アイクポッド・ギャラリー

アイクポッド・ギャラリー

レポート
2003.11.18
ファッション|FASHION

フロア中央奥に置かれた鮮やかな
オレンジ色の什器もマーク・ニューソ
ン氏の作品。
イデー在籍時(88年)に発表された
エンブリョ・チェアも、3脚展示され
ている。
3Fにはタグ・ホイヤー ギャラリー
もオープン。重厚な雰囲気のフロア
となっている。
エレベーターの扉が開くと、そこは近未来・・・?これは9月6日、エバンス渋谷4Fにオープンした、ギャラリースタイルのオンリーショップ「アイクポッド・ギャラリー」である。

「アイクポッドをはじめ、イデーやアレッシィ、フォード、カンタス航空などでも作品を発表しているインダストリアルデザイナーのマーク・ニューソン氏がプロデュースした、世界最大級のオフィシャルショップです」と、(株)エバンス企画宣伝部主任の沢村久美子さん。

今年4月、スイスで開催された世界最大の時計展示会「バーゼル・フェア」のブース同様、内装の基本モチーフはヘキサゴンである。三方の壁に規則的に開けられたヘキサゴンの窓の中に、腕時計を1品ずつ配する陳列は圧巻。約30坪のフロアには、常時70点前後が展示されている。価格は50万円台が中心。

「日本で人気が出たのはここ2〜3年です。独特なデザインのファンをはじめ、時計マニアや、全身を同じブランドでコーディネイトされるようなファッションアディクトなかたの支持も高いですね」というのは、同ブランドマネージャーの穴田一朗さん。

同社の創業は1987年。ロレックス専門の並行輸入時計店として発展してきたが、創業15年めを迎えた02年より、カルティエやブルガリ、フランク・ミュラー、パテック フィリップなど、複数の海外ブランド時計の取扱いも開始。時計専門店へと業態の拡大を図ってきた。

「実は、アイクポッドに先んじてタグ・ホイヤー ギャラリーもオープンしているんですが、どちらも正規代理店としての契約締結を機に、いわゆる直営店でもなく百貨店のコーナーショップでもない、ブランドの世界観を全面に表現した“ギャラリーショップ”として位置付けています。こういった業態は、カルチャーミックスの街、渋谷だからこそ受け入れられると思っています」(沢村さん)。

相変わらず「携帯で充分」と、時計をしない若者も少なくない。しかし、その一方で、時計をめぐるトレンドは、ロレックスやパテック フィリップ、フランク・ミュラーといったエレガントなものから、クロノグラフやダイバーズなどのスポーティなもの、建築家やプロダクトデザイナーなどが手がけるデザインものなどへとシフトしつつあるようだ。

「機能性もさることながら、デザイン性が高く、ファッション小物としての役割も果たせる。アイクポッドはちょうどそんな時計のひとつといえるでしょう」(穴田さん)。

90年代にブームだったスウォッチやGショックのようなカジュアルなものではなく、00年以降、支持層が拡大したエレガントな高級時計でもないその中間。メンズ小物のひとつ、時計の世界においても、「ハイカジュアル」、「ハイストリート」という価値観・志向性が浸透しつつあるようだ。

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