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「エコバッグ」

「エコバッグ」

レポート
ファッション
2006.09.01
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ファッションアイテムになった「エコバッグ」

今夏大人気のかごバッグをよそに、渋谷の街ではショップやブランドのロゴがあしらわれたトートバッグを持つ女性の姿をよく見かける。もっとも目につくのは「DEAN&DELUCA」。次いで透明ビニールバージョンがリリースされた「I Love(ハート) Chloe」、カラフルになった「紀伊國屋」。Over40sには「afternoon tea」が人気だ。

「エコを意識して使っています」と言うのは、「DEAN&DELUCA」のトートバッグを持っていたアパレルの企画を担当する女性(34歳)。

「それまでは無意識だったんですが、3年前くらいからでしょうか。なんて無駄なゴミを出しているんだろうって気づいちゃったんです。そんな時このバッグに出会い、それからは買い物をしてもなるべく袋をもらわなくてもいいよう、いつも持ち歩くようになりました」。2年間自転車通勤に使用し、今春同じものをリピート買いしたそうだ。

「会社帰りにお総菜や食品を買うことが多いので何年か前に買いました」と、無印良品のコンパクトに折り畳めるカーキ色のお買い物バッグを使っていた設計事務所に勤める女性(28歳)は言う。

東京都内に住む比較的若い人たちの「レジ袋」への関心の高まりは、おそらく杉並区で「レジ袋税」が可決された2002年3月頃からだろう。スーパーはこぞってショップ名入りの「マイバッグ」を新たに製作したり、マイバッグを持参した人にはポイントを還元するなど、さまざまな工夫を凝らしていったのは周知の事実。渋谷きっての食品売り場、東急百貨店東横店の地下にある「フードショー」でも、レジでマイバッグを提示する人をよく見かけるようになっている。


2006年9月2日に実施した定点観測でも
The New Shoppingbagを持つ女の子を
発見(渋谷パルコ パート1前にて)
「パソコンを持ち歩くためのバッグとして使っています」と言うのは、やはり「DEAN&DELUCA」のバッグを持っていたシステムエンジニアの女性(29歳)。「以前はユナイテッドアローズのショッピングバッグに入れていて、何ヶ月かごとに新しいものに取り替えていました。オシャレなパソコンバッグがないんですよ」。丈夫だし、汚れたら洗濯機で洗えるのでとても便利で気に入っていると話してくれた。

たしかに、JRの渋谷駅ハチ公口前で観察してみると、トートバッグに混じって「SLY」や「マウジー」、「WR」、「セシルマクビー」、「ピーチジョン」、「スターバックス」など、買い物をした時に商品を入れてもらうショッピングバッグを持つ女性もかなり多いことに気づく。ゴールドやショッキングピンク、光沢のあるブラック、シックなダークブラウンに水色の文字などファッショナブルなデザインのものが多く、素材も紙ながらしっかりと加工されていたり、明らかにバッグとしても使用してもらうことを前提とした丈夫な素材のものも少なくない。

さらにデザイン面では、マルタン・マルジェラの白い布製のショッピングバッグや、坂本龍一の2005年のジャパン・ツアーがきっかけで今ではテイジンと有限責任中間法人ロハスクラブの共同プロジェクトとなった「My Designバッグ」、新しくなったナチュラルハウスのオリジナルのバッグなど、いわゆるトート型だけでなくレジ袋型のものも増えている。

渋谷界隈でもカラフルな色合いと軽い質感がはっと目を引くショッピングナイロン製のバッグを持つ女性をよく見かけるようになった。これは、デザイナーのスーザン・ベルによって発案されたもので、その名も「The New Shoppingbag(ザ・ニュー・ショッピングバッグ)」。「スタイリッシュで実用的」というコンセプト通り、シンプルなデザインながらも、11色のベースカラーを2色組み合わせることによる50以上ものカラーバリエーションでぞれぞれ表情が異なる、一種の「アートプロダクト」ともいえる。素材は、カイトやパラシュートに使われるナイロンリップストップに撥水加工が施されたもので、15kgの重さにも耐えられるというから頼もしい。

「3年ほど前に弊社のスタッフが海外から見つけてきたもので、日本では弊社のアンテナショップで扱ったのが最初です。その後、ギャラリーのインショップを中心に販売していましたが、某有名ミュージシャンの方をはじめ、スタイリストさんやデザイナーさんなど、一部のデザインコンシャスな人が“個人買い”されるケースが去年は多かったですね」と言うのは、日本での販売代理店のガスアズインターフェイス株式会社の菊地健一さん。

同社ではこのバッグを、「デザイン×エコ×ファッション」にコンシャスな人だけでなく、もっと一般的な人たちにも広めようと今春より販路を拡大。専用のWEBサイトを立ち上げる他、企業とのコラボレーションなどいろいろな企画を考えているそうだ。

薄いピンク地に蛍光グリーンの掛け合わせの「The New Shoppingbag」を持っていたホットヨガのインストラクターの女性(31歳)は、ヨガバッグをずっと探していたがなかなか気に入ったものが見つからず、先日ソニープラザで見つけて一目惚れしたのだそうだ。「広げるとかなりの大きいんですが、肩に掛けるとくたっとして身体に馴染むので気に入ってます」。

ペタンコのマクラメ調のバッグとバリで買った布のトートバッグを2個持ちしていた24歳の女性会社員は、「エコじゃなくてファッションです」ときっぱり。トレンドの小さいバッグが持ちたくて、書類など入りきらなかった荷物を入れるために「バッグの2個持ち」しているのだそうだ。ちなみにと、スーパーのレジ袋はもらわないようにしているかと訪ねたところ、「ゴミを捨てる時に必要だからもらう」との回答だった。

こうみてくると、台頭するショップ名の入ったオリジナルバッグやブランドのショッピングバッグは、「エコを意識して」というまっとうな理由に留まらず、「○○用のバッグを探していたがなかなか気に入ったものが見つからなかった」、そして何よりも「(トレンドの)小さいバッグが持ちたかったから」といった、バッグのトレンドを背景に、ブランドやデザイン性、使い勝手、そしてコストパフォーマンスが重要なファクターとなっていることが明らかに。これらはまさに「エコバッグ」の定義といえそうだ。

近年の「LOHAS」(という言葉の)ブームも手伝って、欧米のメゾンブランドをはじめ、ドメスティック系ブランドからも商品としてリリースされたり、雑誌の付録としてのコラボレーション企画など、「エコバッグ」がある種の時代の記号(アイコン)になりつつあるのは事実である。今秋冬は、ビッグサイズのバッグがトレンドといわれているが、エコバッグのサイズも大きくなる?かどうかは、今秋のストリートを注目して欲しい。

なお「The New Shoppingbag」は12色・Sサイズのみ全国のソニープラザ(一部店舗を除く)でも取扱い中だそうだ。


[取材・文]『WEBアクロス』編集室

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