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THE SHARE
レポート
2011.12.31
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THE SHARE

新しい“シェアのかたち”を提案する複合シェア施設

アパートメントのモデルルームの一例。クリエイティブワークに携わる女性に向けた提案を行っている
リビタが手がけてきたシェアハウスユーザーの意見を参考にして、家具のないシンプルなプランを設けた
もとは企業の社員寮だった物件をリノベーション。古さの中に新しさを感じさせる共用部分の内装デザイン
女性専用フロア限定のシューズロッカールーム。靴の所持数が多い女性入居者に好評
固定デスクとフリーデスクからなるシェアオフィスを併設。利用者はコピーなどの各種サービスに加え6Fラウンジの一部を利用できる
スモールオフィスは12.0/18.1/38.1平方メートルという3つのバリエーション
レイクタホこと熊谷隆志さんが全館のグリーンデザインを手がけている
オフィス/住居/ショップ機能が一つになった、新しいスタイルの大型複合シェア施設「THE SHARE」が原宿・神宮前に誕生した。2011年12月1日にオフィスと住居部分の入居がスタート、2012年2月には1Fのショップとカフェがスタートしグランドオープンとなった。共用部分の環境づくりや入居者向けサービスなど、従来のシェア物件にはない「新しいシェアのカタチ」を全館で提案している。

事業主体は、印刷工場を商業・オフィス複合施設にコンバージョンした「TABLOID」のプロデュースなどを手がけてきた株式会社リビタ。クリエイティブ・プロデュースを株式会社トランジット・ジェネラルオフィスが、グリーンデザインを熊谷隆志さんがそれぞれ担当。これまで企業の独身寮として利用されてきた築48年の物件にリノベーションを施して新たな空間を作り出した。

ロケーションは神宮前3丁目、原宿警察署と明治通りを隔てて向かい合う交差点に面する一等地。建物の内外装や共用部分など、各所にベースとなる建物のパーツをそのまま活かしてヴィンテージ感を醸し出している。延べ床面積は3,822平方メートル、地上6階/地下1階。1Fに店舗4区画、2Fにオフィス、3〜5Fにシェア型住宅64室、6Fと屋上がパブリックスペースという構成で、都心部のシェア物件としては大型の物件だ。

2Fのオフィスフロアは12.0/18.1/38.1平方メートルという3つのバリエーションのスモールオフィス部分と、固定デスクとフリーデスクからなるシェアオフィスを併設。共用部の会議室(1室/有料)や複合機、来客対応や宅配便預かりなどのフロントサービスが利用できるほか、6Fの共用ラウンジも利用可能(平日11:00〜18:00のみ)。

スモールオフィスの扉にはガラスが使われていて、中の様子が分かるようになっているのが特徴。
「かつて原宿のGAP跡地にあったセントラルアパートが、このようにオフィスの中の様子が伺える構造だったと聞いています。入居していたクリエイターたちが“あそこがまだ仕事しているようなら、俺ももっと頑張らないと”というふうに切磋琢磨する雰囲気があったそうです。この建物もそんな歴史を受け継ぐようなものでありたいと考え、このような規格にしたんです」
と株式会社リビタ コンサルティング部の土山広志さんは語る。

住居エリアは3〜5F。面積は11.60/18.10/21.30平方メートルの3プランが用意されている。シャワールームやトイレ、ランドリーなどの水回りは各フロアに配置されているので、 最小のプランでも生活スペースは十分確保されている印象だ。月額賃料は80,000円〜111,500円で、立地のよさと部屋のクォリティ感からすると割高感はない。この近隣で仕事をするフリーランス・ワーカーであれば、交通費を考えれば立地面のメリットを享受できるだろう。

シェアハウスの運営でエンドユーザーとの接点を持ってきたリビタらしいノウハウが活かされているのが、このアパートメント部分だ。ベッドやクローゼットなど基本的な家具を備え付けているのがシェアハウスの常だが、この「THE SHARE」では全く家具を設置しない内装のみの部屋を設けている。

