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FILBERT STEPS/GONTRAN CHERRIER TOKYO
レポート
2012.11.20
この記事のカテゴリー |  飲食・フーディング | 

FILBERT STEPS/GONTRAN CHERRIER TOKYO

ベイクルーズが渋谷の既存店舗をリニューアルし
「コーヒー」「ブーランジェリー」の2つの新業態をオープン

 

2009年あたりから、都内ではこだわりのコーヒーやパンを扱う個人オーナー系のショップが相次いでオープンしている。そんななか、「JORNAL SANDARD(ジャーナルスタンダード)」「EDIFICE(エディフィス)」などのアパレル事業や「J.S. BURGERS CAFE(ジェイエス バーガーズ カフェ)」「j.s. pancake cafe(ジェイエス パンケーキ カフェ)」などの飲食チェーン事業を手がけるベイクルーズグループが、コーヒー、パンを扱う2つの新業態をスタートしたので、取材を行った。

1つめは、7月30日に渋谷区神南にオープンしたコーヒーショップ「FILBERT STEPS(フィルバート ステップス)」。もう1つは8月28日に渋谷駅近くの宮益坂下交差点にオープンしたベーカリーショップ「ゴントラン シェリエ 東京」である。

 

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内装は西海岸をイメージ。「ライブ感のあるコーヒーを楽しんでほしい」という思いから、オープンキッチンでコーヒーを抽出する風景を見渡せる開放的な空間だ。
オープンに際し、タブロイド紙「COFFEE GEEK JOURNAL」を発刊。本や映画のレビューも掲載し、コーヒーのあるライフタイルを提案している。
フードもアメリカンサイズ。
ビッグマフィンケーキ 各380円。
その日の気分で抽出方法が選べるのが大きな特徴。ドリップスタンドやフレンチプレス、ケメックスなどの器具も販売している。
店名の由来は、サンフランシスコの美しい丘の地名から。アプローチの階段にFILBERT STEPSをイメージしたカウンターとベンチが設けられている。
FILBERT STEPS」の店舗は、もともとは同社の「J.S. BURGERS CAFE」として営業していた場所。同社フード事業部の安森奨悟さんが2012年4月にロサンゼルスやサンフランシスコに視察に行った際、豆や抽出方法にこだわり、コーヒーを嗜好品として楽しむサードウェーブスタイルが浸透していることに衝撃を受け、「ベイクルーズならライブ感を出しながら、より良い品質の商品を提供できるのでは」と、業態のリニューアルを図ることが決まった。

「アメリカで人々がコーヒースタンドで、ラフにドリップコーヒーを飲んでいたんですが、そのビジュアルのかっこ良さに衝撃を受けたんです。今回のリニューアルでは、コーヒー好きが集う場所というコンセプトを発信していくことに注力しました。コーヒーギーク(コーヒーオタク)の方々が楽しめる業態にしていきたいです」(株式会社ベイクルーズ フードディビジョン ディレクター/安森さん)

コーヒー豆と抽出方法を選べるのが特徴である。まずは4種類の豆から好きなものを選び、続いて抽出方法を3通りから選択。ペーパーフィルターを用いる「ドリップスタンド」、プレス機を使った「フレンチプレス」、ペーパーの代わりにステンレスのフィルターで抽出する「ケメックス」の3 つの淹れ方から選べる。ドリップスタンドはフィルターが油分を吸収するので飲み口がすっきりしている、というように、淹れ方によって味わいの違いを楽しんでもらおうという提案だ。

コーヒーを通じてファッションやライフスタイルの提案をしていくため、豆やコーヒーメーカーのほかに、マグカップやトートバッグ、文房具などのオリジナル雑貨を販売。さらにコーヒーの楽しみ方を学べるセミナーも随時開催している。また、不定期刊のフリーペーパーも発行し、コーヒーがある日常のシーンを提案していく。

ターゲットは28歳以上のライフスタイル感度が高い男女。客層は20代後半〜30代までが中心で、男女比は5対5。平日は近隣に勤める方が多く、土日になるとエリアの特性から20代前半が増える。

