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クラウドファンド「INVITATIONS」
レポート
2012.09.25
この記事のカテゴリー |  ファッション |   メディア | 

クラウドファンド「INVITATIONS」

“O2O”で、トーキョーファッションが変わる?

近年、少額な出資を多くの人から募る小口投資「クラウドファンド」がファッションに活用されるケースが増えている。一早く導入したのは弊社の「FFF(Fight Fashion Fund)」だが、他にも「CAMPFIRE(キャンプファイア)」「READYFOR?(レディーフォー)」「GREEN GIRL(グリーンガール)」など様々なサービスが見受けられる。

今回その中のひとつである、ファッションに特化したクラウドファンディングサイト「INVITATIONS(インビテーションズ)」が消費者を対象とした『あなたのための展示会』を開催するというので、取材した。

運営するのは、株式会社ほにゃらぼ。代表取締役を務める小尾勇太さんは、なんと2011年に大学を卒業したばかりの23歳である。

「ファッションが好きで、大学卒業後はファッションデザインを勉強することも考えていて、そのリサーチも兼ねてroomsをはじめ、たくさんのブランドが一堂に介する展示会に足を運んでみたんです。そうしたら、そこには、既に既にカッコイイ服がたくさんあるじゃないか!と思い、作る側ではなくブランドをサポートする側になろうと決意したんです」と小尾さんは話す。

「INVITATIONS」
は、ファッションブランドのスポンサーになってデザイナーを直接支援することができるサービス。消費者自らがサイト内でお気に入りのブランドを見つけ、500円の小口支援からブランドのスポンサーになることが出来、ブランド側から提供金額に応じて製品の限定モデルや受注会への招待状など、様々な特典を用意されるという。ブランド側にとっては、支援を受けることでより幅広い活動をしやすくなる。特徴的なのは、目標金額が設定されていないこと。集まった支援金は一部を除き、全額デザイナーに支払われ、スポンサーは欲しいリターンを必ず手にすることが出来るのだそうだ。

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初めての展示会に参加したのは全部で12ブランド。INVITATIONSに所属するファンディングブランド8つのうち、現在ウェブサイトで展開しているのは5ブランドだ。

今回は、その新サービスのリリースに合わせて行われたもので、テーマは『あなたのための展示会』。展示だけでなく販売、受注を目的としたイベントとなっていた。

参加したブランドは合計12ブランド。「INVITATIONS」に所属するファンディングブランド8つのうち、現在ウェブサイトで展開されているのは5ブランド。展開されていない3ブランドも近日中にサイトで展開がスタートする。また9月、10月中には10〜12ブランドに拡大する予定だ。加えて、今回は協賛として、エシカルファッションジャパン等からブランドも参加している。

「消費者はネットで服を買うことに抵抗が無くなってきているとはいえ、やはりまだ若手デザイナーの服を買うことに抵抗がある方も多いと思うんです。街で洋服屋さんに入る感覚で若手ブランドを見てもらえれば、という感じでしょうか。この場で良いなと思ったら、ネットでブランドのスポンサーになってもらうというのも考慮しました」(小尾さん)

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本プロジェクトを立ち上げた株式会社ほにゃらぼの代表小尾勇さんは、2011年に大学を卒業したばかりだ。

会場となったのは、ブックコーナーやラウンジバーを併設する「SUNDAY ISSUE(サンデーイシュー)」。ライブハウスで出会った駆け出しのバンドを好きになり、ファンが増えるように、実際に服を展示会で見ることでファンになりデザイナーの想いが100%伝わる場にフォーカスし、飲み物片手に楽しめる、展示会よりも入りやすい環境作りを心がけたという。

 
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2010年にアントワープ王立芸術アカデミーを卒業した時田智弘さんによるデニムをベースとしたメンズブランド「TOMOHIRO TOKITA」も出展していた。
 「今はデザイナーがアクションを起こしていかないといけない時代だと思っています。消費者との垣根はない方が良い。今回のお話をいただいた時、お客様に宣伝も出来るし、活動の種の部分を作れることもあり、すごく面白いと感じました。」(FUTATUKI:下山輝己さん)

「僕は販売経験があるので、お客様の生の声の重要性を認識しています。目の肥えたバイヤーや専門職の人以外の意見も知りたいというのがあります。洋服の話ではなくごく自然な会話の中で生まれてくるものがあって、お客様から服を見ながら話しかけてくださるなどのアプローチをしてくださることもありました。」(L’eau:前野亮さん)


