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Hakuju Hall

Hakuju Hall

レポート
カルチャー
2003.12.10
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6階のホワイエ。
代々木公園や新宿副都心を一望できる。
公演時に喫煙所として解放している
屋上のスカイテラス。
8〜9月には「Hakuju Friday」と題し
スカイテラスでのイベントも開催。
コンサートホールとしては世界で初めて
リクライニングシートを採用。
ベースはパリのバスティーユ・オペラと
同じシート。
楽屋にも電位治療器ヘルストロンを設置。
電位治療器「ヘルストロン」で知られる(株)白寿生科学研究所が02年秋、渋谷区富ヶ谷の新社屋に移転。さらに03年10月4日、同ビル7・8階にコンサートホール「白寿ホール」をオープンした。

同社は大正14年創業の老舗医療機器メーカーで、家庭用・医療用電位治療器や健康食品の製造販売を行っている。主力商品の「ヘルストロン」とは、昭和38年に日本で初めて厚生省(現厚生労働省)から医療用具として認可を受けた電位治療器の商品名。頭痛や肩こり、不眠症、慢性便秘という4つの症状への効果が認められており、累計でなんと85万台を出荷した実績があるという。

「全国に白寿プラザという販売店が約650店舗あるのですが、商品をご購入いただいた後も通ってこられるお客様がとても多いんです。そんな方々の健康も継続的にサポートしていこうと、もう何年も前から全国各地で『健康イキイキ文化講座』を開催してきました。適度な運動・ゆとりある精神・バランスの取れた食事の三位一体が必要というのが企業の健康哲学です。その一つである“ゆとりある精神”を養っていただこうと、医師による講義とクラシックを中心とした演奏という構成で行ってきましたが、おかげさまで毎回どの会場も大好評。そんな背景もあり、今回の新社屋建設にあたり、改めて、文化・メセナ活動の拠点となる場として、ホールを設けようということになったのです」と、ディレクターの内倉真紀子さん。

ホールの収容人数は300名。ソロリサイタルから小規模オーケストラまでを対象とした正式な室内楽ホールである。施工と音響設計は(株)竹中工務店が担当。デザイナーにはフランス人建築家のアルベール・アビュト氏を起用し、音の波の浮遊感を表現し、曲線を多用したデザインになっている。また、世界で初めてリクライニングシートを導入。同社主催のプログラム「リクライニング・コンサート・シリーズ」は、ヘッドレストを取り付け、最大45度のリクライニングシートで鑑賞できるようになっている。

公演プログラムは、「リクライニング・コンサートシリーズ」と「代々木の森サロン・コンサートシリーズ」の2つのシリーズが中心。「リクライニング・コンサートシリーズ」はクラシック中心のカジュアルなプログラムで、価格も1公演1,500円とリーズナブル。公演名を「ギターの日」「古楽の日」というように分かりやすく表現しているのも特徴だ。「代々木の森サロン・コンサート・シリーズ」はクラシックやジャズなど幅広いジャンルのややフォーマルなプログラム。ターゲットは20代後半〜50代の働く男女で、仕事帰りに立ち寄れるよう、平日の夜を中心に開催しているのが特徴だ。チケットは1ドリンク付きで5,500円〜だが、どちらのシリーズも、4〜5公演分をセットにしたシリーズ券(約10%〜30%割引)も発売。今のところ、リクライニング・シリーズは年10回、サロン・コンサートは年4回の開催を予定している。

「リクライニングシートの導入は、視覚的な刺激を遠ざけ、よりリラックスして一流の音楽を鑑賞して頂くための工夫です。特にメセナ活動と謳っているわけではありませんが、音楽を通して精神的な面での健康づくりのお手伝いができればと考えています」(内倉さん)。

企業メセナ協議会の2002年度メセナ実態調査では、1998年以来、減少傾向にあった企業のメセナ活動費の総額が対前年比で約21%増加の212億6000万円になったという。1社あたりの平均金額も5年ぶりに増加。その内容も、かつてのような宣伝・広告的な派手なものではなく、一見地味ながらも、身近で継続的に活動できるものへと質的に変化していることが明らかになった。医療機器メーカーによる「ココロと身体の健康」をテーマにした同ホールの活動はまさにその一例といえるだろう。どうやら、企業の「社会貢献」への意識や姿勢が、今再び注目されつつあるようだ。

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