「おかげさまで、当初想定していた以上に通なコーヒー好きの方々の来店が多く、コーヒー業界で働いているプロの方も多いです。時間やシーンによってコーヒーのスタイルを選んでもらいたいですね」(安森さん)。
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ヒカリエのオープンをきっかけに女性客が増える事を見越してブーランジェリーに業態転換した。
「パリのパン」「日本のパン」に分かれており、トラディショナルなハード系のパンとソフトな菓子パンを揃えている。
珍しい食材を使うのがゴントラン氏の特徴。カリーバゲット、イカスミバゲット 各200円。
ゴントラン氏が日本人スタッフの研修中にメロンパンの存在を知って生まれたという「パン メロン」(200円)。中の生地はクロワッサンで作られている。
小さなカンパーニュ クランベリーとアーモンド180円。
2Fは60席ほどのカフェテリア。パンやワインにあうフレンチベースのメニューを提供する。
同店が位置する宮益坂下は、渋谷駅から青山方面、原宿方面へ向かう人々で1日を通して交通量が多い場所。2008年に副都心線の降乗口ができたことにより、特に朝晩のトラフィックが増加している。
「ゴントラン シェリエ 東京」(以下、ゴントラン)は、フランスの人気ベーカリーショップの日本初上陸である。今回出店した「BC SALON SHIBUYA」は、2007年から同社のセレクトショップの複合店舗として営業していたが、それらのショップが渋谷ヒカリエへ移転したことから、飲食に業態転換。近辺に女性の来街者が増えることを見越して、大人の女性をターゲットにしたベーカリーレストランをつくることに決めたという。

本格的な味を提供するために、パリの若手パン職人のゴントラン シェリエ氏(34歳)と契約。ルカ・カールトンなど三ツ星レストランを経て独立し、現在はパリとシンガポールに店を構え、テレビ出演やレシピ本の出版も行う新進気鋭のパン職人である。

1階がベーカリーショップ&カフェで、2階がパンとそれに合う料理を楽しめるカフェテリアという構成。2階は60席。

パンのメニューはすべてゴントラン氏が制作。シソや味噌を使ったバケットサンドなど素材の組合せが特徴だ。パリと同じ味が楽しめる「パリのパン」と日本に合わせてつくられた「東京のパン」に分かれ、種類は常時約70種類。主なメニューは、パリから持ち込まれた自家製酵母でつくる「バゲットトラディション」(280円)、「イカスミバゲット」(200円)、クロワッサン生地をサブレで包んだ「パンメロン」(200円)など。サンドイッチ用のバンズは、黒コショウ、パプリカ、クレソン、イカスミ、カレースパイスの5種類のバリエーションがあるのも珍しい。

カフェテリアでは、フレンチベースの料理を提供しており、こちらのメニューもゴントラン氏が監修した。ランチは「季節野菜のサラダプレート(パンバスケット付き)」(1,200円)、ディナーは「黒毛和牛のビーフシチュー」(1,800円)などを提供。客単価は、ランチ1,200円、ディナー3,000円、1階が700〜800円。

メインターゲットは20代半ば〜の男女。時間帯によって大きく客層が異なり、朝は通勤途中のビジネスマンやOLが朝食やランチ用のパンを購入し、昼はOLや40代、夜は再びビジネスマンやOLが翌朝に食べるパンを購入していくそうだ。休日になると年齢層が若くなり、カップルの姿も見られるという。男女比は7割が女性と圧倒的に多く、世代は20代〜60代まで幅広い。

今の時代はエッジが立った、特徴のある商品をストーリー性を持って発信することが、ブランドをつくる上でもお客様の支持を得る上でも大切だと思っています。今後も新しいことにチャレンジしていく姿勢は変わりません。FILBERT STEPSもその1つの表れで、今後はチェーン化を考えています。ゴントランについても、若手の彼といっしょにフランスのパンの東京での在り方を探り、出店先を限定しながら、本物のフランスのパン、フランス人と日本人が考えた新しいパンの在り方を提案していきたいです」(ベイクルーズ フードディビジョンディレクター高橋秀典さん) 

冒頭でも述べたように、ここ数年、素材にこだわり、手間暇かけて丁寧に作ったこだわりのコーヒーやパンを提供するショップが相次いでオープンし人気となっている。その背景には、ファストな大量生産に対するスロー感覚の見直しや、ハレの日だけでなく、日常(=ライフスタイル)にこそこだわりたい、という事業者・消費者の心理変化があると言えるだろう。

今回取材したベイクルーズの2業態は、そんなバージョンアップした日常生活の感覚をビジネスとして取り入れスキーム化しようというテン年代らしい動きと言えるだろう。


取材・文 緒方麻希子+ACROSS編集部

FILBERT STEPS(フィルバートステップス)

東京都渋谷区神南1-6-3 神南フラッグ1F
TEL:03-5428-3658
営業時間:08:30〜20:00
土 11:30〜21:00
日祝 11:30〜20:00


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GONTRAN CHERRIER TOKYO(ゴントランシェリエー東京)

東京都渋谷区渋谷1-14-11 ビーシーサロン渋谷
TEL:03-6418-9581
1階(ブーランジェリー&カフェ)7:30〜21:00
2階(ブレッド&ワイン カフェテリア)11:00〜23:00
朝食営業、ランチ営業、日曜営業


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