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TOWER RECORDS SHIBUYAリニューアル
レポート
2013.05.01
この記事のカテゴリー |  カルチャー | 

TOWER RECORDS SHIBUYAリニューアル

コンセプトは「360°エンターテインメントストア」
原点回帰+新たな試みを盛り込んだ攻めのリニューアル

正面エントランスには〈NO MUSIC, NO LIFE.〉の巨大ロゴ。左右に180インチ相当の巨大なマルチモニターが設置されている。
1階はニューリリースとおすすめ商品を集めたフロア。ここに来れば国内外のニューリリースが把握できるという充実した品揃え。

 

かつて、90年代は世界一のレコードタウンとして知られた渋谷。00年代以降はインターネットはじめ様々な影響で、レコード・CD店が減少したが、10(テン)年代はライブハウスが増え、新たな音楽シーンと人の流れが生まれている。

そんななか、2012年11月23日、TOWER RECORDS SHIBUYA(タワーレコード渋谷店)がリニューアルオープンした。81年に渋谷区宇田川町に国内2号店となるタワーレコード渋谷店を開店し、95年に神南の現在の場所に移転。世界最大の売り場面積を持つ店舗として話題を集めた。地下1階から8階までの全面改装は、移転以来初めてである。

「リニューアルは2年以上前から計画していました。ご存知の通り、昨今の音楽マーケットは縮小傾向にあり、違法配信や無料の動画配信サイトの影響もあってCDやDVDなどのパッケージの売り上げが落ちていています。しかし弊社としては、CDパッケージを求めるお客様に向けて、これからも音楽やカルチャーを発信していきたいという思いがありました。渋谷店は基幹店なので情報発信基地として刷新しようと、『360°エンターテインメントストア』というコンセプトを掲げて新しい売り場を作り上げました」(渋谷店副店長(現・店舗構造改善担当部長) 勝原勉さん)

 

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地下1階は、本格的な有料ライブハウスCUTUP STUDIO(カットアップスタジオ)としてリニューアル。DOMMUNE(ドミューン)と提携してイベントやオリジナル番組のUST配信を行う。
タワーレコードといえば、手描きのポップや手作りパネル!リニューアル後はレコメンド・ポップにさらに注力しており、書き手の情熱が伝わってくる力作ばかり。
CD/DVDの什器を一新することにより在庫枚数を10万枚増やし80万枚に強化。
約65万曲をフルバージョンで聴くことができるデジタル試聴機を約70台導入した。
ジャズはウッド調、J-POPはイエロー、ROCKは黒...というようにフロアによってテーマカラーが異なる。
以前「STAGE ONE」としてイベントなどを行っていた地下1階は、ステージの位置を変えて柱が邪魔にならないようにし、バーカウンターを設けた本格的なライブスペース「CUTUP STUDIO(カットアップスタジオ)」として生まれ変わった。収容人数も増加し、ほぼ毎日音楽ライブやイベントなどが行われる。さらに、ライブなどをYouTubeやUSTREAMなどのソーシャルメディアでストリーミングできるよう設備を整え、インストアイベントやオリジナル番組などをより積極的に配信し始めている。

ストリーミング配信をより積極的にやり始めた理由のひとつは、家にいても『渋谷のタワレコって楽しそう!』と思って頂きたかったから。自宅で楽しんでいただいて、来店動機につながれば」(勝原さん)。また、8階はオフィススペースを縮小して、50坪の催事スペース「Spece HACHIKAI(スペースハチカイ)」を新設。アーティストの写真展やトークイベントを行うイベントスペースとして活用している。

1階の「NEW RELEASE & RECOMMENDS(ニューリリース&レコメンド)」コーナーは、ニューリリースを集積し、音楽や映像の今が網羅できる売り場を目指した。入口を3カ所に増やし、さらに什器の高さは150cmと低めに設定して店内を見渡せるよう工夫。また、エントランスに大型モニターを2台設置し、ニューリリースの情報や店内で行われているイベントを映し道行くへ情報発信できるようにした。また2階には、新たに「TOWER RECORDS CAFE(タワーレコードカフェ)」と「TOWER BOOKS(タワーブックス)」を併設した空間に刷新。カフェは「溜り場」をコンセプトに、古材を多用した落ち着きのある内装が特徴。隣接の「TOWER BOOKS」の書籍や雑誌はカフェへの持ち込みが可能で、ブックカフェとして生まれ変わった。カフェでテイクアウトしたドリンクは各フロアへ持ち込みができる。

3階〜7階は、Jポップ、ロック、ワールドミュージック、クラシックなどジャンルごとに各フロアを構成。7階のクラシックフロアは内装も什器も落ち着いた木目調で、床をじゅうたん貼にすることで上質感を演出した。また、5階のロックフロアは、黒い内装でシャープな印象にまとめるなど、音楽のジャンルに合わせてフロアごとに雰囲気を変えている。
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今回新設されたTOWER RECORDS CAFE。併設されたTOWER BOOKSの書籍や雑誌を同時に2冊まで持ち込むことができる。

