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ADCT(アイデクト)

ADCT(アイデクト)

レポート
ファッション
2004.07.28
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カフェをイメージしてつくられた1F。
向かって左手奥に見えるのが工房。
工房には職人(技術者)が常駐して
いる。作業工程は店舗内外からガラ
ス越しに見学できる。
チェーンが切れてしまったパールネッ
クレスのリペア例。1連で3,800円から。
店内各所にリペア例やリフォーム例が
ディスプレイされている。
1Fに比べるとシックなつくりの2F。
ライブラリースペースが設けられて
おり、ジュエリーに関する書籍やサ
ンプルなど、リフォームに関する参
考資料が集められている。
「当初は、リサイクルやリフォーム、リメイクといった“R事業”を企画していたんです。対象はバッグや靴。しかし、弊社が独自のリサーチを行った結果、“昔買ったジュエリーを直したいけどどうすればいいのかわからない”という声が意外に多いことがわかりました。そこで、リペアやリフォームすることによって眠っているジュエリーを甦らせるお手伝いを始めることになったんです」というのは、5月13日にオープンしたジュエリーのリペアとリフォームの専門店『ADCT(アイデクト)』の運営元である(株)エムアウト、アイデクト事業部の事業部長笹岡真さん。

同社の代表取締役の田口弘さんは、機械工業系部品の総合商社(株)ミスミの創業者のひとり。同社は“購買代理店”“マーケットアウト”“オープンポリシー”などユニークな経営概念や新規事業を打ち出したことでも知られている。田口さんは02年6月に(株)ミスミの相談役に就任しているが、同年10月には、自身の理念をさらに広めるため、“マーケットアウト”に由来する社名を冠した(株)エムアウトを設立。03年8月より絵画事業としてネット上のギャラリー『@ギャラリーTAGBOAT』を、04年春よりカウンセリングサービス『FLETTE』など次々と新規事業を立ち上げており、『ADCT』はその3番目となる。

「ADCTのメインターゲットは20〜30代。ファッションに関心があり、一度は自分でジュエリーを買ったことがある女性。出店地として銀座や渋谷も候補にあがりましたが、やはりコンサバ過ぎず、カジュアル過ぎないおしゃれな大人の女性が多いここ青山に落ち着きました」(笹岡さん)。

場所は、246沿いにある「スパイラル」の渋谷側の路地を入ったところで、飲食店も多く、骨董通りへの抜け道ということあってか常に人が行き交うエリアである。カフェやレストラン、和食屋、弁当屋などと軒を並べる同店は、白いタイルに囲まれた入口やガラス貼りの窓から見える工房の機具などから、一見歯科関係のエステサロン?に見えなくもない。

「1階はシアトル系カフェのようなイメージで、お店の前を通るかたに気軽に入っていただけるようにしました。2階はギャラリーのような落ち着いた雰囲気にし、リペアやリフォームについてアドバイザーと相談していただけるスペースとなっています」(笹岡さん)。

同店で行っているのは大きく分けると「リペア」と「リボーン」、「リデザイン」の3種類。リペアは、新品仕上げやサイズが合わなくなった指輪のサイズ調整、切れたチェーンの修復を行うもので、リボーンとリデザインはいわゆるリフォームのこと。たとえば、リボーンは、立て爪のダイヤのリングを埋め込みのリング枠に付け替えたり、イヤリングをペンダントトップに変更することなどを指す。リデザインとは、クロスペンダントをYラインネックレスとピアスにつくり変えるなど、付け足す・切る・変形させるといった加工を施したうえで全く形態の異なるものに仕立て直すことを指すのだそうだ。現在登録しているデザイナーや職人(技術者)は十数名ほどだが、さらに増やしていく予定だという。

「これまでのジュエリーのリフォームは、価格や時間がどのくらいかかるかわからないといった不安要素が多かったんです。そんな不安を少しでも軽減するために併設の工房に職人を常駐させており、即日仕上げにも対応しています。また、HPでは具体例を何パターンか掲載し価格を表示。これは弊社の理念“オープンポリシー”にも通じることでもあります」(笹岡さん)。

百貨店やセレクトショップが、老舗ブランド以外のジュエリーデザイナーの作品としてのジュエリー・アクセサリーを取扱うようになって久しいが、さらに異業種からの参入も相次ぎ、オンリーショップやジュエリー専門のセレクトショップも登場するなど、ジュエリー・アクセサリーのマーケットが拡大の一途を辿っているのは周知の事実だろう。

しかし、商品や購入場所などの選択肢が増えているわりには、それらを修理したりリメイクしたりするところがないのが現状。もちろん購入した場所に持っていってもいいのだが、時間がたっていたり、1点ものであったり、加工技術に不安があったりなど、洋服や靴などの修理とは違うハードルがいくつもあったのである。

「“ジュエリーの『ミスターミニット』”のようなイメージでの展開も考えています」(笹岡さん)と言うように、今後は路面店のみならず駅構内や商業施設内などへの比較的小規模な店舗での展開も検討中。また、HP上からの問い合わせや注文に応じていく体制を強化していくそうだ。

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