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渋谷パルコ40周年記念エキシビション「シブパル展。」
レポート
2013.03.19
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渋谷パルコ40周年記念エキシビション「シブパル展。」

パルコゆかりのクリエイター6組が
コラボレーション作品で競演

1980年代に井上嗣也さんが手がけたパルコの企業広告を思わせる連作ビジュアル作品。箭内道彦さんの提示した「Brother Sun, Sister Moon」というテーマを、広告ポスターという形で具体化した。
広告ポスターというフォーマットに限定し、シンプルに構成された井上嗣也さんと箭内道彦さんのコラボレーション。
1977年に山口はるみさんがパルコのサマービジュアルとして描いた作品「プール」を植原さんがドットのシールで再構築したコラボレーション作品。
同じドット上のシールを入場者が壁面に貼って完成させるという、観客参加型のインスタレーション。
アート、イラストレーション、映像などジャンルの枠を超えたクリエイションを第一線で展開してきた田名網敬一さんと伊藤桂司さんへの取材風景。本展には各メディアからも注目が集まっている。
田名網敬一さんと伊藤桂司さんの合作による大型コラージュ作品。田名網さんの40年前の作品をスキャンし、そこに2人でコラージュを加えて製作したもの。
レセプションのケータリングは「Rocket Company」が担当。スタッフのユニフォームはnusuimigui制作によるオリジナルエプロン。
公開に先駆けて開催されたレセプション風景。各ジャンルのクリエイターやメディアが集まり、注目度の高さを感じさせた。
1973年6月、渋谷公園通りにオープンした渋谷パルコは今年が40周年のメモリアルイヤー。これを記念して、パルコに縁のあるクリエイターを集めた展覧会「シブパル展。」がパルコミュージアム(渋谷パルコPART1・3F)で開催されている本展は「コラボレーション」をテーマに、広告、写真、アート、イラスト、デザインなどのジャンルで活躍するクリエーターが6組のタッグを組んで、今回限りのコラボレーション作品を制作。約80坪の会場内をそれぞれの展示ゾーンに分け、作品を展示している。

本展への参加アーティストは、広告やエンタテインメントなどでパルコと何らかの縁があるクリエイターばかりだ。パルコ創業の70年代から2013年の現在まで、パルコが渋谷から発信してきたアートやデザイン、エンタテインメントなど、ポップカルチャーの各フィールドからクリエイターたちがピックアップされている。

展示の手法は平面作品の展示からインスタレーション風の小部屋、観客参加型のアトラクション的なものまで、バラエティに富んだ内容だ。以下、6組のコラボレーションを紹介しよう。

井上嗣也 × 箭内道彦
1980年代にパルコの広告を手がけてきたアートディレクター・井上嗣也さんと、2000年代以降にパルコのキャンペーンビジュアルなどを担当している箭内道彦さんによる、世代を超えたコラボレーションが実現。「Brother Sun, Sister Moon」というテーマのもと、箭内さんの言葉をベースに井上さんが制作したグラフィック作品をポスターという形で具体化した。

山口はるみ × 植原亮輔
創世記のパルコ広告のアートワークで人気を博したイラストレーター山口はるみさんと、国内外のデザインアワードで数々の受賞暦を持つ、気鋭のアートディレクター植原亮輔(kigi)さんによるインスタレーション。1977年に山口さんがパルコのサマービジュアルとして描いた作品「プール」を、植原さんがドットシールという独自の表現手法で再構築。

蜷川実花 × チームラボ
フォトグラファー、映画監督、ミュージックビデオのディレクションなど様々なジャンルで幅広く活躍する蜷川実花さんと、ウルトラテクノロジスト集団・チームラボのコラボレーション。チームラボによるプロダクト「teamLabCamera(チームラボカメラ)」を、蜷川さんのイメージを組み合わせたオリジナルバージョンに進化させたもの。
※撮影された画像は、以下に随時掲載されていく。
 
田名網敬一 × 伊藤桂司
デザイン、イラストレーションなど平面作品から、アニメーションや実験映画まで幅広い活動を今もなお精力的に続ける田名網敬一さんと、パルコギャラリーでの個展開催やパルコの広告のアートワークなどを手掛けたアーティスト・伊藤桂司さんが合作でコラージュ作品を制作。本企画だけの最新作品となる。

