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PINNAP(ピンナップ)
レポート
2012.10.25
この記事のカテゴリー |  ファッション |    | 

PINNAP(ピンナップ)

90年半ば生まれをターゲットにしたニュータイプの古着店が急増中

LAのメキシコ人街にあるようなアパレルショップをイメージ。壁はピンクとペパーミントグリーン、床はゴールドというキッチュな店内。
ショップのディレクションを手がけるBOBさん。「地方都市では成立しないとんがったファッションを提案していきたい」
人気商品はオリジナルのアクセサリー。同店では今季注目のチョーカーをいち早く商品化している。
クリアチョーカー(全6色) \1,990
イエローやパープルのウイッグをかぶったインパクト満点のマネキンが目印。
スニーカーも今シーズンの売れ筋商品。
ここ数年、アラウンド90年生まれの台頭とともに、まるでアニメのキャラクターのようなポップでキッチュなコスプレ系ファッションがストリートで登場していることは、幣サイトでもたびたび紹介してきた。

2012年6月26日、原宿とんちゃん通りにオープンしたレディス古着店PIN NAP(ピンナップ)は、そんな90年代生まれをターゲットにした古着店のひとつである。

グラフィティ風のペイントが施されたGジャンやラメのボディコンワンピース、スタッズ付きのキャップ、ヒップホップ風のゴールドアクセサリー…店内は80’sをテーマに、キッチュで個性的なデザインの古着や、一癖ある小物たちで溢れている。

運営元は、原宿でレディスアパレルのショップやメンズのヴィンテージ古着店を運営する(株)シャッフル。もともと同じ場所で営業していた系列のメンズ古着店VOSTOK(ボストーク)の移転にともない、新業態として同店を立ち上げた。

商品のバイイング、セレクトを行うのは店長のBOB(ボブ)さん(31歳)。

BOBさんは新品レディスウェアを扱う系列店での経験を通し、近年、安価な新品がたくさん登場したことによって、古着をまったく着たことがない若者たちが増えていることを実感していた。そういった若い世代に向けて、テイストを強く打ち出したセレクトショップ感覚の古着店を提案していきたい、と考えていたという。

「古着は全て1点ものなので、究極のセレクトショップでもあります。今の若い子たちには、膨大な古着のなかから掘り出しものを見つける、という感覚はありません。古着に先入観がないぶん、古着屋というカテゴリーを強調せずに、テイストを明確に打ち出すことで抵抗なく楽しんでもらえるのではないかと思いました」(BOBさん)。

原宿で店をやるなら、トレンドを追いかけるのではなく、発信していく店でなければダメだと語るBOBさん。古着を1点ミックスすることで自分の個性を際立たせ、地方都市では成り立たない個性を思いきり発揮するファッションの楽しさを伝えたいと語る。

ターゲットは年齢・性別に関係なく、原宿にいる人全て。実際の来店客層は10代後半〜20代前半の男女で、『TUNE』『FRUITS』を読んでいるようなファッション好きが多いそうだ。
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エアブラシでペイントが施されたビッグGジャン。
レイト80's〜アーリー90'sテイストのアイテムが豊富に揃う。


シンプソンズやバットマンなどアメコミ関連グッズ・ウェアも豊富。店内はまるでアメリカのキッズの部屋のよう。
usedや新品の小物も充実。タトゥータイツやニットキャップ、ネックレスが人気だそう。
90年代に一世を風靡したNBAチームのロゴ入りアイテムをスタッズやビジューでカスタム。
オリジナルリメイクキャップ\6,990〜
スタッフのNahoさん(左)とマニタスさん(右)。ストリートスナップやファッション誌で人気の読者モデルでもある。
店舗面積は15坪。内装は、ロサンゼルスのメキシコ人街にあるようなアパレルショップをイメージしており、壁は赤レンガにグリーンとパープル、イエロー、床はゴールドと非常にカラフルだ。入り口には店名をかたどったピンクのネオンサインが輝き、どこかチープでありながらもポップでかわいらしい雰囲気だ。

価格帯はワンピース3,900円〜、スウェット4,900円〜、ニット6,990円〜、スニーカー5,900円〜。今シーズンはスニーカーやオリジナルのアクセサリーが売れ筋だそうだ。

「トレンドを意識して仕入れたものよりも、自分が直感的にいいと思ったものから売れていくのが予想外でした。とんがっているものを求めて来店しているお客さんが多く、他にはない個性の強いデザインのものが好評です」(BOBさん)。

オープンに際し、告知はTwitterで行った。というのも同店では、ストリートスナップに頻繁に登場する人気読者モデルのマニタスさんをショップスタッフとして起用しており、マニタスさんのつぶやきとリツイートによって、わずか一週間でフォロワーは1,000人以上にまで膨れ上がったという。また、ウェブやsnsでの情報収集が当たり前の「デジタルネイティブ世代」に向けて、商品情報をtwitterとブログで頻繁にアップしている。

2000年以降、古着店の細分化が進み、以前からあるアメカジ古着・ヨーロッパ古着を専門店やブランド古着、セレクト系古着屋に加えて、新しく安価で膨大な商品量で勝負する量販店タイプや、ヴィンテージドレス専門店など、さまざまなタイプの古着店が登場した。共通しているのは、オリジナル商品やPB展開、トレンド軸に沿った品揃えだろう。

ネットオークションやECショッピングの浸透によって、消費者の間で年代やシーズン、ジャンル、デザイナーやブランドにとらわれることなく単純に見た目のみで判断する“スーパーフラット”感覚が拡大。特に若者にその傾向が顕著で、ハイブランドもファストファッションも古着も並列にとらえる傾向が強くなっている。

近年、ファストファッション育ちで、アメリカのティーンズのような健康的で快活なファッションの90年代半ば生まれが登場。そういった若者の志向性を受け、同店やNADIA(ナディア)BUBBLES(バブルス)KINSELLA(キンセラ)などのように、商品の年代、性別、ジャンルをすべてミックスして提案するキッチュでポップな古着店が増加している。

The Virgin Mary(ザ バージンメリー)Grimoire(グリモワール)などのコスプレ系古着店とも一線を画す、90年代半ば生まれをターゲットにした新たな古着店のジャンルがまたひとつ確立しつつあると言えそうだ。

[取材・文 ACROSS編集部]

PINNAP(ピンナップ)

〒150-0001
東京都渋谷区神宮前3-26-10
電話:03-347-02567
営業時間:12:00〜20:00


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