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stylus(スタイラス)

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レポート
カルチャー
2004.02.03
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スタイリッシュな外観。
ガラス張りで女性客でも入りやすい。
面出し中心のディスプレイ。
バイヤーごとに陳列されている。
ターンテーブルは4台設置。
全ての商品が試聴できる。
機密性が高く長時間装着しても疲れにくい
ゼンハイザー社のヘッドホン。
音響機器にもこだわりが感じられる。
03年12月12日、宇田川町にレコードショップ「stylus(スタイラス)」がオープンした。場所はライトオンの隣の雑居ビルの1階。元トリンプ・インターナショナル・ジャパン(株)が運営する下着専門店「POESIE渋谷店」だった場所である。

「ここ数年、売れ筋の商品ばかりを扱う商業主義的なレコードショップが増えています。どの店も似たような品揃えでオリジナリティがなく、不満を感じていました。そこで、ジャンルや年代、メジャーやマイナーといった枠にとらわれず、自分が納得した音楽をセレクトして提供するレコードショップを作ろうと思ったんです」と語るのは、同店プロデューサーで取締役の梶野博之さん(38)。

梶野さんは、1983年に「DJ HIRO」として活動を開始し、現在も代官山AIRでレギュラーイベントをかかえるベテランのDJである。89年には日本初の12インチシングル専門レコードショップ「OMRECORDS(オームレコーズ)」を西麻布にオープン。98年には渋谷の中古レコード専門店「REAL MUSIC RECORDS」の企画・運営を手がけ、その後は「DANCE MUSIC RECORDS」や「CISCO」などのレコードショップにバイヤーとして勤務した後、03年、知人と共同で(有)スタイラスを設立。約1年の準備期間を経て今回のオープンに至った。

店舗デザインは、「ISSEY MIYAKE」や「A-POC AOYAMA」などのショップデザインを手がける空間デザイナーの吉岡徳仁氏が担当。ステンレスシルバーを基調とした約23坪の店内はスタイリッシュでクールな雰囲気だ。壁や天井などには吸音効果の高い起毛セメントを使用。これは、外からの雑音を遮断し、店内のBGMをクリアに響かせるための工夫なのだそうだ。

音響設備はすべてプロ仕様のものを導入。世界中の録音スタジオにモニターとして導入されているジェネレック社のスピーカーとゼンハイザー社のヘッドホンを採用し、さらに試聴用ターンテーブルにはDJ専用のレコード針、オルトフォン社のコンコルド・ナイトクラブを使用するというこだわりようだ。

「音響機器はもちろん、内装にもこだわりました。音楽は聴覚だけでなく、感性すべてで楽しむものですから、視覚的にも美しい空間で音楽に出会って欲しいんです」(梶野さん)。

商品数は約6,000タイトルで、新譜と中古の割合は約9:1。現在、梶野さんを含めて4名のバイヤーが商品をセレクトしており、取り扱うジャンルはハウス、ジャズ、R&B、ヒップホップ、エレクトロニカ、ダンスクラシックスとかなり幅広い。国籍やジャンルではなく、バイヤー別に商品をディスプレイしている点が同店の大きな特徴だ。レコードには丁寧なコメントとともにバイヤーの名前も明記されている。

「クラブミュージックは日々進化しています。既成のジャンルに納まりきらない新しい音楽が次々と生まれていて、ジャンルごとに分類することは難しくなっているんです。そこで当店では、各バイヤーがジャンルを越えて自由に商品をセレクトし、バイヤーごとに陳列するシステムにしました。各バイヤーの個性に魅力を感じて、リピートしてもらえれば嬉しいですね」(梶野さん)。

ここ数年、宇田川町では新しいコンセプトのレコードショップが続々と登場し、再編が進んでいる。なかでも目立つのは、試聴システムの増設をはじめ、明るく清潔感のある内装にしたり、カフェを併設したりと、メジャー的な展開を図るケース。「プロがセレクトする個性的な商品を、買いやすい環境で提供する」というコンセプトの同店も、現在の宇田川町を象徴する“開かれたレコードショップ”の一例といえるだろう。


2月1日からはWEBによる通信販売もスタート。今後は国内外への卸しやレーベルの運営、さらには海外への出店も考えているのだそうだ。

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