NUANCE

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レポート
2004.03.22
ファッション|FASHION

ロンドン在住のアメリカ人デザイナー
ヴァンピーターソンコレクション。
ミラノの名門ジュエラー「リーダー
ライン」はシンプルな服に映える
アーティスティックなデザインが
特徴。
ヴェニス生まれのセント姉妹による
ヴェネチアンガラスを用いたアクセ
サリーは、フォーマルなシーンにも
人気が高い。
NY在住の台湾人デザイナー、Ching-yao
chenの作品は自然物がテーマ。
グリット式の什器はすべて移動可能。
1ヵ月に1回はレイアウトやカラーなど
を変えている。

「コンセプトは、“自分で買えるジュエリー”です」というのは、世界各国のジュエリーデザイナーのコレクションを集めたセレクトショップ『NUANCE』の店長兼バイヤーの安田さおりさん。

同店は03年4月に表参道から少し入ったところにオープン。運営するのは着物で有名な(株)さが美である。

「弊社は10年ほど前よりジュエリー事業を行ってきましたが、どちらかというと、コンサバティブなイメージのものが多く、もっと大人の女性をターゲットにしたデザイン性の高いコスチューム・ジュエリーのマーケットに進出したいというのが、ずっと命題になっていたんです。1年ほどかけて試行錯誤をした結果、ようやく実現しました」(安田さん)。

コンセプトはStylish、Creativity、Artical、Simple、Intelligence、Practicalの6つ。ジュエリー業界に精通し、数々の著名ブランドを手がけたJet Set Buyers Units “Sa O Ri”に商品のプロデュースを依頼、世界中から実力派新世代クリエイターを発掘することにこだわったのだそうだ。

同店が現在取扱っているのはVan Petersonをはじめ、SENT、Ching-Yao Chenなど計11名。価格は2万円前後から28万円と幅広い。

「ターゲットは20代後半から30代以上の働く大人の女性です。ここ数年、一部を除き、ハイエンド・ジュエリーブランドがカジュアルになっており、逆にカジュアルなアクセサリーはアーティスト系へとグレードがアップ。貴石か半貴石かというのはさておき、その境界線が曖昧になってきています。また、最近は海外旅行や出張などの経験が豊富な方が増え、お客様の方が情報に詳しいことも少なくありません。そんな目の越えた方々にも満足してもらえるものを探しました」(安田さん)。

ショップ全体のプロデュースはクリエイター集団のOrphic Wonder Lavel (O.W.L.)が担当。旗艦店となる同店は、ミラノ・サローネ展での活躍が有名なアーキテクト集団「トネリコ」の米谷ひろし氏とのコラボレートにより、「変幻自在」というショップのテーマを全ての什器グリットが移動可能な壁面「The Wall」というひとつのアートワークとして具現化されている。

「最初は自分たちが欲しいジュエリーがない!というのがきっかけだったんです。ペアで身に付けるようなものではなく、かといってハイエンドなブランドものでもない。もちろんゴールドの含有量によりグラムいくら、というようなものでもない。洋服の選び方がそうであるように、ジュエリー選びもほどよくトレンドを取り入れた自分らしさを演出するものだと思うんです。“ニュアンスらしさは自分らしさ”ですね(笑)」(安田さん)。

ここ数年、セレクトショップの成熟化とともに、人々の感心が服よりも小物へと変化している。ジャマン・ピエッシュやアニヤ・ハインドマーチ、Jas. M.B.、 Me & Ro やセルジュ・トラヴァルなど、デザイナーのクリエーションが際立った“スタア・ブランド”もかなり増え、“わたしのお気に入りブランド”を見つけるような消費マインドが高まっている。

その対象は、最初はバッグ。次いでコスチュームジュエリーときて、今春はどうやら靴へと移っているようだ。

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