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KAMISHIMA CHINAMI

KAMISHIMA CHINAMI

レポート
ファッション
2004.04.22
この記事のカテゴリー |  ファッション | 

今シーズンのテーマは「FLYING BODY」。
多用されるフリルは女性らしさと躍動感を
表現している
右が(株)田口製作所との“恊働”により
生まれたスペシャルサウンドモデル
壁天井には吸湿性と脱臭性に優れた
珪藻土を使用。空気の浄化を促す
時間をかけて質感が変化する木は、
緩やかな時間の流れの象徴でもある
札幌発のブランド、KAMISHIMA CHINAMIの旗艦店となる初のショップが、1月31日オープンした。

場所は表参道から一本入った裏通り。イギリス風のアンティークなカフェバーであった物件を改築したもので、1階がショップ、2階がショールーム兼フリースペースとなっている。展開するのは、染色加工も手掛ける縫製工場として20年のキャリアを持つ、北海道札幌市の(株)ティスリー。探し求めて行きつくような静かな場所に、というデザイナーの想いから、あえて商業的なメインストリートを避けての出店となった。

デザイナーのカミシマチナミさんは北海道生まれ。89年エスモード・ジャポン卒業、大手アパレルメーカーにデザイナーとして勤務した後、95年の欧州・アジア放浪を経て98年に同ブランドを設立。パリ・ミラノなど海外の展示会に出展し、02年より東京コレクションに参加している。また、03年秋冬からは伊勢丹の解放区にも入った。

同ブランドの特徴は、札幌の工房で“実験”を繰り返して生み出されるカラーコレクションと、繊細なディティールの中に併せ持つ女性ならではの力強さ、そして、素材が持つ温もりを大切にしたクリエイションである。例えばカットソーひとつ取ってみても、綿の肌触りの良さとアンゴラの柔らかさをミックスしたオリジナルの素材を使用し、一点一点手作業で染めを行うというこだわりようだ。中心価格帯は2〜3万円程度。

「ターゲットは特に定めていません。実際にお店にいらっしゃるのは20代後半〜40代の方が多いようです」と言うのは同ブランドマネージャーの沼田光重さん。

同店の内装を手掛けたのは、熊工房を主催する建築家、鶴田伸介さん。素材を大切にする感覚や、ものづくりに対する姿勢にお互いが共鳴し、プロジェクトがスタートしたのだそうだ。ショップテーマは「普遍の場」。“長い時間がたっても色褪せないこと”というコンセプトのもとで設計された空間は、天井の、木と光が織り成すアーチが鏡の中へと続き、どこか幻想的で、永遠に続く時間を連想させる。また、日本を代表する音響システムメーカー(株)田口製作所の代表、田口和典さんとの出会いから、ショップオリジナルのサウンドシステムも“恊働”で開発。原音再生を独自の理論と技術で追求し続けてきた同社ならではのモデルに仕上がっている。

3者に共通するのはものづくりに対する探究心と、クリエイターとしての揺るぎない自信だろう。

今回旗艦店を東京にオープンしたが、カミシマさんの活動の拠点は引き続き札幌だという。
「必ずしも北海道に執着しているわけではありません。逆に服を作るために何処にいなければならないという考えがないんです。しかし、札幌にいてこその価値観や空気感は、自然と作品に反映されていると思います」(沼田さん)。

クリエイションの根底にあるのはチャレンジ精神。洋服が持つ夢やおもしろさ、感動を常に提供できるよう挑戦し続けたいという、カミシマさんを始めとする同社の新たなチャレンジが、ここにスタートしたといえるだろう。

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