東京港区の表参道交差点から国道246を外苑前方面へ歩くこと2分。ビルとビルの間にソフトクリームショップの看板や瑞々しい野菜が目に入ってくる。これは、2012年8月3日にオープンしたコミュニティ型商業施設246COMMON Food Carts(246コモンフードカート)Farmer’s Market(ファーマーズマーケット)(以下、246COMMON)。約250坪の敷地にモバイル型ショップの約20店舗が並んでおり、食事や買い物を楽しむことができる。事業主体はWIRED CAFE(ワイアードカフェ)などを展開するカフェ・カンパニー(株)。
きっかけは、2010年3月に営業を終了した商業施設LaPlace(ラ・プラース)南青山の跡地が遊休地となっており、土地を所有するUR都市機構が事業者を公募し、カフェ・カンパニー(株)が提案した、2014年3月までの期間限定での遊休地活用プロジェクトである。
「都心部では、商業施設の撤退などによって遊休地が増えつつありますが、様々な理由で次の展開が難しかったり、駐車場等にするケースが多くなっています。一方で、全国各地で商店街がどんどんシャッター街になってしまっている現実もあります。それなら、ここで商店街のようにいろいろな人が交われる空間をつくれないか、青空のもとで環境を活かした新しい商業空間をつくれないか、とういう発想からうまれたのが246COMMONです。すべてモバイル型店舗なので期間終了後も再利用が可能。都心でのこのような出店形式はマッチしていると思います」(カフェ・カンパニー PR担当/伊原志津子さん)。
入口には通りすがりの人でも立ち寄りやすい、ソフトクリームショップや八百屋を配置。敷地を奥に進むと、異なるデザインのコンテナやモバイル型のショップが敷地の輪郭を縁取るように軒を連ねる。中央にテーブル席が用意されており、好きな食べ物を買って、好きな席で食事を楽しむことができる。9月からは古民家のような佇まいが並ぶ和の趣の横丁エリアもオープンした。
出店店舗は20店舗(2012年9月現在)。業態は3つで、ファーマーズマーケットにも出店している農家やベーカリー、飲食店系、雑貨系。空間全体のテーマは「たまり場」。主な店舗は、天然酵母パンの卸を行っており今回が初の常設店となるpain au sourire(パンオスリール)、カフェ・カンパニー社運営のカフェWIRED CAFE<>FIT(ワイアードカフェフィット)、群馬県甘楽町で採れた野菜を使った水餃子を提供する太陽と雨、ネパール産ヒマラヤ岩塩の専門店ローズベイジャパンなど。