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2【Ni】
レポート
2012.08.14
この記事のカテゴリー |  カルチャー | 

2【Ni】

デザイナーのアレキサンダー・リー・チャンが手掛ける
自由でオルタナティブなマルチ・コミュニケーションスペース

現在ウォールギャラリーの作品は、サーファー、スケーターとしても活躍するアーティスト新倉孝雄さんが手掛けたもの。
壁一面のアートボックスでは現在、『TRASH GARDEN』を開催中。『“2nd lives for trash”=ごみにも第2【Ni】の人生を』がコンセプト。
ドリンクはエスプレッソ250円、ホットコーヒー350円、白ワイン450円など、気軽に楽しめる価格設定もうれしい。
「洋服は人との出合いや繋がりのきっかけになる、コミュニケーションツールのひとつ」と、エモーショナルな服作りにこだわる「アレキサンダーリーチャン」のコレクション。
店の内外には至るところにリー・チャンさんが育てる植物が。
デザイナーのアレキサンダー・リー・チャンさん。内装はもちろん、家具等のインテリアも自分たちで手掛けているように、DIYはお手の物というスタンスはクリエイターならでは。
日本でのLAムーブメントを牽引するセレクトショップ「Ron Herman(ロンハーマン)千駄ヶ谷」の真裏に、ストリート系のアパレルブランド「AlexanderLeeChang(アレキサンダーリーチャン)」が発信する、マルチ・コミュニケーションスペース「2【Ni】」(facebookはこちら)がある。「ロンハーマン」よりスケーターカルチャーらしい、自由な空気に溢れる同店がオープンしたのは今年1月。

運営は、デザイナーのアレキサンダー・リー・チャンさんが代表を務める「Chang Co., Ltd.」。ブランド初の路面旗艦店ともなる同店は、カフェ、アートボックス、ウォールギャラリー、ショップの4つのコンテンツで構成されている。
 
 「コンセプトは人と人が絡み合い、つながる場所。洋服だけでなく、食やライフスタイル、アート、音楽など沢山の異なるコンテンツが絡み合うようなスペースを作りたかった。同時に、自分が影響を受けてきたバックボーンを提示することで、ブランドの世界観を表現できれば」

と話すのは、店長でデザイナーのアレキサンダー・リー・チャンさん。04年にスタートした自身のブランドが安定したことに伴い、約2年前から出店を計画していたそうで、店名には”来てくれた(2人)が
そこで繋がり(=to)、 ニコニコと笑顔になれて、しかも(=too)何かを得られる場所”という多くの意味が込められているという。

75年サンフランシスコ生まれのリー・チャンさんは、10代の頃から日本でプロスケーターとして活躍し、96年から7年間、国内のアパレルブランド「アクアブランチ」のディレクターを務めてきた。その後03年に独立し「Chang Co., Ltd.」を設立、04年SSより自身のブランド「アレキサンダーリーチャン」をスタートした。ファッションに携わる以前から、絵や立体物、グラフィックの制作をしていたそうで、06年のスワロフスキーのクリスマスアート展着物クチュールをはじめ、アート展やアパレルショップでのオブジェやインスタレーション、スケートの映像制作など、様々なアートワークの制作も精力的に行っている。

白を基調に木目を生かした約42平米の店内は、もともと事務所だったところを自分達で改装したもので、その時に出た木材や金物などの廃材も活用。新たな空間へと再生させた。もちろん、インテリアも全てが手作り。廃材による棚や家具、ジョウロやケトルを活用した照明など、DIY精神と遊び心溢れるクリエイティブな空間に仕上げている。屋内外には、「グリーンを育てるのが好き」というリー・チャンさん自身が育てるサボテンやアロエなどの多肉植物、ミントやローズマリーなどのハーブ、ドライフラワーなどが至るところに配されており、麻袋、廃材を使った手作りの花瓶や鉢など、ユニークなディスプレイも見物だ。

フリーwifiを完備したカフェスペースでは、自身が好きな「OMOTESANDO KOFFEE(表参道コーヒー)」(幣サイトの取材記事はこちら)の厳選豆を使ったコーヒー(350円〜)や、季節の野菜を使ったヘルシーなグリーンスムージー(400円〜)を提供。素材は有機・無農薬で産地にこだわり、自身が買い出しを行うというこだわりようだ。不定期でバー・スタンドSugar BAR(by Sugar Boy)も登場し、東京の地ビール(600円)、アガベ100%のテキーラ(600円〜)などを提供する。また、ランチタイムには、リー・チャンさん自らランチをつくることもあるそうだ(!)。