 

渋谷の街が見下ろせる、広々としたカフェスペース。カフェのみの利用客も多く、30代女性が増えたそうだ。
リニューアルを記念して作られたランチトート1,890円(税込)とベーカリートート1,365円(税込)、CUTUP STUDIO Wスタイルバッグ1,680円(税込)。
カフェの横にはカウンターを設置。コンセントが配備されており、ノマドワーカーにも対応。
〈TOWER BOOKS〉はドリンク・ホルダーやコンセント付きの席が設けられており、じっくりと本を吟味することができる。
徹底的に在庫数にこだわった売り場を目指しました。単に在庫数を増やしたのではなく、タイトル数の幅を拡げています。日本全国を探してもなかなかないようなものも仕入れています」(勝原さん)

リニューアルに際し、在庫数を従来から10万枚増やして、世界最大規模の80万枚を揃えた。そのため、CDを並べる3階〜7階の什器は170cmに統一して棚差しの枚数を増やすなど、オリジナルの棚を開発し商品数を増やすため徹底的な工夫を施した。また、以前は各階精算だったが、リニューアル後は買い回りがしやすいよう、どの階でも精算できるようにした。

「渋谷店はタワーレコードの旗艦店であるため、ターゲットはあえて設定していません。若い方が演歌を聴いたり、年配の方が最新の音楽を聴いたり、音楽嗜好の多様化が進んでいる時代。売る側がターゲットを限定するのではなく、どなたでも来店して楽しんでいただけることを前提にコンテンツや品揃えの充実に力を注いでいきたいです」(勝原さん)

メインの来店客層は30代以上の男性で、コアな音楽好きが多いという。豊富な商品数が、音楽マニア達を惹き付ける大きな魅力となっているようだ。また、カフェのみを利用する20代女性の客層も増えたという。

「今はネットで簡単に情報が取れる時代ですが、それは目的があってアクセスしている世界だから出会いが限られてしまう。しかし、リアルな売り場には偶然の出会いが圧倒的にある。だからこそ、レコメンドコーナーはファンの方と共存共有しあえるような提案を目指しています。『このフロア担当はこのアーティストが本当に好きなんだろうな』とか『この人のおすすめは私と趣味が合うな』と思ってもらいたい。試聴機のヘッドホンをとらせるまでが僕らの役割なので、POPには音が聴こえるようなレコメンドを書くよう、今まで以上に力を入れています」(勝原さん)

また、リニューアルを記念して、渋谷eggman(エッグマン)SHIBUYA AX(アックス)渋谷WWW(ダブリュダブリュダブリュー)、渋谷 CLUB QUATTRO(クラブクアトロ)渋谷O-EAST(オーイースト)の渋谷にある5つのライブハウスで、「LIVE LIVEFUL! SHIBUYA 5DAYS!」と題したアウトストアライブイベントを敢行。渋谷=音楽の街というイメージを定着させるべく、街を使ったプロモーションイベントを開催した。今後も渋谷の街と連動した音楽イベントを発信していく予定だという。
 
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8Fは催事スペースSpace HACHIKAI(スペースハチカイ)。約50坪の空間で展示企画やトークショーなどが開催される。

CDパッケージ不況と言われる中、国内最大の在庫数を確保するという攻めのリニューアルを行った同店。売れ筋をランキング形式で紹介する効率重視のCDショップが多い中で、音楽のプロが丁寧に商品を解説・提案し、体験型のイベントを展開するなど、リアル店舗の強みを徹底的に活かす同店の姿勢は、まさに原点回帰の姿勢と新たな試みが合わさった、これからのCDショップが目指す形と言えるだろう。新たな層にもアピールするため、Ustreamなどネットを取り込みつつより多彩な情報提供をする、きめ細かい訴求がポイントになりそうだ。


取材・文 阿部博子(フリーライター)+ACROSS編集部

TOWER RECORDS SHIBUYA

〒150-0001
東京都渋谷区神南1-22-14
TEL:03-3496-3661
TOWER RECORDS CAFE:03-3496-3672
営業時間:10:00 - 23:00(TOWER RECORDS CAFEは23:30)



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 インフォメーション

ASIAN KUNG-FU GENERATION デビュー10周年記念展示会
開催期間:2013年4月23日(火)~5月12日(日)
開催時間:11時~21時
開催場所:タワーレコード渋谷店8F「SpaceHACHIKAI」
入場料:380円 ※小学生以下無料(年齢を証明できるものをご持参ください)
★入場時、メンバーがライブで使用しているものと同デザインのオリジナルピックをプレゼント! 


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