Aquvii(アクビ)

Aquvii(アクビ)

レポート
2005.10.26
ライフスタイル|LIFESTYLE

「ギフト」をテーマにした雑貨店が代官山に誕生

写真左からオレンジのサングラス(¥10,290)
赤のサングラス(¥1,575)
白のサングラス(¥9,240)
写真左奥から馬のぬいぐるみ(¥6,090)
りんごの胡椒引き(¥6,090)
りんごの栓抜き(¥2,940)
プラスチック栓抜き(各¥525)
本物のカメラとりんごから型を取った
小物入れは石膏職人であるオーナーの
お父さんの作品。
りんご(¥5,040)、カメラ(¥6,090)
すべて手作りのレディースウェアブランド
GIVAGO(ジバゴ)。洋服のほか、靴下や
タイツ、下着、帽子などの小物も充実。
オーナーの川辺恭三さん(28)。
バンドmuletrainではサックスとボーカル
を担当。
7月20日、代官山にギフトをテーマにした雑貨屋「Aquvii(アクビ)」がオープンした。

「業態はギフトショップ。誰かへのプレゼントはもちろん、自分へのプレゼントも探して欲しいですね」と語るのは、オーナーの川辺恭造さん(28)。

川辺さんは、学生時代から雑貨屋や古道具屋でアルバイトし、大学卒業後は中目黒のセレクトショップ「NIVI(ニヴィ)」(現GOOD TIME STORE)に勤務。店長兼プレスとして3年間勤めた後、独立。念願だった雑貨屋をオープンした。

「小さい頃からおもちゃが大好きで、記念日にプレゼントをもらえるのがすごく嬉しかったんです。学生時代も、友達の誕生日には欠かさずプレゼントを贈ってましたね。プレゼントをもらった喜びや、誰かにあげた時の笑顔が忘れられなくて、ギフトショップをやりたいと思うようになりました」(川辺さん)。

パリのアトリエをイメージしたという店内は、白を基調としたシンプルな内装で統一。約10坪の店内にはアンティークの食器や、ヴィンテージのアクセサリーなどがあるかと思えば、チープなおもちゃがあったり、ハエ叩きやタオル、ラジオなどの生活雑貨があったりと、幅広いジャンルの商品が並ぶ。商品はハンガリーやチェコを中心に、ニューヨーク、パリなど世界各国から買い付けてきたものが中心で、いずれもオーナー自らが、世界中を旅をしながら買い集めたのだそうだ。また、オリジナルブランドの「Aquvii」も展開するほか、国内のジュエリーブランド「jujutree(ジュジュツリー)」や「110(ワンワンオー)」、ハンドメイドのレディスウェアブランド「GIVAGO(ジバゴ)」などの新品商品も取り扱っている。

「最近はセレクトショップで雑貨を扱っているケースも多いですが、ギフトショーのような見本市での買い付けが主流なので、どこも似たような品揃えなんです。みんなこぎれいでオシャレだけど、見たことがある商品ばかりでつまらない。細々したなかから自分のお気に入りを探し出すような、おもしろい雑貨屋がなくなって残念に感じていたんです。だから、この店は純粋に自分が買いたいと思う商品を集めました。一点ものや面白いもの、人にあっと言われるものを集めた店にしたかったんです」(川辺さん)。

ターゲットは20代後半〜30代前半の男女。自分と感覚が近い人に喜んでもらえればいいと言う川辺さん。

「今後は、まだ日本に入ってきていない海外のアーティストの作品もどんどん紹介していくつもりです。マイペースにやりながらも、この店を通して世界中のアーティストやギャラリーと繋がっていけたら嬉しいですね」(川辺さん)。

もともと個人オーナーのショップが数多く点在することで、個性的でおしゃれな若者が集まる街として認知されていた代官山。しかし2000年8月に「代官山アドレス」が、さらに同年12に「ラ・フェンテ代官山」が開業して以来、駅周辺や大通りに大手企業のショップが相次いで出店。代官山バブルともいえる現象が起きたのは記憶に新しい。

今年夏に開業5年を迎えた「代官山アドレス」だが、数年前よりテナントが相次いで退店。現在地下1Fは事実上機能していない状態にある(先日、タベルト跡にはピーコックの出店が決まったが)。また、八幡山通りでは、「管理地」の看板の土地や、テナント募集の看板が目につくようになり、レストランやアパレルのショップが退店した跡のテナントビルがマンションのショールームになるなど、「代官山のオモテ」は、かつてのオシャレな若者が集うファッションの街、というイメージが陰りつつある。

そんななか、同店がある場所は、東急東横線代官山駅を降りて踏切を恵比寿西側に渡ったウラのウラ。あの人気古本屋の「ユトレヒト」(中目黒に移転)があった場所のごく近くである。川辺さんはもともと土地勘のあった恵比寿や代官山、中目黒を中心に物件を探したそうだが、代官山や恵比寿の駅前の雑踏から離れたこのエリアに決めた理由は、「小規模なショップがぽつぽつと点在するのんびりした雰囲気」が気に入ったからだとか。

たしかに、この「ウラのウラの代官山エリア」では、1年ほど前から古い住宅やマンションの1Fに設けられた小さい事務所や店舗のテナントの入れ替わりが目立つ。新築マンションが相次いで登場する一方、老朽化する家屋やビルの建て替えを控え、再び家賃が安くなっている物件もあるようで、代官山バブル後の動きがますます注目される。

ちなみに同店の店名「Aquvii(アクビ)」は、あくびのように人から人へと笑顔が伝染するように、という思いを込めて名付けたのだそうだ。

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