6Fラウンジフロア。都心ながら周囲には緑も多く眺望も楽しめる
6Fラウンジフロアのゆとりある空間。大人数でのミーティングにも対応できる
オープンで広々としたキッチンスペース。料理好きなら通常の賃貸物件よりも料理を楽しめそうだ
キッチンには各居住者用の冷蔵庫やストレージが用意されている。細部に至るまで使い勝手のよさが追求されている
6Fラウンジの居住者用エリア。ここでワークショップやトークショーなどのイベントが開催される
階段室や廊下などの共用部分には遊び心とクリエイティビティを感じさせる演出が施されている
1Fテナントにはパブレストラン「JUSTIN」、セレクトショップ「UNiFARM」、ショップ、イベントスペースとミニFM局の複合店「sora×niwa(ソラトニワ)」が入居する
「これまでのシェアハウスを運営してきた経験の中で、例えばこだわりの椅子であったり、買ったばかりのベッドだったり、家具が持ち込めないことをシェアハウスのデメリットとして感じられる方が一定数いらっしゃいました。最近の物件では、そういう家具の持ち込みを希望される方向けの部屋を2〜3割くらいの比率でご用意するようになってきました」(土山さん)

女性専用フロアの3Fは、他フロアからの独立性が保たれている。さらに、女性利用者向けの設備として、大きめのシューズロッカー室が用意されているなど、きめ細かいサービスを提供している。

入居者共有のラウンジスペースに、上層階の1フロアといういわば一等地を当てているのも、「THE SHARE」の新しさだ。壁面は全て窓が開口しているため明るく、見晴らしもよい。この上層階ならではといえる開放感すらもシェアできるのは、入居者にとって大きな魅力だろう。

打ち合わせにも利用できるフリーラウンジはオフィス/アパートメントの利用者共有のスペース。さらにアパートメントの居住者はラウンジスペースとキッチン、シアタールームを利用することができる。全て24時間利用可能だ。
広々としたオープンキッチンは、料理好きならずとも大きな魅力となりそうな設備。個別の食材/調味料の管理スペースも用意されている。ホームパーティなどで食を介在したコミュニケーションを求める利用者にとっては、むしろ普通の個人向け住宅よりも充実した環境だと言えそうだ。

もちろん、入居者同士が共同体として成熟していくためには、それなりに時間が必要だろう。運営側でも、ラウンジスペースでのイベント開催などソフト面での仕掛けを作っていくことで、入居者のコミュニケーションを促進していく計画だ。
「この施設が人体だとすれば、そこに集まる人たちが血液にあたるものです。血液が常にリフレッシュしながら循環していけるように、私たちもお手伝いしていきたいですね」(土山さん)

1Fにはテナントとして生活にスタイルを持つ人をターゲットとするセレクトショップ「UNiFARM」、“クリエイションと出会いがある原宿スタイル”を謳うパブレストラン「JUSTIN」、ショップとイベントスペース、ミニFM局の複合店「sora×niwa(ソラトニワ)」が入る。この入居者、利用者を中心としたネットワークが外に広がるような仕掛けが施されている。

シェアハウス/シェアオフィスは、経済的な動機をベースとしたモノのシェアから、時間や空間のシェアへとニーズの多様化が進んできた。この「THE SHARE」が行なおうとしているのは、それをさらに押し進め、建物内で入居者同士がコンテンツをシェアし、コラボレーションしながら、快適かつクリエイティブな空間を一緒に作り出そうという試みだ。常に変化を求めるインディペンデントな気風がある街・原宿とのマッチングも含めて、期待度は大きい。


取材・文/本橋康治(ACROSSコントリビューティングエディター/フリーライター)

THE SHARE(ザ・シェア)

THE SHARE

住所 東京都渋谷区神宮前3-25-18
 03-5468-9377 (株式会社リビタ)
交通 JR山手線「原宿」駅徒歩9分、東京メトロ千代田線・副都心線「明治神宮前」駅徒歩6分
構造規模  鉄筋コンクリート造地上6階地下1階
総戸数   店舗4区画、スモールオフィス16区画、
シェアオフィス(固定デスク14席・10区画、フリーデスク12席)、シェア型住宅64室
延べ床面積 3,822.91平方メートル


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