外壁のコンクリート部分は、ウォールギャラリーとして使用。「街を歩いている人にも、楽しんでもらえたら」と設置したそうで、年に3回の入れ替え予定。第一弾にはサーファー、スケーターとしても活躍するアーティスト新倉孝雄さんのアート作品を掲示している。

壁一面に並んだ27個のアートボックスは現在、『“2nd lives for trash”=ごみにも第2【Ni】の人生を』というコンセプトのもと、展示『TRASH GARDEN』を開催中。アレキサンダー・リー・チャンさんの手により、普段の生活の中で不要になったモノ、捨ててしまうモノ(TRASH)が、素敵な植物(GARDEN)へと変わるという。
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リー・チャンさん自身が店に立つことがあるだけでなく、ランチタイムには自らランチを作って提供することもあるというサプライズも。
同店で提供するグリーンスムージー(400円〜)は、野菜(生の緑の葉野菜)と果物と水だけで作った、今注目されるヘルシードリンク。
オリジナルの買い物用のエコトートバッグ(大700円、小300円)。
店奥のスペースが「アレキサンダーリーチャン」のショップ。商品の8割がユニセックスで、メンズ・レディスなどさまざまな枠を超えた、自由でボーダレスなスタイリングを提案する。同ブランドの特徴といえるのが、ストリートを軸にした、機能的で自然体なスタイルだ。

「洋服は人との出合いや繋がりのきっかけになる、コミュニケーションツールのひとつ。会話のきっかけになるような、そしてずっと大切にしたくなるような、エモーショナルな服作りを心がけています」(リー・チャンさん)

価格帯はTシャツが7000円〜、アウターが3万円〜、シャツが2万円程度。また同店限定のオリジナルとして、買い物用のエコトートバッグ(大700円
、小300円)も販売する。

客層は20〜30代が中心で、女性が8割。セレクトショップ、「ロン・ハーマン千駄ヶ谷」の裏手に位置する周辺は大手〜中小のアパレルのオフィスをはじめ、ファッションに関わる個人事務所や住居も多い静かなエリアで、出勤前にドリンクをテイクアウトするオフィスワーカー、カフェ目当てで訪れる近所の住人、周辺ショップの買い物中にふらりと立ち寄る客も多い。カップルでの来店も目立つが、2人それぞれが別のエリアを楽しむことも多く、洋服目当てに来店した人がアートを楽しんだり、アーティストの関係者がカフェを利用するなど、クロスオーバーな楽しみ方をする人が多いのも特徴だという。

千駄ヶ谷という場所を選んだ理由について、「事務所も近く、ゆっくりした街の雰囲気がショップコンセプトとも合うと感じた」とリー・チャンさん。駐車スペースがあり、自分たちの手で自由に改装できることを条件に探し、ぴったりの物件が見つかったのだそうだ。

各コンテンツに参加しているアーティストやクリエイター、スタッフは同世代が中心で、昔からの知人も少なくない。彼自身、90年代の“裏原”カルチャーと、そこで出会った大人たちから大きな影響を受けているという。

「そこで遊んでいた同年代の人達が、今ジャンルを超えてインディペンデントで面白いことをしている。自分たちが感動し、影響されてきたカルチャーを、ここに来てくれた人が共有することで、新たなストリートカルチャーが生まれれば」(リー・チャンさん)

ここ数年、30代のアーティストやクリエイターたちが、かつて自分たちが享受したストリートカルチャーをベースに、活動の場として、さらにジャンルを超えて人が繋がれるスペースを作る動きが多く見られる。その特徴は、アパレルだけでなく、インテリアや雑貨、食、植物など、ライフスタイル全てをそれぞれの分野で活躍する仲間と一緒に表現し、それを緩やかにビジネスにしていることだろう。昨今増えている“ライフスタイルショップ”の流れとも関連するように、時代のキーワードは、ストリートカルチャーをルーツとした“ハイストリートカルチャー”といえそうだ。


 
取材・文: 渡辺マキコ(フリーライター)+『ACROSS』編集部

2【Ni】

住所: 渋谷区千駄ヶ谷2-10-6カサドベルデ101
営業時間: 9:00〜17:00(9月までの夏季期間の金曜のみ21:00まで)
定休日:土・日・祝


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