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boco(凹/ボコ)
レポート
2012.10.04
この記事のカテゴリー |  ファッション | 

boco(凹/ボコ)

クリエイターたちの心躍るアイテムに出会える
中目黒駅前の隠れ家セレクトショップ

壁一面の窓から明るい陽射しが差し込む店内。(photo by 高見知香 )
デザイナーのひがしちかさんが手掛ける「Coci la elle(コシラエル)」のシルクスカーフ。日傘も人気商品だ。
「Tenn」のスカートは、4枚の布が重ねてありどの色を表にしても履くことができる。好きな色の布を選べるセミオーダーも可能。
折鶴を樹脂で固めてピアスにした「Lagimusim(ラギムシム)」の「ORIZURUピアス」(2,625円)。耳元で折鶴がゆれる、ピースフルなアイテムだ。
アフリカンバティックを使ったインパクトのあるアイテムを展開する神戸発の「MANDRAKE(マンドレイク)」。
天然石ままの魅力をネックレスやピアスで表現する“旅する宝石商”「bororo(ボロロ)」。全てが一点もので、GIA GG(米国宝石学修了士)の資格を持つデザイナー自ら原石の仕入れから行う、注目のジュエリーブランドだ。
 東京・中目黒駅4番線ホームから見える雑居ビルの3階にセレクトショップ『boco(ボコ)』がある(2012年3月3日オープン)現在は代々木に移転:東京都渋谷区代々木3-5-7。ちょうど駅ホームと同じ目線に位置するため、東急東横線の利用者は気になっていた人もいるのではないだろうか。目黒駅から徒歩20秒という好立地だが、1階は雑貨店、2階に飲食店が入居する駅前の雑居ビルに、まさかこんな店が?と思うような、隠れ家感たっぷりのショップだ。オーナーは高杉佐恵さん。店内には、高杉さんがセレクトしたカラフルで個性的なメンズ・レディスのウェアやアクセサリー、雑貨のほか、東京で扱いが少ない地方のクリエイターのアイテムが、所狭しと並ぶ

 「boco(凹/ボコ)」という店名は、日向ぼっこの“ぼこ”に由来。大きな窓から日差しが注ぐ店の特徴を表している。さらに、さまざまなクリエーターや作家の尖った作品を「凸」とするなら、その受け皿「凹」になりたいという想いが込められている。高杉さん自身が女性であることから、「凹」でもあるそうだ。

「とにかく、みんなが持っていないもの、東京にないものを集めたくて。びっくりしちゃうような、心動かせるモノ作りをしているクリエイターさんに注目しています」という高杉さんは、宝島社の子会社でファッション系WEBサイトの企画・編集と通販カタログのバイヤー兼編集を経て、アッシュ・ペー・フランスの「水金地火木土天冥海」でプレス業に従事。その後、パルコの子会社であるパルコ・シティで、小規模ブランド・アーティストを集積した通販サイト『クリエイターズマンション』を立ち上げ、運営を行ってきた(現在もディレクターとして従事)。その『クリエイターズマンション』で自ら開拓し、培ってきたクリエイターとの人脈を活かすかたちで、今回のオープンに至ったという。

 縁あって出会った物件は、中目黒駅のホームから見える立地にひと目惚れ。もともとファションのイメージが強い中目黒だが、アパレルショップが集積する目黒川周辺が注目されてきた。そんななか、ファッションとは無縁といえる駅前の「未開拓で作り込まれてない感じ」に逆に面白みを感じたと言う高杉さん。

路面店だけでなく、こういう雑居ビルにも素敵なモノを探す楽しみがあることを発信したかったんです。実際に、店に入るのは勇気がいると思いますが、恐る恐るドアを開けて『こんなお店だったんだ』と喜んでくださる方も多いですよ。その瞬間は、私も、お客さん自身も安心するというか(笑)」(高杉さん)
 