デザイナーにとって消費者の生の声というのは、市場で求められるもの。さらに未来の物作りに繋がる貴重な意見である。コミュニケーションを通して、デザイナーと消費者の相互関係がより深いものとなるように思われる。
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武蔵野美術大学を卒業後、文化ファッション大学院大学を終了し独立した米田年範さんは今回は自身のブランド「ATENOY」ではなく、クラーク志織さんとコラボレーション企画の「ワンピースとタイツ」いうブランドで出展。商品が間に合わず、タイツのみとなった。
来場客層は 20〜30代の男女が中心。 その大半がイベントの情報をfacebookで得たという。18時までには100人超が来場し、買い物感覚で訪れたという人も少なくない。

「facebookで情報を見た時とあまりイメージは変わらないです。一般の人も入れて今日のような土曜日、休日に開催したことが良いですね。」(来場者:相澤真吾さん、縫谷祐介さん)

SNSを活用した宣伝だけでなく、足を運びやすい時間帯や環境選びがより多くの来場者を獲得する鍵を握るよう。今回のイベントでは19:00前後が最も混み合っていた。

「知らなかったブランドを知ることが出来、デザイナーから直接物作りの意図や世界観を伺えるので服を着たり使用する度に会話を思い出して、思い入れがあるものになると思います。」(来場者:Y.Hさん)

また、日本酒の定期購入サービスを行う「日本酒ラウンジ by SAKELIFE」によって日本酒が振る舞われ、親しみやすく会話の生まれやすい空間ということで、堅苦しい雰囲気もなく商品説明を受けやすいという声も聞かれた。だが、今回のメインイベントと連動があまりなく唐突な印象も。
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amazonでも販売を始めた靴ブランド「Wanda Landowska(ワンダランドフスカ)」も出展していた。
 今回のイベントの協賛として、日本初のエシカルファッション情報ハブサイト「エシカルファッションジャパン」とファッションアプリとしてアメリカでも注目されている「スナペティ」の2社が参加。「エシカルファッションジャパン」はただかわいいだけでなく、 世の中を直視し、ファッションにできることは何か? と考える「場」をつくる活動を行おうと、もともとロンドンでスタイリストをしていた竹村伊央さんが友人と今年2月に立ち上がったばかり。「Feliz」「INHEELS」「KARAFURU」といったフェアトレードや伝統技術、環境配慮を根底に置くブランドといっしょに参加した。

米国発の「スナペティ」は今夏日本に本格上陸したばかり。これは、基本的にユーザーが購買した商品の画像とブランド情報がデータベース化されたところに、今いる場所から近くのお店で販売されている商品検索、チェックしたり、「いいね」と共感したりすることが可能という「O2O(Online to Offline)型」アプリとしても注目されているそうだ。

『INVITATIONS』の根底にあるのは『ブランドと消費者を繋ぐ』ことなんです。クラウドファンドは、デザイナーと消費者が交流する“場づくり”のための1つの手段に過ぎないんです」と小尾さんは話す。

今回のイベントを通して成立したファンドは決して多くはなかったようだが、デザイナーと消費者が交わる貴重な“場”となったことは事実だ。

直接的なリターンのない「寄付型」、プロジェクト成功時に配当が支払われる「投資型」、プロジェクトが提供する何らかの送金や物品を購入することで支援を行う「購入型」と、クラウドファンディング・サービスの一般的な分類からすると、本サービスは、「購入型」といえるだろう。

「デザイナーと話す機会はまだ少ないけれど、作り手から商品を買うことが日常的になればいいなと思います。これを1つのきっかけとして、今後も消費者との接点の場作りのための様々な機会を企画・提案していきたい」と小尾さんは話す。

今回のこの新しいサービスは、ファッションにおける投資という概念以前に、近年広がってしまったデザイナーと消費者の間の情報格差、価値観の差異を縮めるいいきっかけにもなっているといえそうだ。

そのキーとなるのは、実は、近年の東京デザイナーブランドの特徴ともいえる、デザイナーをハブに繋がるクリエーター仲間で形成されるユルいコミュニティの育成と拡大だろう。

「デザイナーの活動の幅や、消費者の商品を選ぶ選択肢の幅を広げていくお手伝いができたらいいな、と思っています。そのきっかけが、『INVITATIONS』だったら最高ですね」(小尾さん)。

[取材/文:滝田雅樹(changefashion)+「ACROSS」編集部]


参加ブランド:12ブランド

Amakiru / ATENOY / CENTRIPETAL FORCE / FELIZ / FUTATUKI / HER /

INHEELS / KARAFURU / L’eau / qwerty / TOMOHIRO TOKITA / Wanda

Landowska /


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