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「SPICY VALENTINE−スパイスのない人生なんて−」

「SPICY VALENTINE−スパイスのない人生なんて−」

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2006.02.21
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トレンドからムーブメントへ。
「ポスト・LOHAS」なバレンタイン・イベント開催。

手作り溢れるエントランス。
ティーンズから50代までと幅広い
客層でずっと満員状態。
オーガニックの材料でオーガニックに
つくられたプレートは夜には完売。
スタッフはみんな本業を別に持つ
「アミーゴ」たち。
ジョニー・デップ宛の手紙!
現在、スローウォーターカフェの
HPのトップページに掲載中。
2006年2月11日(日)11:00〜22:30、青山のレンタルカフェ「コラボカフェ」にてスローライフをテーマに、カカオとスパイスの出会いを祝うイベント「SPICY VALENTINE−スパイスのない人生なんて−」が開催された。

主催は、以前弊サイトの人物インタビュー「Who's who」(<過去の記事>)でも取り上げた藤岡亜美さんが代表を務める、有機コーヒーの焙煎と雑貨等の輸入販売卸業務を行うスローウォーターカフェ有限会社である。

「エクアドルの村で偶然出逢った有機チョコレートがものすごく美味しくて、日本に持ち帰ったら非常に好評だったことと、映画『ショコラ』を観て、とうがらし入りのチョコレートをつくろうって閃いたんです。現地の人と協力してはっとするほど美味しくかわいいものができたので、たくさんの人に知ってもらおうと、バレンタインのイベントを企画することを思いつきました」と言うのは代表の藤岡亜美さん。

コンセプトは、「Cacao + Spice = Love」。南米エクアドルの高地、サリナス村近郊の村々で取れたカカオととうがらしでつくった「アヒ・チョコレート(アヒはスペイン語でトウガラシの意味)」を主役に、愛知の「有機菜EN」の有機野菜を使った根菜のネパールカレーやプレート、大田区の天然酵母のパン屋「ポルカドット」に特別注文したカカオのパン、また、ドリンクもオーガニックワインやカカオとトウガラシを組み合わせたホットチョコレートなど、すべてオーガニックなもので埋めつくされた1日限りのカフェは、入れ替わり、立ち替わり、おおぜいの人で賑わった。

「単にモノを売るだけではなく、モノの背景にある人や文化、ストーリーに触れて、楽しめる場をつくりたかったんです。同じ興味を持った人同士が出会える機会になれば、とも思いました」(藤岡さん)。

オープンは朝11時。映画「ショコラ」の上映にはじまり、カフェのメニューに使われた野菜を生産した愛知県の「有機菜EN」の正木早苗さんによる“農のある暮らし”の話、緑の医学を提唱する自由が丘の「グリーンフラスコ」店長八林素子さんによる植物療法の話など、チョコレートとスパイス、フェアトレードに関連したワークショップも開催。お茶をしに来た若いカップルもいれば、トークショーに訪れた女性、通りがかったご夫婦など、客層もいろいろだ。

「アヒ・チョコレート」をくるんでいる赤、オレンジ、黄色、緑と色鮮やかなトウガラシの形のニットは、エクアドル・サリナス村の生産者組合の女性たちが編んだもので、実は、今年、有楽町阪急のバレンタインコーナーでも取り扱われ、欧米の高級チョコレートと並び大人気だったとか。

「おかげさまで大好評。このニット入りのアヒ・チョコは今年全部で1000個つくったんですが、あっという間に在庫がなくなってしまいました。追加発注を頼まれたんですが、現地では1000個でもたいへんだったので、これ以上は無理なんです。持続可能なやり方で販売するバランスを誤ると、フェアトレードの意味がなくなってしまうので、今後も生産数を急激に増やすことは考えていません」(藤岡さん)。

また、商品の運搬から陳列、内装、そしてキッチン、ホールなど、スタッフは全部で12名ほど。ふだんはそれぞれ本業を持っており、あいている時間を使って、このようなイベントや活動を手伝う「アミーゴ」というユルい有志の仲間で成り立っているのも興味深い。

「最近になって、スローライフ、ロハスブームなど、メディアへ取り上げられるようになり、フェアトレードの認知度が急激に上がってきています。私たち自身も、ようやく、現地の生産者組合のあり方、仕入れから販売までビジネスとして進めていくための方法が分かってきました。本格的な活動はこれからですね」(藤岡さん)。

さらに、藤岡さんたちは、映画「ショコラ」のインスピレーションのお礼に、主演のジョニー・デップに宛に手紙を書いたとか!

「ジョニー・デップはチョコレートに関する映画に二つも出ている。彼にエクアドルの村を訪れてもらいたくて。現地で美味しいチョコレートを食べてもらって、私たちをはじめ、世界のフェアトレードチョコを応援してもらえたら嬉しいですね」(藤岡さん)。

ここ最近、企業や団体が、「スローライフ」から「LOHAS」へとテーマを移し、雑誌を創刊したり、番組やブランドをスタートしたり、カフェやショップ、商品、サービスをスタートするなど、ビジネス化への拍車がかかっている。なかにはマーケティング優先のものもあり、ブームは玉石混交の様相を呈しはじめているのも事実である。

その一方で、あえて「LOHAS」や「エコ」といった言葉を強調しないで、あくまで個人の意志からとり組む動きも急速に広がっている。それが今回のようなイベントであり、そこに自主的に参加していたスタッフであり、訪れていたお客さんたちだろう。一過性の「トレンド」ではなく、今後もさらに広まる「ムーブメント」を予感させる1日となった。次回のカフェ・イベントは、4月の「アースデー」への出店だそうだ。


[取材・文/古屋荘太(フリーライター)+『WEBアクロス』編集室]

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