大宮エリー × 浅田政志
脚本家、コピーライター、映画監督とジャンルを超えて活躍し、造形と言葉の“体験型”展覧会「思いを伝えるということ」展・「生きているということ」展をパルコで開催した大宮エリーさんが、第34回木村伊兵衛写真賞を受賞した人気写真家・浅田政志さんと「言葉と写真の十番勝負」で対戦するというインスタレーション。

みうらじゅん × リリー・フランキー
マイブームやゆるキャラブームをはじめポップカルチャーとサブカルチャーの枠を超えるジャンルレスな活動を展開するイラストレーター・みうらじゅんさんと、イラストレーター、エッセイスト、ミュージシャン、俳優など、これもまた幅広いフィールドで活躍するリリー・フランキーさん。『週刊SPA!』で2人が連載する「グラビアン魂」を素材とした展示を制作。
 
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「teamLabCamera(チームラボカメラ)」に蜷川実花さんのビジュアルイメージを組み合わせた本展オリジナルバージョン。
「teamLabCamera(チームラボカメラ)」で来場者自ら操作して作った画像作品は、ネットを通じてFacebookの特設ページに自動的にアップロードされる。 https://www.facebook.com/parcoart
「週刊SPA!」の連載企画『グラビアン魂』をベースにした、みうらじゅん&リリー・フランキーのコラボレーション展示。観客の滞留時間が長そうな展示室だ。
先攻/後攻に分かれて、大宮エリーさんが浅田政志さんの写真に文を、浅田さんが大宮さんの文に写真をそれぞれ返していく「十番勝負」という趣向。和室に上がって作品を鑑賞できる。
大宮エリーさんの体験型展覧会「思いを伝えるということ」(2012年)「生きているということ」(2013年)を思わせる空間の作り方。企画の打ち合わせ風景の動画も見ることができる。
参加クリエイターにまつわる書籍やグッズだけでも商品数は多岐に渡る。
オープニングレセプションに集まった参加クリエイターたち。左から猪子寿之さん(チームラボ)、植原亮輔さん、伊藤桂司さん、井上嗣也さん、田名網敬一さん、山口はるみさん、箭内道彦さん、浅田政志さん
 年代もジャンルもさまざまだが、本展に登場するクリエイターに共通するのは、いずれもそのフィールドが1つのジャンルの枠に収まりきれない広がりを持っているという点にある。広告が作品としても鑑賞の対象となるようになった一連の企業広告をはじめ、パルコはファッション、デザイン、アート、演劇、映画などといったジャンルの枠を越えるような新しいクリエイションのあり方を世に広めてきた企業である。本展には、そうしたパルコのあり方がそのまま現れているといえそうだ。

展示の構成では6ユニット12組それぞれの展示に十分な空間を与えている一方で、例えば渋谷発のカルチャー・ムーブメントであった90年代の「渋谷系カルチャー」周りのクリエイターや、パルコ主催のアート・コンペティション「アーバナート」で見いだされてきたアーティストたちなど、本展の中に入らなかったファクターもまだまだ多い。

しかし、40年の歴史を網羅的に辿るのではなく、また総論としてのキュレーションをかっちり構築していないという本展のあり方自体が、ある意味とてもパルコらしいと言えるだろう。クリエイティブ・ワーク全般に対してフラットに開かれた態度がパルコカルチャーの魅力を作ってきた源泉であり、ジャンルの“際”を越えるコラボレーションの面白さという“各論”に限定してみせた本展の手法も、そうした捉え方ではパルコらしいと解釈できる。

パルコでは今後も、没後30周年となる寺山修司の映像作品28本を一挙上映する映画祭「寺山修司◎映像詩展」(シネクイント)や、演劇公演『レミング—世界の涯まで連れてって—』(パルコ劇場)など、40周年を記念した企画が予定されている。

カルチャーがフラットに並列する現在だからこそ、いまや渋谷の歴史の一部となっているパルコのカルチャー・アーカイブを紐解き、現在のクリエーションと接続することで、新しい表現の芽が生まれてくるかもしれない。そうした役割はまだまだパルコに期待されているはずである。

【取材・文/本橋康治(ACROSSコントリビューティング・ライター)+『ACROSS』編集部 】


 

シブパル展。(渋谷パルコ40周年記念エキシビション)

●パルコミュージアム/渋谷パルコ パート1 3F
〒150-8377 東京都渋谷区宇田川町15-1
開場時間 10:00~21:00(入場は閉場の30分前まで)


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