DAY ONE(デイワン)

DAY ONE(デイワン)

レポート
2004.06.14
ファッション|FASHION

壁一面を贅沢に使って設置された
大きなソファー。
モカシンブーツのアッパーとスニーカー
ソールを融合したBIRCH(1万6,800円)。
インナーにヒッコリーデニムを使ったり、
靴ひも穴にオリジナルの6角ハトメを
使うなど、細部にまでこだわって作られ
ている。
ロゴのモノグラムに、リザードの型押しが
施されたTAS MANIA(1万6,8000)。
この3色はLAのスニーカーショップ
UNDEFEATEDの別注カラー。
ベーシックなフォルムのFORMS HI
(1万5,750)。
5月1日、ファイヤー通りに「DAY ONE(デイワン)」がオープンした。同店はシューズブランドTAS(タス)のディレクター8M(アトム)氏がプロデュースを手がけるシューズ・セレクトショップである。

TASは、01年11月にスタートした日本のシューズブランド。テキスタイルなどのディテールにこだわった靴は、国内ディーラーの他、LAやロンドンでも人気だ。

「執拗なコラボレイトや別注など、その展開の真意がわからないままプレミア感や他人と違うモデルを履くだけの優越感で商品が先走ってしまう日本独特の靴 の売り方には疑問を感じていました。また、ついこの間まで“いいもの”として店内にディスプレイされていたものが、あっという間に安売りされていたりする光景を近年よく見かけます。東京が世界最大のシューズマーケットであるという今の現状も手伝っているのか、シューズの展開数が加速の一途をたどる中で、いい靴とは何かという価値基準が混迷してしまっているような気がします」とプレス北島さん。

約13坪の店内は木を基調としたシンプルな内装だ。店に入ると、まず目に付くのが、壁一面を使って贅沢に設置された大きなソファー。これは必ず試着して履き心地を確かめてもらうための配慮から。店頭に並ぶ商品数はカラーバリエを入れて現在約40モデルと少なめだが、これもまた、それぞれの靴とじっくり向かい合い、特徴を理解してもらうための工夫なのだそうだ。現在、都内でTASのシューズが買えるのは同店のみ。今後は、8M氏がセレクトしたスポーツブランドやスケートブランドのシューズ、革靴などジャンルレスなアイテムを展開予定だ。

場所はファイヤー通り、電力館の向かい。原宿・明治通りと渋谷をつなぐエリアである。すぐ近くにはクラークスやSHOE BAR、ABCMART、チャプター、nuovo、アラウンド・ザ・シューズなど、シューズのショップが林立するエリアである。

「スタイルや年齢に関係なく、幅広い層のお客さんが集まれるお店にしたいですね。セレクトの基準は何といっても履き心地の良さ。靴が体に与える影響は非常に大きい訳ですから、いくらデザインが優れていても、機能性が伴わなければ意味がないですよね。氾濫したシューズマーケットの後遺症で、いまだシューズ選びの目線が狭く偏っているように感じます。本当にいいと思える靴を幅広い価値観で選んでもらえるよう、この場所に出店しました」(北島さん)。

ちなみに店名の「DAYONE」とは、英語で「1日の初まり」といったニュアンスを持つ言葉。靴を履くことから一日を始め、トレンドや情報に流されず、本当に自分が欲しいと思うシューズを見極めて欲しいという願いが込められているのだそうだ。

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