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flower&guitar(花とギター)

flower&guitar(花とギター)

レポート
ファッション
2005.03.28
この記事のカテゴリー |  ファッション | 

ミヤザキさんが手描きでデザインした
プリントものの商品や、全体の3割程度の
メンズラインまで揃う充実したラインナップ。
温かみある内装に、柔らかい光が差し込む
店内。アコースティックな音楽が心地よく
響き、ゆったりとした時間が流れる。
オリジナルリメイクジーンズ(19,800円)
は遊び心ある刺繍がふんだんに施された
大人のデザインデニムに仕上がっている。
小物雑貨ブランド「ethica」ではアクセサリー
はもちろん靴やサンダル、バッグ、財布まで
幅広く展開。
洋服とはひと味違うハードさを兼ね備える
「p.b.d」ブラックレーベルのシルバー
アクセサリー。小物にこだわりの強い男性
にも魅力的な一品だ。
アパレルブランド「HANA TO GUITAR(花とギター)」の初の直営店が2004年11月末、渋谷1丁目にオープンした。同ブランドは2002年より伊勢丹解放区を始め、ユナイテッドアローズ、Lamp harajuku(ランプ・ハラジュク)など国内外のセレクトショップで展開してきた人気ブランドで、ミヤザキカズヒロさん(36)がデザインを手がけている。

ショップ名は「flower & guitar」。他にも、靴や小物雑貨の「ethica」や、BARNEYS NEW YORKでも扱われるアクセサリー「p.b.d(phenomenon beyond description)」など、ミヤザキさんが手がける全てのブランドが揃う。

18坪の店内は、60年〜70年のアメリカを思わせるポスターやヴィンテージスピーカーなどのアンティーク什器がしっくりと馴染む、心地よいノスタルジックな空間だ。
リーバイス501の古着のジーンズに、ビートルズの楽譜や歌詞、蓄音器などの細かい刺繍を施したオリジナルリメイクジーンズなど、イノセントで温かみのあるヒッピーやボヘミアンテイスト、ハンドメイド感溢れる女の子らしいロマンティックな世界観が広がる。

「物心がついた頃の60〜70年代の空気感や10代のアメカジの影響はもちろん、80年代〜現在までのミクスチャーな感覚がブランドに映し出されていると思います」(ミヤザキさん)。

場所は明治通りと青山通りの間に位置する渋谷1丁目。アパレルやインテリアショップも見受けられるものの、次々と新しい店舗が軒を連ねる場所ではなく、オフィスビルや施設が多い閑静なエリア。それでも以前からのファンに加え、口コミや雑誌などを通じて訪れるお客さんは後を絶たない。

「僕が10代の頃はアメカジ全盛期。当時“かっこいい場所”として買い物に通った原宿や渋谷、青山に出店したいと漠然と考えていたんですが、原宿でも青山でも、渋谷でもないというグレーなこのエリアに魅かれました。もともと、どこにも属さないファジーで曖昧な感覚が好きなんですよね」(ミヤザキさん)。

また、ブラックとオレンジの2つのレーベルからなる「p.b.d」はアメリカのコインを使用したアクセサリーブランド。ブラックレーベルでは1964年以前のシルバー含有率約90%のコインのみを使用。コインの質感や刻印を残しながら、茸型のペンダントトップやブレスレットに仕立てている。全て丹念なハンドメイド作業で、組み込むダイヤや石を変えるといったセミオーダーにも対応可能だ。価格は約2〜3万円台のものが中心だが、コインの使用量により中には15万円ほどするものも。それに対して現在のアメリカ紙幣やコインを使用するオレンジレーベルでは、リーズナブルな1万円前後のものが中心。ラインストーンの装飾やカラフルな塗装が特徴で、女の子が取り入れやすいポップな仕上がりとなっている。

「ブランドのイメージはそれぞれの解釈に任せます。僕自身の世界観や想いは押し付けたくはないし、誰が作ったのかは重要ではありません。大事な人にもらったものだとか、それにまつわる背景を大事にしたいんです。HANA TO GUITARは、自由で捕らわれることなく、勢いと、儚くかよわい部分が同居している女の子を僕なりに解釈して作っているもの。子供じゃないけど大人でもない曖昧さを、妬ましく思いながらも憧れる、そんなパラドックスを楽しみたいんです」(ミヤザキさん)。

客層は、10代〜40代までと幅広い。ブランドの持ち味である少女的な儚さは、年代を問わず女性が共通して持つ一部分でもある。どの世代の少女性もくすぐることができる、エイジレスで時代に左右されない同ブランドは、世代を超えて受け入れられているといえるだろう。

「ブランドはその世界の絵本を作っているようなものです。今後はそれぞれのブランドをしっかりと確立し、展開を広げていきたいと思っています」(ミヤザキさん)。



取材・文/増田わか奈+『ACROSS』編集部

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