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ライフ・クリエーション・スペース OVE(オーブ)

ライフ・クリエーション・スペース OVE(オーブ)

レポート
ライフスタイル
2006.07.11
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自転車の社会的地位向上、自転車文化の創造を目指した
シマノ初のライフスタイル提案型ショップ

手前はメルセデス・ベンツ社製の
スムーバー。50万円前後の商品ももちろん
試乗可能で、実際にその乗り心地を体感して
ほしいとのこと。
オーダーシューズは18万円〜。
履き心地だけでなく、高感度の20〜30代にも
受け入れられそうなデザイン性の高さが
ポイント。レディースもあり。
カフェスペースではランチも提供するほか
食に関するワークショップなども開催。
ルイガノやドイツのr&m社のスムーバーも
揃う。快適な乗り心地や高機能性はもちろん
見た目にこだわったスマートな作りが特徴。
店のさらに奥に位置する瞑想室。桐の香りと
照明が心地よい5畳ほどの小部屋で、茶会を
開催したこともあるそうだ。
OVEツアー参加者には後日店内の大型
プロジェクターで旅の記録の上映会を催す
など、その後の交流も深まる仕組み。
2006年1月23日、南青山にライフ・クリエーション・スペース「OVE(オーブ)」がオープンした。運営するのは日本が誇る世界最大級の自転車パーツメーカー、株式会社シマノ。環境意識・健康志向・心地よさなどをキーワードに上質なライフスタイルを提案し、そのなかで自転車の魅力についても伝えていく、同社初のアンテナショップである。店名は“Opportunity”(機会)、“Value”(価値)、“Ease”(気楽さ)の頭文字から命名した。

「ヨーロッパではゆったり気持ちよく自転車に乗るような自転車文化が成熟していて、30km以上走っても疲れないコンフォートタイプの自転車も人気を集めています。しかし日本は、ツール・ド・フランスに触発されるような一部の自転車マニア層はいても、通勤時や買い物時の足代わりの“ママチャリ文化”が主体の自転車文化後進国。日本でも、地球にやさしく健康にもいい本来の自転車のよさや楽しさ、面白さを伝える場所を作るべきと考え、『OVE』プロジェクトをスタートさせました」というのは、同店プロデューサーの有島政彦さん。

世界中の自転車メーカーに部品を提供しているシマノが運営しているとなると、さぞマニアックでハイスペックな自転車が並ぶのかと思いきや、店内は長テーブルや洗練されたソファ、自転車やライフスタイルに関連する本を集めたライブラリースペースなどを配した約100坪のゆとりある空間。まるでアートギャラリーのような趣きさえある。また、無農薬食材や玄米食のヘルシーなメニューを揃えたカフェのほか、なんと瞑想室やシャワールーム、ミニシアター級の大型プロジェクターも完備しており、ワークショップなど多目的に利用可能なスペースになっている。あえて大通りから一本入った場所という立地で、店自体をセグメントしていける雰囲気にもこだわった。ターゲットは30代〜50代の男女。

「シマノのパーツが使われた世界中のいい自転車を集めて展示する・・・そんなプランも挙がりましたが、それでは自転車好きは集まっても興味のない人はまったく来ない。固定客確保とのジレンマはありましたが、最終的には広く一般の方々にアプローチする必要があると考え、“新しいことにチャレンジできるライフ・クリエイション・スペース”という現在のスタイルに着地しました。売り上げベースではなく、ロングスパンで自転車の社会的地位の向上や日本での自転車文化の創造に繋がればと思っています」(有島さん)。

そんな同店で扱う自転車は、長時間乗っても疲れない快適な乗り心地を追求したというコンフォートタイプの自転車ブランド「SMOVER(スムーバー)」。オートマチック変速機やオートサスペンション制御などシマノ製の部品を組み込んだ高付加価値のブランドで、価格は16万円〜50万円程度。セミオーダーでの販売が基本になっている。ヨーロッパでの展開がメインのため、日本ではまだ珍しいそうだ。

自転車の試乗やメンテナンスの相談も受けているが、同店の特徴はライフ・クリエイション・スペースとして、数多くのユニークな提案をしていることだろう。たとえば、オーダーメードのアイウェア、バッグ、シューズの販売や、家具のセミオーダー、住空間プロデュース、さらには、自叙伝のプロデュース・制作まで手掛けている。

「個人に合ったものをオーダーし長く使ってもらうことは、同店のコンセプトに通じる部分。今の自分を少し変えるようなデザインを選んで、新たなライフスタイルをクリエイションするきっかけにしていただければと思います」(有島さん)。

また「OVE TOUR」として、「SMOVER」を使用した少人数の自転車ツアーのコーディネートもしており、3月に開催された「江戸発見ツアー」なども好評だった。同店に気に入る自転車がない場合も相談に乗り、他の販売店を紹介する。

そんな余裕のあるスタンスで、新しい自転車文化の創造を目指し、立ち上げられた「OVE」。生活のクリエイションを楽しんでもらう場、“有意義な暇つぶし”を楽しんでもらう場として、今後も他にはない独自の企画を発信していこうとする同店の取組みは、シマノの企業価値を高めるシナジー効果まで期待できそうだ。



[取材・文/本田亜友子+『WEBアクロス』編集室]

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