探さないと辿り着けないような物件を探したそうだ。

 

 もともとは印刷会社と駐車場の2室だった物件を、壁を壊して1室の店舗に改装した。レンガの壁の店内には、晴さんがアメリカで買い付けたライトやアンティーク家具などが配置され、クラシックな雰囲気。壁に掛けられた古着やネクタイ、床に置かれた靴など、飲食店では見かけることのないディスプレイがより一層独自な空間をつくっている。これらの雑貨や洋服は、晴さんがアメリカから買い付けたもので、すべて販売している。アクセサリーやネクタイが2,8004,800円で、お土産感覚で買えるようにと価格を抑えている。

 

 紳士的でありながらもユーモアを持っている人でありたいという晴さんのポリシーを、インテリアにも反映。ニューヨークの「Ace Hotel(エースホテル)」に影響を受けており、1部屋ごとに内装が異なる同ホテルを訪れた際に「エンターテインメントは細部にまで統一感がないと表現できない」(晴さん)と感じ、同店でも、キッチンやトイレまで空間づくりにこだわった。

 

 食事のメニューは晴さんのお母さん、はるさんが考案。はるさんは、家庭でも凝った料理、凝った盛り付けをしていたという料理上手で、「クリーミーミーミー ブラウン グラタン バゲット付き」(900円)、「和なマッシュドポテト」(500円)、「サワーレモンチキンの煮込み」(850円)など多彩なメニューが揃う。ドリンクメニューは「コーヒー」(400円)、「カフェラテ」(500円)、「チャイ」(550円)、「ドラフトビール」(500円)、「日本酒」(600円)、「ビオワイン」(グラス600〜ボトル3,400円)など。毎日通えるよう、価格を1,000円以下に抑えているのも特徴だ。

 

 店名の「ME ME ME」は、“答えは自分の外には無い”という意味で、豊かでも貧しくても人生はその人の感じ方で変わるということを表しているそうだ。ターゲットは自分から人生の楽しみを見出せるような人。実際には口コミなどで知り、同店目当てで訪れる人が大半という。周辺に遅くまで開いているカフェが少ないため、他でお酒を飲んだ後にコーヒーで締めたいという目的で来てくれることも嬉しいという。

 

 冒頭でも触れたように、2004年頃から神山町には、渋谷や青山へ自転車やバイクで通勤する人々をターゲットにしたショップが急増。アパレルやインテリアショップなどの様々な業態が登場したが、ここ数年は特に飲食店が相次いで登場しており、ワインバー「アヒルストア」やフレンチレストラン「Pignon(ピニョン)」、「pipal(ピパル)といった、30代のオーナーによる飲食店の集積地となっている。そして同店のように、神山町の人気店「Stand S」で経験を積んだオーナーが、同じエリア内で独立開業するケースも登場。何度かの改編を経て進化を続けてきた神山町は、個性派飲食店の集積エリアとして定着し、さらなる成熟が進んでいると言えそうだ。



 

取材・文 緒方麻希子(フリーライター/エディター)+ACROSS編集部

 

MEMEME(ミーミーミー)

東京都渋谷区神山町10-8


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