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TOKYO WONDER SITE SHIBUYA

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レポート
カルチャー
2005.10.01
この記事のカテゴリー |  カルチャー |   行政 | 

「消費」だけではなかった渋谷の街の復権をめざし始動した、
TOKYO WONDER SITE SHIBUYA
TOKYO WONDER SITE SHIBUYAは、
渋谷パルコの交差点の渋谷区立
勤労福祉会館の1F奥にある。
館長であり東京都の参与(文化担当)
も務める建築家、今村有策氏
「街づくりには“集約”と“拡散”が必要です」と言うのは、以前ここで紹介した「アート・和・カフェ」Kurage(くらげ)の運営母体である、東京都の芸術活動支援事業「トーキョーワンダーサイト」(以下TWS)の館長であり東京都の参与(文化担当)を務める今村有策氏。

「渋谷という街は、消費という形で拡散する場所は多いけれど、新しいものを生み出すための集約する空間が少ない。人がそこで暮らし、創作し、発信することが日常生活の一部となるような場をつくりたかったんです」(今村館長)。

そもそもTWSとは、バブルの崩壊後に公共事業の見直しを迫られた石原慎太郎都知事が、東京都保有の老朽化した施設を有効活用する方法を模索するなか起案されたプランのひとつである。学生とアート活動に携わる人たちのための場であり、街の一部としても機能しているロンドンの美術学校をモデルに、若者たちのアート活動を支援する場の提供と運営を石原都知事に提案したところ、「それは面白い!」と即採用。実際にそれらを具現化することのできる施主兼コーディネータとして、企画の発案者であり、磯崎新氏に師事した建築家の今村さんに白羽の矢が当たったというわけだ。

2001年、年間わずか500万円という予算で文京区本郷にてスタートしたTWSの活動だが、場所がらやはり集客力が弱く、「空きスペースの有効活用に留まらず、新しいカルチャーを育てるための場を設けよう」と、新たな方向性を模索。たまたま、渋谷のど真ん中に位置する勤労福祉会館の空きスペースの活用法というテーマと相まって、2005年7月22日、「トーキョーワンダーサイト SHIBUYA」を開設することになったのだそうだ。

場所は渋谷・公園通りのパルコ前に位置する勤労福祉会館の入り口を入った通路の奥、とちょっと分かりにくい。が、突如包まれる真っ白な空間は、左手に2Fの床の一部をぶち抜き螺旋階段で繋げたロフト風のスペース、右手に天井の高い広いギャラリースペース。さらに2つの小さな空間が隣接しており、ちょっとした展示スペースとしても活用できるよう、ライティング等の工夫がされている。

「TWSは、作品発表の場を提供すること、海外との交流ができるプラットフォームを目指すこと、現代アートを商品として売買ができる場所にすること、この3つの実現を目指しています」と今村館長は話す。

ジャンジャンや西武劇場(現パルコ劇場)、RISE、パルコギャラリー、アップリンク等、かつて渋谷はメインカルチャーに対してカウンターカルチャーを発信する象徴的な街だったが、地価の高騰やマーケットの拡散等により、そのメッセージ性が失われつつあるのは事実だろう。「消費」だけではなかった渋谷の街の復権には、今の時代、やはり民ではなく官の力が必要なのかもしれない。

「建築も街づくりも人が暮らし、出会う場を作るという意味で考え方は同じです。アート・ムーブメントを通して、人と人とのネットワークが繋がり、いろんなモノや情報がどんどん転がっていくような街づくりを目指したいと思っています」(今村館長)。


取材・撮影・文/古屋荘太(フリーライター)+『WEBアクロス』編集室






トーキョーワンダーサイト SHIBUYA
住所:東京都渋谷区神南1-19-8
TEL/FAX 03-5689-5331/03-5689-7501
開館時間:11:00〜19:00 (月曜休館日、祝日の場合は翌日)
http://www.tokyo-ws.org/

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