 品揃えは、高杉さんがもともと繋がりのあったブランドを中心に、約40ブランド(うち、約半数は雑貨)。主なブランドは、斬新なテキスタイル(柄)の日傘やスカーフが人気の「Coci la elle(コシラエル)」、キッチュで独創的なアイテムを発信する「Romei(ロメイ)」のほか、「途中でやめる」「天誅履物店」「Riteco(リテコ)」など個性が光る“高円寺的”ブランドや、「Chihiro Baba(チヒロババ)」、「Lagimusim(ラギムシム)」、「aack(エーエーシーケー)」など、手仕事中心のアクセサリーブランドが揃う。

 また、神戸からアフリカンバティックを使用したアイテムを発信する「MANDRAKE(マンドレイク)」や、リメイクを中心にユニークな服を展開する「Repeart after me!(リピートアフターミー)」、大阪でミュージシャンやダンスパフォーマンスの衣装なども制作している「ぺーどろりーの」や、ミュージシャンでありながらファションブランドも展開する「emeraldthirteen(エメラルドサーティーン)」など、高杉さんがいま特に注力しているのが、地方発のブランド発掘

 
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窓の外には中目黒駅のホームが。目の前を人や電車が行き交う様子も楽しい。愛らしい鳥のバッグは「Romei(ロメイ)」のもの。
photo by 高見知香
色と形の組み合わせが楽しい「Yofi(ヨフィ)」のアクセサリーも人気。「Yofi」とは、ヘブライ語で「いいね!」という意味を持つ言葉だそう。
ハンドメイドによるシルクスクリーンプリントがユニークな「天誅履物店」のスニーカー(8,190円/税込)。
オーナーの高杉佐恵さん。着用しているのは、凹の主力ブランドでもある「途中でやめる」のワンピース。基本リメイクブランドだけに、ほとんどが一点ものだ。オーダーも可能だそう。(photo by 高見知香 )
  「ずっとファッションに携わってきましたが、東京って大丈夫?という危機感がありました。新しい商業施設ができても、入っているのは似たり寄ったりのブランドで、セレクトでも同じものしか取り上げられていない。その点、地方に行くと、見たことのないショップやブランドに、まだまだたくさん出会えるんです。どこもインディペンデントで、すごく面白いものを作ってる。もし自分でやるなら、そんな商品を扱うショップをしたいと思っていました」(高杉さん)

 客層は、20代〜30代前半の女性が中心。同店のTwitter等SNSで知ったファッションに敏感な層やクリエーター、中目黒駅のホームや車窓から同店の存在を知りやって来る東急東横線沿線の住民が多いという。なかには、ふらっと訪れたコンサバなOLさんがスカートや小物を購入していくケースや、近所のおばさまが「Lagimusim」のネックレスを真剣に悩んで買っていくケースもあり、驚いたことも。

「まだ扱いが少ないマニアックなブランドも多いので、ブランド検索で知って来てくれる方もいます。青森や福岡や富山、大阪など地方からわざわざ足を運んでくれた方もいて、それは本当にうれしかったですね。ほかにも、お客さんが友達を連れてリピートしてくれるなど、バズを生んで少しづつ拡がっている感覚もあります。着るモノ、持つモノだけど、身に着けて元気になって、ちょっとでも笑って帰ってもらえたらうれしいです」(高杉さん)

なお高杉さんは、大分県別府市のフリースペース「PUNTO PRECOG」内に登場するセレクトショップの商品セレクトも手掛けるという。これは、現代国際芸術フェスティバル「混浴温泉世界2012」(10月6日-12月2日)にあわせオープンするもので、同期間中は、原宿の「VACANT」でも腕をふるうベジしょくどうのYOYO.さんが料理長を務めるカフェも登場するという。
東京で地方発のクリエイターを紹介している高杉さんだが、逆に彼女自身の活動の場が地方にも広がりつつあるようだ。

【取材・文: 皆川夕美(フリーライター) 】

boco(ボコ)

移転後の住所はこちら↓
〒151-0053
東京都渋谷区代々木3-5-7 シグマロイヤルハイツA103
TEL:03-5708-5276

HP: http://boco.petit.cc/
E-mail: boco_sae@yahoo.co.jp
Twitter: https://twitter.com/boco_sae


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