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HABERDASHERY(ハバダッシュリー)

HABERDASHERY(ハバダッシュリー)

レポート
ファッション
2005.01.08
この記事のカテゴリー |  ファッション | 

ウィム・ニールスをはじめ、国内外の
上質な普通服が揃う。
洋服・靴だけでなく、フランスで見
つけたアンティークのコーヒーカッ
プやイギリスの文房具などまさに
「洋品店」そのもの。
約3分の1を占める「仕立て部屋」。
実際にパターンオーダーができる。
店内は上質なお仕立て服がたくさん。
なかでも「Braque」は注目のブランド。
国内外のデザイナーズアクセサリーも
ゴールドやシルバー、天然石を用いて
いて上質&シンプル。
「普通のことがやりたかっただけなんです。今の日本にはフツーなものがないですからね」。

04年9月にオープンしたレディスとメンズのウエアや小物を扱うショップ「HABERDASHERY(ハバダッシュリー)」を経営する株式会社ルークス スタジオサンパティックの代表取締役社長高橋乾三さんは言う。

場所は、渋谷と表参道を繋ぐキャットストリートの1本裏手。このところ個性的なショップの出店が相次ぐ「さらにウラ」のエリアである。

「店名はアメリカの古い言葉で「洋品店」の意味です。友人でもあるWIM NEELS(ウィム・ニールス)本人が付けてくれました」(高橋さん)。

取扱うブランドは、ベルギーのメンズ&レディスウエア「VETEMENTS WIM NEELS(ヴェットモン・ウィム・ニールス)」や「TAILLE(タイユ)」を中心に、フランス在住の日本人デザイナー松下貴宏氏の「Braque(ブラック)」、スコットランドの「BECA LIPSCOMBE」、イタリアのレディスシューズの「DUCCIO DEL DUCA(デュッチオ・デル・デッカ)」、イギリスのレディスシューズ「ADELE CLARKE(アデオ・クラーク)」、イタリアのメンズシューズ「ENZO BONAFE(エンツォボナフェ)」、アメリカのメンズ&レディスバッグの「JUTTA NEUMANN(ユッタ・ニューマン)」、フランスのレディスバッグ「MOSSE」など、いわゆる「通好み」のものばかり。けっしてトレンド感溢れるウエアやコンセプチュアルなアート的ウエアは無く、一見普通の服ばかりだ。

「僕がウィム・ニールスというデザイナーの存在を知ったのは、今から約10年以上も前のことになります。UAの栗野さんが、UKのカルチャーマガジン『i-d』に紹介されていた彼の2ndコレクションに使われたインビテーションカードのアートワークがかっこいいと雑誌の『POPEYE』で語っていたんです。それは、ポスター状の大きなもので、仕立てのよいダブルのジャケットが1着掛かっているだけのシンプルな写真なんですが、すごく惹かれましたね」(高橋さん)。

その後、ウィム本人と知り合ったのは96年。たまたまイタリアのエージェントとの契約が切れるタイミングとマッチし、だったら自分が日本の市場への橋渡しをしようと独立。既に97年から立ち上げていたSHOWROOMで取り扱うことになったのだという。

「事業を始めてから約8年、卸し先であるセレクトショップの多くが企業化され、「オオバコ」化してしまったことで、ウィムをはじめとする商品が消費者の目に触れる機会は増えたのかもしれませんが、ひとが服を着る意味やそれぞれの服のもつ世界観は見せにくくなっていることに気づいたんです。そこで、もっと彼らの世界観を表現できる場の必要性を感じて、またその場を通じて洋服って僕らにとって何だろうと問いかけることができればとお店をオープンしたわけです」(高橋さん)。

自然光を生かし、明るい木とLINEN色という名の白が基調の内装に、アンティークのテーブルや椅子、什器、ランプなど、欧米の田舎に佇む小さな用品店といった雰囲気だ。さらに、約30坪の店内の奥の約3分の1をお仕立ての作業スペースとし、「Vick tailor」の近藤卓也さんが訪れ、Braqueのパターンオーダーやお直しなどにも対応している。

「服は人間の手仕事によって成り立っていることを見せたかっただけです」。お仕立て部屋はその象徴だが、洋品店としては決して特別なことではなく普通のことだと高橋さんは強調する。

「うちで買っていただいた服は、襟が擦り切れるほど長く着てもらいたいですね。その人のワードローブの中でのビンテージになるような服を提供していけたらと思っています」(高橋さん)。

現在、レディスとメンズの割合は6:4でややレディスが多いそうだが、ビスポークのオーダーは今のところ男性ばかりだとか。どうしてもトレンド先行になりがちなレディスウエアのマーケット。ましてやそのトレンドが「ギャルテイスト」にある今、上質でベーシックな服を好む成熟したマーケットが顕在化する日は近いだろう。


取材・文:『ACROSS』編集部

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